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森林からのニッポン再生 (平凡社新書)

2010年04月20日 20時59分51秒 | 
森林からのニッポン再生 田中淳夫・著 (平凡社新書)

出版されたのは2007年6月。先日、図書館で借りて読みました。

下に書いた目次を見てもらえば分かるように内容は盛りだくさん。ボリュームの限られた新書ですので、林業や山村について知識のある人にとっては、書かれている内容が少々物足りなく感じるでしょう。しかし、一般の人にとっては、現在の日本は江戸時代や明治時代よりも山に緑が多いことや天然林よりも生物相が豊かな人工林があること、国産材が売れない本当の理由等々、これまでの森林や林業についての認識がガラリと変わるのではないでしょうか。
この本は入門書として捉え、もう少し深く知りたいと思ったことをさらに深めればよいと思います。

ところで、この本の本題とは直接関係はありませんが、61ページにヘラブナが外来種と書かれてるのは明らかに誤り。ヘラブナは琵琶湖固有種「ゲンゴロウブナ」の養殖品種です。

『森林からのニッポン再生』目次
第1章 日本の森林の素顔を探る
 1 日本は世界に冠たる森林大国
 2 存在しない「太古からの原生林」
 3 生物多様性は「破壊」が生み出した
 4 「緑のダム」は本当に存在するか
 5 自然をむしばむ見えない脅威
 6 二酸化炭素を出す森と貯める街
 7 日本人は森林が嫌い?
 8 森林は人の心を癒せるか
第2章 ニッポン林業盛衰記
 1 海外に打って出る日本林業
 2 林業は焼き畑から生まれた!
 3 木を伐ることで木を育てる
 4 林業の本質は廃物利用にあり
 5 天然林より植物の多様な人工林
 6 日本林業が没落した本当の理由
 7 台風の目・中国の森林と林業
 8 もう一つの林業、バイオマス・エネルギー
第3章 森から見たムラの素顔
 1 山村は、もう一つの日本
 2 木を売らなかった山里の経済
 3 山村の人口が多すぎた時代
 4 里を脅かす野生動物
 5 地図から消える村と集落
 6 田舎は「困っていない」
 7 田舎に向かう移住者の波
第4章 森と林業と山村を考える
 1 人と森がつくる生態系社会
 2 林業は環境を守る最先端ビジネス
 3 山村から描く日本の未来像