Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

2012-10-21 | 想い・雑感


滝を見るとき
水の流れを感じながらも
一つの形をもった
ある程度固定したものとして
見ているような気がする



でも当然ながら
水は次々と滝壺へと流れ込み
湧き出た泡は 流れの先で消えていく

刻々と変化をしているのだ
次の瞬間違うものになっている
水はどんどん入れ替わっているのだ
そして目には見えないけれど
水によってわずかながら削り取られているであろう
岩の形も変わっているはず

変化がないと感じる日常も
しっかり向き合えば
次々と変化していることに気づく

すると
今が
二度とめぐり来ぬ 今
であることがわかる

胃空腸バイパス

2012-10-20 | 胃の診療
 胃の出口や十二指腸が癌によって狭くなり、食事が摂れなくなることがあります。そのままにしておくわけにはいきません。しかし狭くなるほどの癌であれば、その多くは進行がんなので、治療方法の選択を慎重にする必要があります。◆遠隔転移などがなく、切除可能ならば根治を目指して切除する場合が多いでしょう。◆遠隔転移はないけれど、腫瘤が大きくて切除可能かどうか判断がむつかしい場合は、開腹して切除の可能性を探るか、まずは抗癌剤治療をして明らかに切除可能となれば手術を行うかという選択肢になると思います。◆しかし遠隔転移があるような場合には、既に切除の対象とならない場合がほとんどです。そのような場合でも食事摂取を可能とするため、そしてできればキードラッグであるTS1を服用してもらえるようにとの願いも込めて、バイパス術を行うことがあります。逃げ道として短絡路を消化管に作るということです。具体的には、狭くなっているところより口側の胃と下流の小腸(空腸)とを吻合してしまうのです。これを胃空腸バイパス術といいます。すると食べ物は胃から小腸へと流れていくことができます。癌自体の治療にはなりませんが、再び食事ができるようになるのです。◆ただ、胃癌が胃の上部まで進展している場合や、腹膜播種などのために下流の小腸にも狭窄部位があるようなときには、バイパス術すらできないことがあります。そのような時はTS1以外の抗がん剤を使用してその効果に期待する、ということになります。

父 母 いかにおわす

2012-10-19 | 想い・雑感
夕空晴れて 秋風吹き ~♪
♪~ 月影落ちて 鈴虫なく



日に日に  秋

そう感じながら自転車をこいでいたら
この歌を口ずさんでいた

若い頃は両親のことを思うとき
確かに故郷のことを考えていたのだが
今では具体的場所も浮かばず
ただ天を仰ぎみるのみである



思えば遠し 故郷の空
ああ わが父母 いかにおわす ♪

微笑みとともに

2012-10-18 | 想い・雑感
もう笑顔しか見せないと
心に決めたのだろうか

根治不能とわかった時に
見せた涙
その後
抗癌剤治療はやめて
自宅で過ごすことを選んだ

寮に入っている子供は
毎週週末には自宅に戻ってきているらしい

体調が悪いとのことで
一旦入院していただいた
そしてまた自宅に戻ることに
その短期の入院中
いつ病室を訪れても素敵な笑顔で迎えてくれる

病室を訪れたときその気配を察知して
患者さんが急にその顔つきを変えてもわかるものだが
その方にそんな気配を見出すことができない

最後まで微笑みとともに過ごす
と固く心に決めたとしか思えない

圧倒される

小さいアキ

2012-10-18 | 想い・雑感
自転車で家を出た
走り出すと手に当たるかぜが少し冷たい
もう少ししたら手袋が必要になるなぁ
と思いながら空を見上げると
昨日の雨雲はほぼ姿を消し
高さを感じる雲がいる



風呂に入るとき
背中がタブにあたると
最初冷たさを感じる

そんな小さな秋を感じながら
季節は深まっていく

サトウハチローの名曲の一つ
ちいさい秋みつけた
テレビでこの曲が流れるときは
全山紅葉というイメージが出てくることが多いが
近所のセールのチラシにあった
「小さい秋」という文句から
この曲を発想したと聞く

耳を澄ませば
体の力を抜き外に感覚を開けば
いろいろな
そして人それぞれの小さい秋を見つけることができる

全体像

2012-10-18 | 想い・雑感
お腹の中を
数え切れないほど見てきた
私にとってお腹の中の景色は
日常 とまでは言えなくても 非日常でもない
まあ当たり前の風景

腹腔鏡下手術では
モニターで映し出される範囲が
かなり限定されてしまう
視野の外を見ようと思えば
そちらへカメラを向けなければならない

でも
手術の時は視野外の状況も
無意識にイメージしながら操作をしているように思う

ところが最近は通常の開腹手術の頻度が下がってきたのもあり
若手の外科医の中には
お腹の中の全体像がイメージできていない者もいるような気がする

ファインダー越しに写真を撮る時も
全体の景色を認識した上で
対象物を切り取っているはず

鏡視下手術においてもお腹の中全体のイメージが必要だろう
そのイメージを作るには
開腹した状態でのお腹の中を
多く見る必要が有るのかもしれない

指導のむつかしいところだ

目を洗う

2012-10-17 | 想い・雑感
歯磨き粉を歯ブラシにつけようとしているとき
ブラシが僅かに歯磨き粉を飛ばした

右目に

痛い!!

