Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

二の腕だけ?

2007-05-18 | 想い・雑感
腕を前腕と上腕に分けます
二の腕というのはこの上腕にあたる部分
つまり肩から肘までの腕をさします

二の腕の背側(伸筋側)の脂肪は
体全体の脂肪量を反映しているといわれています
栄養状態を見るときには
その調度真ん中あたりを軽くつまんで脂肪量を
大きくつまんで筋肉量(タンパク量)を見ることができます
その際には利き腕でないほうで見るのが一般的です

二の腕ダイエットというのをよく聞きます
二の腕の後ろ側のみの脂肪を取るような印象を持つのですが
一般的には必要以上のカロリー摂取は
ほぼ全身に万遍なく脂肪の蓄積を起こすのですから
局所の脂肪だけを減らすというのは
かなり困難だと思いますがいかがでしょうか

喫茶去

2007-05-17 | 想い・雑感
コーヒーはほぼ毎日飲むのですが
茶の類はあまり飲む習慣がなく
時々いただく程度でした

先日 これまでも煎れてもらっていた
普通のお茶なのですが
随分おいしく感じました
それ以来毎日一杯はいただくようになりました

ずずーと飲み終わると
ふーーーーーと長いため息
何かほっとします

病院の自室に時折製薬会社の方がこられますが
これからはお茶の一杯でも
召し上がっていただくようにしましょうかね

業務連絡のような味気ないものではなく
お互いほっとしたひと時を持つのも
悪くないかもしれませんね

無影燈

2007-05-16 | 想い・雑感
 手術のとき、術野を照らすのが無影燈です。野球場や競技場でナイターが行われる際に、四方八方からライトを照らすのと同じように、いくつかのライトを術野に向けて照らすようになっています。つまりそれぞれのライトの影を他のライトが打ち消すような具合になっているのです。明るい光の下で、血管や神経その他をきちっと確認しながら、手術は進められていきます。

 無影燈は、手術台の上の天井に取り付けられており、いろいろな方向から光を入れることができるように、位置や高さを変えることができます。そのために、無影燈を低くしていることを忘れて、思い切り頭をぶつけて目から火花が出ることもあったりします。
 
 直腸癌の手術の際に肛門側からの操作は椅子に座って行います。今日、操作が終わって立ち上がろうとしたときに、低い位置から照らしていた無影燈にごつんとやってしまいました。安全に手術を勧める為のものが、外科医や看護士にとっては凶器となりうるのです。

 無影燈にもいろいろなものがありますが、写真はその一例です。これには10個のライトがついています。やや古い型です。


あじさい

2007-05-15 | 想い・雑感
あじさいは土壌の性質によって
花びらの色が変わるという
庭の土壌がどんなものか知らないが
このあじさいはどのような色の花をを見せてくれるかな

おそらく同じ株でも
一つ一つの花は微妙に違う色を纏うのだろう
その差違も美しさの要因である
でもそれほど大きな違いではない

日本では
個性を大事に!
という意見をよく聞くが
個性個性と大騒ぎしたって
このあじさいの色の違いほども無いような気がする
そんなものにしがみつく必要は無いような気がする

まあ
このあじさいがどのような個性を見せてくれるか
楽しみにしていよう

決議事項

2007-05-15 | 想い・雑感
院内のいくつかの会議に参加したり
会議を開催する立場になったりするが
委員会においてなにか決定事項がある場合
委員の出席割合が問題となる
委員が20人で出席者が3人などということがあれば
当然決議事項の決定はできない

知らないうちに国民投票法案が通過した
法に則って決定されたのであろうが
国民投票のもととなる法律を
国民的議論の起こらないままに決定したところに
今後の運用が危ぶまれる

日々の暮らしに追われ
知らないうちに
どんどん憲法が変えられることの無いように
議論に参加する必要がありそうだ

議員へのお任せ民主主義を
卒業する必要がありそうだ

旧病棟

2007-05-14 | 想い・雑感
来年度の病棟建て替えの準備として
今は使用されていない敷地内の旧病棟がほぼ壊された

時の移ろいを感じてしまうが
しばらくすると無いのが当たり前になってくる

そこに新病棟が建てば
旧病棟のことも滅多に思い出さなくなるし
少しすれば
旧病棟があったこと自体を知らない職員が増えていくのだろう

時の流れ 恐るべし

若竹

2007-05-14 | 想い・雑感
種類はわからないが細い竹が植えてある
ふと気がつくと
細くやわらかい若竹が1mくらいの高さになっている
すごい勢いである
昔は子供の成長を願って
竹のようにすくすくとまっすぐに
などといったものだが
なるほどそう思わせるまっすぐな成長力である

