
自動車の排気ガスにも含まれる一酸化窒素ですが、これは血管を開く作用があると言われ、吸入することで肺動脈圧を下げて左心系への灌流を増加させ循環動態を改善する効果が期待できます。この治療、数年前から保険適応とされ、横須賀市立うわまち病院ではいち早く2016年から採用しています。
既に50例近くの症例に使用し、肺高血圧の症例だけでなく、低酸素血症を伴う症例にVQミスマッチの改善によって人工呼吸器離脱を早める可能性があり使用しています。
酸素化の改善の効果があるのは半々くらいかな、という印象でしたが、この度講演を頼まれたきっかけで今までの症例を振り返ってみると、意外にも劇的な効果がある症例もあり、ほぼ何らかの効果があるようです。効果がないと思われた症例も、重症化しすぎていて効果が露見していないということだったのかもしれません。