日増しに、彼は職場の中で孤立して行った。
職場の人間は影で囁いた・・・
「 あいつは、ズルイ奴だ 」
「 あいつは、自分本位の利己主義者だ 」
「 あいつは、精神構造が未熟だ・・・ 」
「 あいつは、根性が曲がっている 」
多くの人から、こんなふうに言われる程、彼の信用は失墜してしまった。
集団の中で、一度悪いレッテルを張られてしまったら、
もう取り返しがつかない。
彼が、やる事なすこと、全て悪意に取られるようになってしまった。
彼のが仕事上の事で少しでもミスを犯すと、
そのことは誇張され、すぐに話が広がって行った。
普通の人なら、笑い話で最後は済ますことが出来るような、
些細なミスも彼がやってしまうと大げさに言われ、問題にされてしまう。
そういう状況に追い込まれた彼は、必死になった。
追い込まれた彼は、自分がやってしまった些細ミスを、何とか隠そうと
小細工するようになって行った。
でも、隠せば隠すほど、小さなミスも大きくなってしまう。
それが、発覚すると彼は必死になって言い訳した。
それが彼の信用をさらに落とすハメになっていった。
こうなると悪循環は加速度を増す。
彼がやる事全てが万事、裏目にでた。
それでも、かれは相変わらず 「 乗せてって・・・」を言い続けた。
「 あいつ人をバカにしているのか!!! 」 と憤慨する者も現れ始めた。
そんな状況のなかで・・・・私には彼の本質が分かり始めた。
私の感じる彼の本質は
1 真面目
2 誠実
3 優しさ
4 純粋
5 清廉潔白
6 意志の弱さ
この6点に集約されると感じた。
1~5までは、長所であるはずだが、彼の場合、
その長所が全て裏目に出てしまっていると感じた。
なぜ、五つの長所が裏目に出るか、
その原因は 6番目にあげた、「 意思の弱さ 」
誤解を恐れず、逆説的に言わせていただくなら・・・・、
1 不真面目
2 いい加減
3 意地悪
4 腹黒さ
5 したたか者
この5つの要素を持つ人がいたとすると、
この人の 6番目にあげられる要素は何か。
「 強さ 」 ではないだろうか・・・・
もっとも・・・ここでいう「 強さ 」 とは善悪とかを度外視した意味での‘ 強さ ‘
であって、それが良い事だという意味ではありません。
即ち、純粋で善良な人間ほど、自分で自分を追い込んでしまう。
これ、即ち 自己処罰
私は思った・・・彼は自分で自分を処罰している・・・・
彼は、無意識の内に、意識下に潜む彼の潜在意識が、自分に罰を科しているのでは・・・・
そう考えれば、いくら嫌われようとも、非難されようとも
『 乗せてって 』を絶対に止めない、奇怪な性癖に対して説明が付く。
彼に対して、話が出来るような 『 物好きな奇人・変人 』は私以外いないと感じました。
こうなったら、恥じらいも外聞も捨てやる・・・・天才バカボンになってやる・・・
最上段に構えた刀を、彼の脳天めがけて一気に振り下ろしてやろう・・・・
そう思って、ある日、私は彼に言いました。
「 今日はを車で名古屋まで送ってあげますよ 」
彼は、やつれた表情で、何かにすがるような悲しい眼差しで私をジッと見つめ、
「 お願いします ・・・ 」 と答えた。
あの時の彼の眼差しは今だに私の眼に染み付いています。
会社から名古屋まで、約一時間、彼と2人きりで対話できる機会が出来ました。
キツネでも出そうな、あたり一面何もない気味が悪い暗い夜道、
車を運転しながら私は彼に語りかけました。
『 私は、あなたが人一倍真面目で、純粋で、誠実で、
心優しい人間であることは十分理解しています・・・
にもかかわらず、職場の人間から悪いレッテルを貼られてしまっている・・・・・
そうなるに至った根本原因が何にあるか・・・・
あなたは分自でわかっているはずです。
でも、その原因を自分で排除する事ができない・・・・
なぜだか分かりますか?
あなたはモットもらしい理屈を言って、自分で自分を誤魔化していますが・・・
真相はは簡単です、
それは、あなたの 『意志の弱さ』 から来るものではないのですか?・・・・
人を頼りにする・・
嫌な顔をされるか嫌味を言われる・・・
そのときは、もう二度と頼むものか・・と思う。
でも、次の日になると、やっぱり歩くのは辛い・・・
自分で歩いて帰ればすむ問題なのだが、
昨日決意したにもかかわらず、もう一回、今日だけは・・・
と思い、また人に頼んでしまう・・・
こんな事をしていてはいけないと毎日後悔する・・・
それでも、また同じ事を繰り返す・・・・
それを何年ものあいだ、毎日毎日、繰り返して来た・・・違いますか? 』
彼は、無言のまま震え出した。
私は、さらにもう一枚皮をめくって差し上げようと思って言葉を続けた・・
『 あなたは、非常に純粋で真面目な性格です。
それ故、今まで他者に対して、
自分が発した失言や、過ちを、思い出し、
その事に対する後悔と罪の意識に襲われている。
それは、あなたが心優しく、純粋過ぎるがゆえの、
弱さではないんですか?
それが日常化していて、常に自責の念に駆られている・・・』
彼は、無言のまま、首を深くうな垂れた・・・
今こそ刀を振り下ろす時が来たと感じた・・・
彼と、` 彼の背後にいる何か `
に対して、満身の力を込めて、言葉と念を発した。
『 人間はの神の分身です!!! 罪の意識を捨ててください!!