ところで竹は木なのだろうか草なのだろうか
疑いもなく木と考えていたのだが
若竹のやわらかさとみずみずしさを見ていると
草のようにも思えてくる

竹の出始めの若芽がたけのことあたまではわかっていても
たけのこ堀の経験がなく実感がなかった
若竹の柔軟さを実際に感じて
やっと体で納得した感がある
自然と距離のある生活をしているのだろ
アスファルトを敷き詰められ
地に 土に 足がついていない生活をしているのだろう

飛行機雲

2007-05-13 | 想い・雑感
今日は気持ちの良い天気だった
空を見上げると
まっすぐのびた飛行機雲が
途中から徐々に広がりそして消えている
明日も天気は良いのだろう

以前飛行機雲が10分以上残っているようだと
天気は下り坂になると聞いたことがある
空中の水蒸気量や温度の関係だろう

しかし10分も見てられないよなあ…
と思った私は
現代の慌ただしさに
かなり毒されているのでしょう

たかが10分くらい
ボーとしている時間を持っても良さそうなものだ

若年女性の緩和ケア

2007-05-12 | 想い・雑感
20代から30代の女性は
結婚から出産を経験する可能性の高い年代
つまり
女性として
妻として
幼子の母として
そして自分も子供として
生きている可能性が高い年代

だからといって
悪性腫瘍にならないわけではなく
病を得て亡くなる方も少なくない
回りの両親 兄弟 配偶者 子供などもつらいが
本人はさらに多くの苦しみや悲しみを背負って旅立つことになる

外科では乳がんの頻度が高く
胃癌の方もおられる

かける言葉もない
ただ少しでも肉体的苦しみを取り除くことに勤める

緩和ケアの分野で
肉体的苦痛を取り除く方法は
体系化されつつあるが
心のケアは取り組むことが難しい
いかに生きるか そして 如何に死に行くか
という命題に正面から取り組むことが難しいのだから

特にこのような年代の場合
本人も周りの人も
まさか死が身近に迫る年齢とは得心がいかないわけで
皆がおろおろしてしまう
現実を見つめることは
きわめて困難となる

医療スタッフだけでなく
この分野に関わる人が広く求められているように思う

術後に起こりうること

2007-05-12 | 医療・病気・いのち
癌に対する手術を行う場合
癌を完全に取りきるために
がん細胞が散っていそうなリンパ節を含め
ある程度広い範囲を切除することになる

一方 体の機能を可能な限り温存するために
必要以上には切除しないように気をつけるわけだが
目に見えない細胞レベルのことまで考えると
少し広めに切除することとなる

臓器や組織を取り除けば
そのための欠落症状が出る

手術を受ける際には
取ってしまうとどのようなことが起こる可能性が高いかを
理解しておく必要がある

例えば直腸癌の場合
癌が肛門のすぐ近くにあれば
肛門ごと直腸を切除し人工肛門を造る必要が出てくるので
人工肛門のことがクローズアップされがちだが
それ以外にも起こりうる不都合がある

直腸を切除していく際 直腸は骨盤腔内を通っているため
膀胱や生殖器へ向かう神経を切除する必要が出てくる場合がある
そうなると排尿障害や性機能障害が出てくることとなる
術後の生活をしていく上で
人工肛門の管理よりもこちらのほうが生活の質を低下させる大きな要因となる

手術ゆえに起こる避けられない不都合は
手術の種類ごとに特徴的なものがある
もし手術を避けられないならば
術後どのようなことが起こりうるかも
理解しているほうが望ましい

バイオ・・・

2007-05-11 | 想い・雑感
バイオ(bio-)という接頭語がつく英語は
生命に関係するものを意味することが多い

カタカナになり日本語の中でも使われるものにも
バイオロジー(biology)       生物学
バイオエシックス(bioethics)    生命倫理
バイオテクノロジー(biotechnology) 生命工学
バイオハザード(biohazard)     生物学的危機 
            ・・・映画のタイトルにもあった
などなど多くのものがあげられる

