YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

14 マムシグサの話

2012-06-13 17:55:58 | 清里・野辺山2011~2012
ブログでは、清里編が長引いて、なかなか「日常」にもどれませんが、リアルタイムはすっかり日常を取り戻しています。



さて、今回の話題はマムシグサです。

マムシでも潜んでいそうなやぶの中で、マムシのような斑点をもつ茎を伸ばしています。しかもマムシが鎌首をもたげたような形の花まで咲かせます。インパクトのある植物です。

茎のように見えるのは、葉鞘(ようしょう)といって、葉っぱが重なり合ってできています。また、花のように見えるものは、花を包んでいる苞(ほう)です。



茶色と白の個性的な組み合わせです。こういう組み合わせのしましまチョコレートがありますよね。



そうかと思うと、こんなさわやかな色合いのものもあります。こちらは、カントウマムシグサとかアオマムシグサとか呼ばれることがあるようです。

サトイモ科テンナンショウ属に属するマムシグサですが、色も、大きさもかなり幅があるように感じます。突然変異も多く分類が難しい植物のようです。



マムシグサは、雌雄異株ですが、筒のようになった苞の合わせ目で識別できるそうです。雄株では、合わせ目の下の方にわずかに隙間があり、雌株では合わせ目はほぼぴったりとくっついてすき間がないのだとか。
 
この筒のようになった苞の中に雄しべ・雌しべだけでできた花がたくさん咲いています。筒の内壁はよく滑るようになっていて、一度中に入った昆虫は雄しべか雌しべを足がかりにして上へ逃げようとします。しかし軸の上の方にネズミ返しのような膨らみがあって、そこから上へはいけません。そして、その膨らみのために筒の中が狭くなっているので飛んで逃げることもできません。しかし、雄株には筒の合わせ目にあるすき間から、かろうじてそとにでることができるのです。そのときたくさんの花粉を身に着けることになります。そして、再び雌株に入ると、そこは脱出不可能。花粉をめしべに運んだあとは八方ふさがりです。マムシグサが受粉を完璧なものにしようとするおそろしい罠です。

虫のくだりは、帰宅してからのにわか知識なので、事前に知っていたら、ちょっと観察してみたかったなあと残念な思いです。つぎにこの花にであったときは、雌雄の違いや花の中の虫を調べてみたいものです。

マムシグサは他にも性転換することで知られていて、株が小さくまだ栄養を蓄える余裕がない時は雄株、株が成長し、次世代を残す余裕が出ると雌株になることが実証されています。観察対象としてはなかなかつっこみどころの多い植物です。


13 梅雨の森でであった草花

2012-06-13 06:00:33 | 清里・野辺山2011~2012
今朝は、清里の森で出会った植物たちを紹介します。



フタリシズカ、まだ蕾です。花茎が2本ある方が「フタリシズカ」という名前にピッタリなんですが、残念ながらわたしが見たものは1本でした。2本のものを目にして命名したと思われますが、実際には3本のものも4本のものもあります。別種に「ヒトリシズカ」という花もありますが、こちらは、花茎は必ず1本なので、これと対比してつけられたなまえなのかもしれません。とても趣のある名前です。





ツクバネソウ。4枚輪生する葉の上のほうに花を咲かせる姿が印象的です。秋になると花のあとに暗紫色の丸い実が付き、これを羽根つきの羽に例えてつけられた名前です。花の形もとても面白く、地味ではあるけど、目を引く花です。



マイヅルソウ。葉っぱの葉脈がツルが羽を広げたことに由来して舞鶴草。とっても洒落た名前です。清里のものは全体的に草丈が低く感じられました。



苔むした樹に根をおろしていたクルマバソウです。なかなか絵になる個体だったのですが、構図もいまいち、ピントもぶれぶれ。今回の残念極まりない作品です(^_^;)



チゴユリ。こうしてみると、やはり白い花が多いです。



キンポウゲのつやつやの花。黄色い花は光を反射してしまい、なかなかうまく撮れないものですね。





前回、すでに満開を越していたムラサキケマンは、すっかり実になっていました。

この実も、はじける系です。雨でしめっていたため、なかなかうまくはじけてくれませんでしたが、手当りしだい、手で軽く押しては、はじけ具合を楽しんでしまいました。

うまくはじけたものは、たいがいは、種も鞘もはじけ飛んでしまうのですが、力の加減をうまくすると、上の写真のように黒くてつやつやの種やくるくる巻いた鞘が残ってくれます。これが楽しくて、鳥見をしている人々に隠れて、こっそり遊んでいました(^_^;)

最後に昨日のタンポポについて。

「ライオンのたてがみ」っていう自分でつけた題名を見て思い出したのですが、タンポポの英名ってダンデライオンっていうんですよね。(昔、ユーミンの曲で知りました。)たてがみとライオンは関係あるのかなって思って調べてみたのですが、ダンデライオンはフランス語に由来していて、「ライオンの牙」のことらしいです。葉っぱが牙のようにギザギザしていることが語源なんだとか。残念ながらたてがみとは関係ありませんでした。