口腔粘膜についてもちっとも痛くないものが
結膜に飛べばこれほど痛いものかと驚いた

洗面所の蛇口をひっくり返し
しばし洗浄

子供の頃
プールから出るとき
先端が上向きに二股に分かれた水道で
目を洗っていたのを思い出した
塩素の匂いが華の奥に戻ってきたような錯覚とともに

命の綱

2012-10-16 | 想い・雑感
「これが命の綱…」

点滴の方を見ながら
穏やかな顔でつぶやく

もはや残された時間が限られ
食事を食べることも叶わぬ
40代の女性

どこまで 吹っ切れるものなのだろうか
本当に 吹っ切れるものなのだろうか

唐突に
拘りなく
当たり前のようにつぶやいたその一言が

心を 貫く

責任逃れ

2012-10-16 | 想い・雑感
伝える内容が厳しくなってしまうとき
つい楽観的な内容を伝えてしまうこともあるかもしれないが

説明を手控えたところで
逃れられない現実ならば
事実を知ったときの落胆が大きくなる

胃癌による狭窄で食事がまったく摂れない方が
紹介されてきた
腹膜播種がすでにあり
根治手術は不能だが
食事を食べられるように また抗癌剤を服用できるようにという目的で
姑息的手術が必要な状態

その旨は紹介医も知っているはずだが
患者さんは
腹膜に散らばったしこりも含め
全部取りきれるというような理解をしておられた
かなり事実を隠した説明を受けているとか思えない

きちっと事実を伝えないのはやさしさではない
単に伝えるという責任から逃れているだけだ

それに取れないものを取れるかのように説明するというのは
隠しているというよりうそになる
安易な説明は厳に慎んでほしいものだ

10年

2012-10-16 | 想い・雑感
「ちょっと顔を見て挨拶をしたい」といわれる方がおられます
と外来受付の方から連絡

お会いしてみると
10年前にかなりの進行胃癌に対し
胃全摘を施行したかた

「無事10年経ちました。
区切りの時期なので、一度お顔を見ようと思いまして。」

早期がんの方以上に
進行癌の方が再発なしで元気にされているとうれしい

そしてこんな風に
挨拶して頂けるとこちらも元気になり
そろそろ外科医を引退するかなぁ…
なんてことを考えることもあるが
もうひとがんばりしてみるかなんて気持ちにもなってくる

亀背

2012-10-15 | 想い・雑感
志村けんがおばあちゃんに扮する時
極端に背中を曲げて登場することがある
このように背中の曲がった老人
特に女性を昔はよく見かけていた
最近は少ないがそれでもずっと農業をされていた女性などに
見かけることがある

これは加齢とともに
椎間板が変性していくことや
骨粗しょう症により脊椎の圧迫骨折が起きていること
が原因とされている

脊柱後彎症という病名がついており
背が亀の甲羅のようになっていることから亀背
まるくなっているから円背 などとも呼ばれる

ひどい場合にはほとんど直角あるいはそれ以上に
曲がっていることがある

そんな方は胸と恥骨が近い位置関係にある
つまり正面から見てお腹のスペースが
とても狭い状態にあるので
お腹の手術は困難になる

これまで亀背のために手術ができない方
というのは経験していないが
全身麻酔をかけても
全く背中の彎曲が緩くならず
手術ができない人もいそうな気がする

落合の滝

2012-10-14 | 想い・雑感


図書館で何となく滝の本を借りてきた
薄雲は広がっているが雨は振りそうにないので
久しぶりに滝探索に

これまで何度か訪れた滝2箇所をまず訪れたのち
本に出ていたけど行ったことのない滝へ

最初どこにあるのかわからなかったが
県道の脇に小さく「落合の滝降り口」の木製標識

山あいにある田んぼの横を流れている川の途中に滝があるようだ

駐車場も何もなく
路肩にバイクを停めて降りていった

夏場は滝壺で泳ぐ子供たちがいそうだが
今日は誰もいない

別世界に迷い込んだ感覚が
なんともよかった

伸びきっている

2012-10-13 | 想い・雑感



家人は一貫してレモンと読んでいるが
私は最近 デーモンと呼んでいる
手当たり次第 なんでも引っ掻き回すし
少し油断すると人間様の食べ物を舐める

さんざん動き回ると
そこら辺で眠る
ぐっすり眠る

それにしても後ろ足が完全に伸びきっている
股関節 柔らかすぎ!