また「CP+2016」の話? という感じですが…
これまで詳しく紹介していなかった他のメーカーのブースについて、まとめてみました。
◆富士フイルム「X-Pro2」実写
富士フイルムのブース。
「X-Pro2」に好きなレンズを付けて、モデルやクリスタルの小物などを撮影できました。撮影データ持ち帰りもOK。
「Part 1」でも書いたとおり、「X-Pro2」の人気は高いです。タッチ&トライコーナーにできた長い行列に加わって待つことしばし、ようやく試せることに。
「X-Pro2」。
評判のいい「XF90mm F2 R LM WR」を付けてもらいました。35mm判換算で137mm相当。解像力と美しいボケ味を合わせ持つポートレート向きのレンズ。
<実写例>
「X-Pro2」と「XF90mm F2 R LM WR」で、モデル撮影を体験。
カメラ:X-Pro2 レンズ:XF90mm F2 R LM WR
絞り F2.0、1/170秒、露出補正 0、ISO 200、ホワイトバランス オート
カメラ:X-Pro2 レンズ:XF90mm F2 R LM WR
絞り F2.0、1/120秒、露出補正 0、ISO 200、ホワイトバランス オート
次に、「XF56mm F1. 2 R APD」を試してみました。
大口径ポートレートレンズとして好評の「XF56mm F1. 2 R」に、前後のボケを美しくするアポダイゼーション(APD)・フィルターを搭載したもの。35mm判換算85mm相当。
意識して前ボケを入れてみました。どうでしょうか…
カメラ:X-Pro2 レンズ:XF56mm F1. 2 R APD
絞り F1. 2、1/240秒、露出補正 +1、ISO 200、ホワイトバランス オート
カメラ:X-Pro2 レンズ:XF56mm F1. 2 R APD
絞り F1. 2、1/280秒、露出補正 +1.3、ISO 200、ホワイトバランス オート
背景に玉ボケでもあると、もっと良かったかも…
クリスタルグッズも撮ってみました。
カメラ:X-Pro2 レンズ:XF90mm F2 R LM WR
絞り F2. 0、1/180秒、露出補正 +0. 3、ISO 200、ホワイトバランス オート
柔らかなボケ味。立体感もあります。
わずかな時間での実写でしたが、「X-Pro2」は全体に色乗りが良く、しっとりと“粘り”がある画質のように感じました。
<ファインダーについて>
「X-Pro2」の特長は、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)をレバー操作で簡単に切り替えられる「ハイブリッドビューファインダー」。
通常は光学ファインダーの方が現実に近く、見やすいはず。
ただ、今回の「XF90mm F2 R LM WR」のような望遠になると、ファインダーの中で撮影エリアを示す白枠が小さくなり過ぎ、モデルの表情が分かりにくかったです。
結局、電子ビューファインダーを使うことに。
これに対して、「XF56mm F1. 2 R APD」ぐらいの画角だと、撮影エリアの白枠も大き目で、光学ファインダーでも大丈夫でした。
もっと広角のレンズだと、(スナップなどで)光学ファインダーだけで十分だと思います。
状況に応じて都合のいい方を選べばいいので、「ハイブリッドビューファインダー」は便利。
前モデルの「X-Pro1」よりレスポンスは速くなっています。
ボディーデザインも良いし、色々な場所で撮ってみたい魅力のカメラ「X-Pro2」。
4月には秋田で体験イベントがあるとのこと。
Xシリーズの旗艦モデルですから、もっと他の都市でもイベントをやってほしいですね。
*X-Pro2 については「リセット問題」なるものが出ているそうです。新ファームウエアでバグフィックスするとか (3/17、デジカメinfo)。まあ、どのメーカーでも初期不良はありがちなので…
別のコーナーでは、インスタントカメラ「チェキ」のPR。(写真の黄色いカメラは「instax mini 70 」)
仕組みは、昔ながらのフィルムカメラ。しかし、富士フイルムの収益に貢献している、息の長いヒット商品とか。
◆シグマのミラーレス
「SIGMA sd Quattro 」。
「CP+2016」の開幕直前、2月23日に発表された、レンズ交換式ミラーレス「SIGMA sd Quattro」シリーズ(発売日未定)。(シグマの発表参照)
「SIGMA sd Quattro」(APS-Cサイズ、3,900万画素相当)と「SIGMA sd Quattro H」(APS-Hサイズ、5,100万画素相当)の2モデルがあり、いずれもFoveon X3ダイレクトイメージセンサーを搭載。
会場では、APS-Cサイズのモデル「 sd Quattro」を試すことができました。
ミラーレスながら、重厚なボディー。
レンズマウントはシグマSAマウント。いま話題のContemporary、Art、Sports 各シリーズのレンズが使用できます。
上の写真では、「50mm F1.4 DG HSM | Art 」が付いています。標準レンズなのに、中望遠レンズほどの長さに見えるのは、ボディーのマウント部がせり出しているため。
高性能のArt レンズと組み合わせることで、中判カメラ並みの高精細な写真が撮れるそうです。
操作系は、背面液晶画面が2つに分かれていてユニーク。
気になったのは電子ビューファインダー(約236万ドット) の画質。いまひとつ精細さを感じませんでした(撮れる写真は高精細だとしても)。初期のミラーレスカメラのように、表示がぎこちない感じ。
発売日までに、もっと良くなるのかもしれませんが。
シグマの山木社長が、黒山の人だかりの中でプレゼンしていたのは、注目を集めそうな「SIGMA sd Quattro 」ではなく、「マウントコンバーターMC-11」(発売日未定)。
マウントコンバーターMC-11には、装着する各レンズのデータが入っており、高速、快適なAFが期待できるそうです。周辺光量、倍率色収差、歪曲収差などのカメラ側の補正機能や、手ブレ補正にも対応しているとのこと。
このマウントコンバーターをソニーのEマウントカメラに使えば、シグマSAマウント用、シグマ製キヤノン用レンズが使える---つまり、ソニーEマウント用レンズが大幅に増えることになります。
レンズ資産を生かすためのマウントコンバーター。
でも、なぜキヤノンとソニー?
