Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

在宅ホスピスケア

2006-05-22 | 医療・病気・いのち
 死期が近づいた人の様々な症状を緩和するために、緩和ケアを行う。そのケアを行うためには、知識と経験はもちろんのことだが、何よりも人手がいる。

 現在病院で提供されている医療のうち、可能な部分を在宅で行い、医療費の削減を目指していくというのが今の国の方針だ。方向性は良いと思うのだが、システムが全く構築されていなくて、医療現場に丸投げでは何も進まない。とくに在宅の分野は、介護保険の導入から、医療を提供する場と言うよりも介護を提供する場として構築されてきたのだから、介護を出来る人は少しはいても緩和ケアが出来る人は非常に少ない。その点を考えなくて、在宅医療を進めようとしてもそれは無理というものだ。

 そもそも日本は、病院における職員数がアメリカなどに比べてかなり少ない。医師、看護師、薬剤師、栄養士などなど、病院職員はいつも時間に追われている。病院ですらこんな状況の日本で、どこまで在宅システムを構築していくことが出来るのか。なんとか在宅を支えようという人にのみしわ寄せが行くようなことでは、政策とは呼べない。