自分で自分を裁いてはいけません!!! 一寸先は光です!!! 』
職場の人間は影で囁いた・・・
「 あいつは、ズルイ奴だ 」
「 あいつは、自分本位の利己主義者だ 」
「 あいつは、精神構造が未熟だ・・・ 」
「 あいつは、根性が曲がっている 」
多くの人から、こんなふうに言われる程、彼の信用は失墜してしまった。
集団の中で、一度悪いレッテルを張られてしまったら、
もう取り返しがつかない。
彼が、やる事なすこと、全て悪意に取られるようになってしまった。
彼のが仕事上の事で少しでもミスを犯すと、
そのことは誇張され、すぐに話が広がって行った。
普通の人なら、笑い話で最後は済ますことが出来るような、
些細なミスも彼がやってしまうと大げさに言われ、問題にされてしまう。
そういう状況に追い込まれた彼は、必死になった。
追い込まれた彼は、自分がやってしまった些細ミスを、何とか隠そうと
小細工するようになって行った。
でも、隠せば隠すほど、小さなミスも大きくなってしまう。
それが、発覚すると彼は必死になって言い訳した。
それが彼の信用をさらに落とすハメになっていった。
こうなると悪循環は加速度を増す。
彼がやる事全てが万事、裏目にでた。
それでも、かれは相変わらず 「 乗せてって・・・」を言い続けた。
「 あいつ人をバカにしているのか!!! 」 と憤慨する者も現れ始めた。
そんな状況のなかで・・・・私には彼の本質が分かり始めた。
私の感じる彼の本質は
1 真面目
2 誠実
3 優しさ
4 純粋
5 清廉潔白
6 意志の弱さ
この6点に集約されると感じた。
1~5までは、長所であるはずだが、彼の場合、
その長所が全て裏目に出てしまっていると感じた。
なぜ、五つの長所が裏目に出るか、
その原因は 6番目にあげた、「 意思の弱さ 」
誤解を恐れず、逆説的に言わせていただくなら・・・・、
1 不真面目
2 いい加減
3 意地悪
4 腹黒さ
5 したたか者
この5つの要素を持つ人がいたとすると、
この人の 6番目にあげられる要素は何か。
「 強さ 」 ではないだろうか・・・・
もっとも・・・ここでいう「 強さ 」 とは善悪とかを度外視した意味での‘ 強さ ‘
であって、それが良い事だという意味ではありません。
即ち、純粋で善良な人間ほど、自分で自分を追い込んでしまう。
これ、即ち 自己処罰
私は思った・・・彼は自分で自分を処罰している・・・・
彼は、無意識の内に、意識下に潜む彼の潜在意識が、自分に罰を科しているのでは・・・・
そう考えれば、いくら嫌われようとも、非難されようとも
『 乗せてって 』を絶対に止めない、奇怪な性癖に対して説明が付く。
彼に対して、話が出来るような 『 物好きな奇人・変人 』は私以外いないと感じました。
こうなったら、恥じらいも外聞も捨てやる・・・・天才バカボンになってやる・・・
最上段に構えた刀を、彼の脳天めがけて一気に振り下ろしてやろう・・・・
そう思って、ある日、私は彼に言いました。
「 今日はを車で名古屋まで送ってあげますよ 」
彼は、やつれた表情で、何かにすがるような悲しい眼差しで私をジッと見つめ、
「 お願いします ・・・ 」 と答えた。
あの時の彼の眼差しは今だに私の眼に染み付いています。
会社から名古屋まで、約一時間、彼と2人きりで対話できる機会が出来ました。
キツネでも出そうな、あたり一面何もない気味が悪い暗い夜道、
車を運転しながら私は彼に語りかけました。
『 私は、あなたが人一倍真面目で、純粋で、誠実で、
心優しい人間であることは十分理解しています・・・
にもかかわらず、職場の人間から悪いレッテルを貼られてしまっている・・・・・
そうなるに至った根本原因が何にあるか・・・・
あなたは分自でわかっているはずです。
でも、その原因を自分で排除する事ができない・・・・
なぜだか分かりますか?
あなたはモットもらしい理屈を言って、自分で自分を誤魔化していますが・・・
真相はは簡単です、
それは、あなたの 『意志の弱さ』 から来るものではないのですか?・・・・
人を頼りにする・・
嫌な顔をされるか嫌味を言われる・・・
そのときは、もう二度と頼むものか・・と思う。
でも、次の日になると、やっぱり歩くのは辛い・・・
自分で歩いて帰ればすむ問題なのだが、
昨日決意したにもかかわらず、もう一回、今日だけは・・・
と思い、また人に頼んでしまう・・・
こんな事をしていてはいけないと毎日後悔する・・・
それでも、また同じ事を繰り返す・・・・
それを何年ものあいだ、毎日毎日、繰り返して来た・・・違いますか? 』
彼は、無言のまま震え出した。
私は、さらにもう一枚皮をめくって差し上げようと思って言葉を続けた・・
『 あなたは、非常に純粋で真面目な性格です。
それ故、今まで他者に対して、
自分が発した失言や、過ちを、思い出し、
その事に対する後悔と罪の意識に襲われている。
それは、あなたが心優しく、純粋過ぎるがゆえの、
弱さではないんですか?
それが日常化していて、常に自責の念に駆られている・・・』
彼は、無言のまま、首を深くうな垂れた・・・
今こそ刀を振り下ろす時が来たと感じた・・・
彼と、` 彼の背後にいる何か `
に対して、満身の力を込めて、言葉と念を発した。
『 人間はの神の分身です!!! 罪の意識を捨ててください!!
自分で自分を裁いてはいけません!!! 一寸先は光です!!! 』