ニコンには対応していない…
◆ケンコー・トキナー
ケンコー・トキナーのブースで行われたセミナー。小河俊哉氏の「トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FX で撮る風景」。
小河氏がこの広角ズームレンズを推す理由の一つは解像力。木々の枝がくっきり解像しています。
また、抜けが良くコントラストが高い、青い空が青く写る(トキナーブルー)、ディスト―ション(歪曲)がよく補正されている、といった点も強調していました。
ユーモアを交えて、しゃべりも面白いです。
きれいな夜景ですね。
有名なガウディのサグラダ・ファミリア。三脚は許されないので、手持ち。明るいレンズだからこそ撮れた作品とのこと。
「すみずみまで破たんがなく、くっきり見える、恐ろしいほどの解像力」と、小河氏は絶賛していました。
正直、このレンズが欲しくなるセミナー。
セミナーのあと、モデル撮影タイムもありました。
(トキナー製品ではなく、自前のキヤノンEOS 6D、EF24-105mm F4L IS USM で撮影)
セミナーで紹介されていた「トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FX 」の展示品を、自分のEOS 6Dに付けて撮影してみました。
迫力ある外観ですね。
前玉が大きく張り出した“出目金”レンズなので、フィルターは付けられません。
◆「トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FX 」で実写
「CP+2016」の会場内。
解像感はキリッとして、かなり良さそう。ただ、強い照明にはゴーストが出るようです(天井に向けたら、たまたまこうなって…)。
◆タムロン
最近、「SP 85mm F/1.8 Di VC USD」など高性能の単焦点レンズを出しているタムロンのブース。
こちらは「SP 45mm F/1.8 Di VC USD」。
最短撮影距離 29センチと、“寄れる”レンズ。手のアップの作例でアピールしていました。
ちょっと重めですが、45mm という微妙な焦点距離、F1.8 の十分な明るさ。面白いレンズだと思います。
これまでズームレンズ中心だったタムロン。今後単焦点にも力を入れていきたいとのことでした。
◆カールツァイス
「ZEISS Otus 1.4/28 」(3月24日発売)。
恐るべきツァイスの「Otus 」シリーズ。このたびは“世界最高の広角レンズ”というふれこみ。
フィルター径は95mm と巨大!
性能も価格も大きさも重さも、すべてが別格の「Otus 」シリーズ。
「ZEISS Otus 1.4/28 」の実勢価格は57~58万といったところのようです(PHOTO YODOBASHI 参考)。
こちらは「Milvus 」シリーズ。
カールツァイスとコシナが共同開発したフルサイズのデジタル一眼レフ用MFレンズ。
マニュアルフォーカスというこだわりを持って、ひと味違う画質を求めるカメラマン向き。
「Loxia 」。
ソニーEマウントのフルサイズ対応MFレンズ。
高画質でありながら小型。ツァイスでも、このあたりのレンズになると身近な感じがします。お客さんの関心が高かったですね。
キヤノン、ニコン用の各種「Distagon 」レンズ。
写りはいいんでしょうね。
でも年のせいか、最近のカメラの明るいファインダーのせいか、マニュアルフォーカスはしんどい…
◆一億画素のカメラ
デンマークのPHASE ONE が発表した1億画素の中判カメラが展示されていました。
「IQ3 100Mp」。デジタルカメラはついに1億画素まで来ました!
カメラ・レンズセットの値段は680万円(税別)。
これは、1億画素ではありませんが、現行の6000万画素モデル。
自由に触って試すことが出来ました。さすが「CP+」ならでは。
で、どうなるかというと…
「重いッ!」
「使い方分からない!」
あげくのはて、AFでグリンと回転するシュナイダ―レンズのピントリングに指をはじかれました。
全然ダメ。こういうカメラ…
あまりにも高価なので、プロもレンタルで使うのが普通のようです。
1日あたり6万円ぐらい? それに見合う仕事が来たときだけレンタルするとのこと。
PHASE ONE のカメラを展示していたDNP のブース。
DNP (大日本印刷)は、出版・印刷、住宅建材、セキュリティシステムなど色々なことをやっている企業。グループ会社のDNPフォトイメージングジャパン がPHASE ONE の国内総代理店になっています。
会場では一般向けに、フォトブックを作る楽しさをアピールしていました。
◆周辺機器
三脚やバッグなどカメラの周辺機器メーカーも多数ブースを構えていました。
<SIRUI>
あまり製品とは関係ないシーン…
中国の三脚ブランド、シルイ(SIRUI)のブースでは、コンパニオンを囲んでモデル撮影会のように。
量販店で見かける「BENRO」も品質がしっかりしていていますが、中国ブランドの三脚、けっこう人気がありますね。
<Profoto>
プロ用ストロボ・スタジオ用品「Profoto」(スウェーデン)のセミナーで。鈴木さや香氏の「イリュージョン」。
ストロボのカラ―フィルターを駆使したライティング、感情表現について解説していました。
舞踏の撮影風景を実演。
折りたたみ式リフレクタ―の紹介。
写真の世界も奥が深い、ということを実感。
色々なものを見聞きして、試して、充実した「CP+2016」。
今年から増えた、大さん橋ホール会場へは、時間的に行く余裕がありませんでした。
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撮影カメラ・レンズ(各メーカー製品の実写を除く)
キヤノン EOS 6D
EF24-105mm F4L IS USM
ソニーRX100
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