最近バイオエタノールなどのバイオ燃料という言葉もよく耳にするようになった
植物などから燃料を取り出すというもので
もともと植物が取り込んだ炭素を燃やして元に戻すだけだから
地球にとって二酸化炭素の負荷にはならない
ということらしいのだが
どうもそこのからくりがよくわからない

植物からエネルギーを取り出すために使用するエネルギーが
どういうふうに計算されているのかということがわからないし
そもそもバイオ燃料ということで言えば
石炭や石油は化石燃料(一部異論もあるらしいが)といわれるように
もとは生物由来である
それを燃料としてCO2排出問題が出ているのであれば
バイオ燃料が本当に救世主となるのか懐疑的である
ということは石炭や石油を使用すること自体より
急激な使用を必要とする今の生活様式事態が問題になるのではないか

などと思いながら英和辞典をみてみると
biofuel n. 生物(化石)燃料[石炭など]
と載っていた

ノン バーバル

2007-05-10 | 医療・病気・いのち
知的障害のある方に進行がんが見つかった

あまり言葉にして身体の状況を伝えてくださらないが
顔色 表情 活動性 などを見ているとかなりの情報が得られる

普段の診療でも視診 触診 聴診 などを行い
多くの情報を得ているのだが
患者さんの言葉に頼る傾向がどうしても強くなる

この方は
言葉だけに頼るな
ということを改めて教えてくださった

のど元過ぎれば…

2007-05-09 | 医療・病気・いのち
喉元過ぎれば熱さを忘れるのは人の常
いつも危機感 緊張感を 持ち続けて生活するなんて無理 無理

無事手術が終わり何年か経つと安心してしまうのも人の常

ところが一つの病気を克服したからといって
別の病気にならないという保証はどこにもない

1年に一度くらいは健康診断を受けた方がよい
特に40歳を越えれば ちょっと詳しい検査を受けた方がよい

4年ほど前に良性の病気で手術をしたかたがいる
経過は順調であり
若いこともあってその後
当院への外来受診はなかった
しかし
最近胸の痛みが続くと言うことで外来に来られた
私は手術中で対応できなかったので他の医師にお願いした

ところ

何と食道に腫瘍性病変が見つかった
組織検査の結果を待たないと結論は出ないが
画像所見では悪性疾患

最終診断を待って治療方針を決めることとなる

油断できないものだ

漢方

2007-05-08 | 医療・病気・いのち
 大学では西洋医学しか学んでいないが、漢方にも興味がある。以前医局からの派遣で田舎の病院に勤務した事がある。それほど手術があるわけでもないので少し東洋医学のことを勉強した。その世界観は、新鮮に映った。漢方薬の本を読んだり、セミナーに参加したりした。ついでに針を購入し、自分や家族にうってみたりもした。

 勉強したあとから、実際に漢方薬を時々処方するようになった。それほど多くの種類をつかうわけではないし、使うとしても顆粒製剤なので本格的漢方とは大きな隔たりがある。しかし、検査ではっきりとした原因は特定できない症状がある場合。体の調子を整えるという意味で、非常に効果を発揮することがある。西洋医薬にはない薬の使い方だ。使用したことがない人には意外かもしれないが、極めて切れ味良く効くこともある。お陰で、診療の幅がぐっと広がったように思う。

 どんなことでもそうだが、何かを認識するときには、対象にぐっと近づいた視点と、すうっと引いて全体をあるいは周囲との関係を俯瞰する視点が必要だと思う。その意味で、少し乱暴な分類だが、西洋医学は前者にウェイトがかかりやはり分析の方向へのベクトルが強いように思う。一方漢方医学は後者で体を全体としてとらえる医療体系だと思う。

 少し、漢方をかじったお陰で、診察の際に体全体を感じるようになった。全体から局所、分析から統合と言うように、自由に視点を変えられるようになるのが私の理想だ。

別れの時間

2007-05-08 | 医療・病気・いのち
進行食道癌で転院されてきた方
吐血をしたりということもあったようだ

転院時には強い背中の痛みを訴えていた
すぐに疼痛コントロールを行った上で
放射線治療を行った

腫瘍自体は少し小さくなった程度だが
苦痛はほとんどなくなった

「前の病院で少しの命と言われていたのに
穏やかな状態で十分付き添えたのがありがたかった」
とは奥様の言葉

お別れの時間を確保するというのも
医療が提供できる
大切な部分であることを
再確認させられた