巡る宇宙

当直の夜
痛みを訴える癌末期の方の病室を訪れる
診察をし
看護師さんに指示を出し
ご本人に心配ないと伝える

自室に戻る途中に見えた
晴天の夜空に輝く月
その月に負けじと輝く星々

地上の人の苦しみや悲しみとは関係なく
宇宙は巡る

すこし切ないが

人の生き死にも
巡る宇宙の当たり前の出来事

万物流転

亜硫酸ガス

ツーリングで阿蘇山を訪れた
草千里を通り過ぎ
阿蘇の火口を覗こうと展望所まで上がった
ところが実際に火口を覗き込める場所へは入れない

風向きの影響で展望所辺りでの
亜硫酸ガス濃度が５ｐｐｍを超えたとのこと



駐車場近くの看板では
避難を指示する左端の赤い電気がついていた

駐車場横の展望所の方へ行こうとしたが
どうも　のどがいがらっぽく
咳が出始めたので引き返した

火山活動を僅かに体感した

長袖

季節はちゃんとめぐります
気温も下がり
朝は少し肌寒い

自転車通勤で汗ばむこともなくなり
到着しても暑さを感じない

ついに長袖にした
それでちょうど良い

これからは
服を重ね
ズボンを厚くし
手袋装着

となっていきます

時は過ぎます

沈黙の臓器

肝臓は多くの化学反応の場を提供しており
その反応過程は５００を越えるといわれている
肝臓の機能全てを兼ね備えた化学工場は
作りえないとも言われている

肝臓は人間にとって非常に重要な臓器であるが
予備能力が大きいので
少々傷んでも症状が出ない
それで沈黙の臓器とも呼ばれている

その肝臓は消化管からの血液を受け入れているので
消化管の癌が転移しやすい臓器でもあり
胃癌や大腸癌の患者さんで肝転移を伴なう方は少なくない
ただ肝臓への転移を起こしていても
残る肝臓で充分機能をまかなえるので
肝転移から肝不全となってそれが死に繋がる場合より
肝臓以外に存在する癌による症状で死に至る場合が多い

しかし時に肝転移以外の要因が少なく
ほぼ肝臓全体に転移が広がり肝不全となる方も時におられる
持ちこたえていた肝機能がある時期から急速に悪化し
黄疸から体は黄色くなり
肝不全となり亡くなられる

胃癌にしろ大腸癌にしろ
進行した場合
最後はどういう形で　何が主となって死に至るか
千差万別である

「検査をうけなさいよ」

「先生、ちゃんと検査してる？」
と患者さんからいきなりの質問

「ここ数年していないですね…」

「癌は早いうちは症状がわからないから
ちゃんと受けないとだめですよ」

いやはや面目ない
ついつい検査を受けないまま月日が過ぎる

この患者さん自身は早期胃癌だったのだが
そのご主人は手術不能の進行胃癌だった
抗がん剤もほとんど効果を見せずに
半年ほどで亡くなられた

早期胃癌は症状がない
症状が出てからでは手遅れ
ということをまさに体験した方の言葉に

「はい　受けます」
と素直にいうことを聞くことと致しました
年末に受けよう

タフじゃない？

診察を終えた患者さんが
一本の小瓶を机の上に置き
「飲んでくださいね」
という言葉を残して出て行かれた

タフマン　スーパー

この手のものは買わないし飲まないのだが
せっかくなので飲んでみた

やはり苦手

それにしても
疲れた顔をしてたかなぁ・・・
いつも通りなのですが

彼岸花

ご近所のおじさんは
生垣の足元に
四季折々の花を植えてくださる

この季節には　彼岸花

もう80歳を過ぎているとお聞きするが
小さな椅子に腰掛けて
花の入れ替えをされる

随分体力を使う作業だと思うのだが
それをやりたいと言う意志がある限り
元気に日々を過ごされることだろう