YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

10 尾瀬で出会った虫

2012-07-16 18:18:29 | 尾瀬2012夏
三連休もあっという間に終了。
今回は尾瀬にも行ったし、散歩にも行ったし、のんびりしたし…。まずまずな休日でした。

今回のテーマは、尾瀬で見た虫たちです。



まずは、尾瀬で…というわけでもないのですが、大型の美しい蛾、「オオミズアオ」です。鳩待峠を少し下ったところで、羽を休めていました。蛾というと地味なイメージですが、この色合いは美しすぎます。「水青」と表現されるこの羽の色…、薄暗い林床で、妖精が羽を開いているようにも見えます。前翅を縁取る茶色もコードレースのようで気品にあふれているし、くし型の触覚も繊細です。

初めての出会いは、小学生の頃、薄暗いトイレの窓でした。あの時は美しいと思えませんでしたけど…(^_^;)
こうやって、木々の緑の中で見ると、本当に美しい!!



今回は急ぎ足だったこともあり、なかなか虫を見つけることはできませんでしたが、花を撮ろうとしゃがんでみると、いるいる、あちこちで虫たちは暮らしています。これはクモの仲間の「ザトウムシ」かな?目がほとんど見えないようで、前足を杖のように動かして、周囲を確認します。座頭市の「ザトウ」なんですね。



湿原では「ヒョウモンチョウ」の仲間にも会いました。鮮やかなチョウです。花から花へひらひらと…。なかなか近くに止まってはくれませんでした。



こちらも、遠すぎてピントが合わず。体長わずか2cmの「ハッチョウトンボ」です。湿地を好むトンボです。ぼんやりしていたわたしが見過ごしてしまうところを、一緒に行ったメンバーが教えてくれました。最近一人歩きが多かったのですが、やはり仲間とワイワイ行くのもいいものですね(*^_^*)

この個体はメスで、うっかりするとアブと見間違うようなしましま模様をしています。オスはトウガラシのような真っ赤な体色。残念ながら今回は会えませんでしたが、メスでも会えて、テンションUPです。



木道の上では虫のゆりかごを発見!「オトシブミ」の仲間です。オトシブミのお母さんは、葉っぱに卵を産み付けた後、器用に丸めて、ベビーベッドを作ってしまうのです。このベッドは、卵を守るだけでなく、卵からかえった赤ちゃんの餌になるので一石二鳥。それにしても6本の足と、あごを使って自分の体の何十倍もある葉っぱを丸めてしまう技術と根性には脱帽です。



根性といえば、早朝ホテルの前で見つけた名前も知らない蛾。雨の中、必死にオオバコの花穂にしがみついていました。体も羽もびしょびしょです。この後ちゃんと、飛び立てたのかな?





最後は、旅の最後に出会った「コクワガタ」。夜の上毛高原駅、淋しすぎですっ。人っ子一人いなければ、売店もなにもありません。かわりにコクワガタがいましたけどね(^_^;)

明日は、林の中の植物を紹介予定。尾瀬編、まだまだ続きます。



























9 樹に咲く花々

2012-07-16 06:52:05 | 尾瀬2012夏


おはようございます。
海の日です!!

去年の今日は鳩間島でのんびりとしていたことを思い出しました。
船に乗り遅れて、引き返してもらったりね…(^_^;)



それでは、本題。今日は尾瀬で出会った樹に咲く花々を紹介します。

写真は「ウラジロヨウラク」です。湿原の脇なんかで見られる低木で、ツツジの仲間です。
瓔珞(ようらく)っていうのは、仏様が身に着けている装飾具のことなんだとか。どんなものかはよく知りませんが、きっと花のようにつぼ型をしているものなんでしょう(^_^;)
ウラジロは裏白で、葉の裏に細かい毛がびっしり生えていて白く見えるんですね。
ツツジといっても花は小さく、色合いの美しいかわいらしい花です。



こちらは草のように見えますが、これでも立派な木なんです。名前を「ヒメシャクナゲ」といいます。樹高はわずか10~20cm程度。写真のものは、もう花が終わり、子房が膨らみ始めている状態です。ウラジロヨウラクのようにつぼ型の花をつけます。
湿原に生える希少な植物です。



そして、こちらが「チングルマ」。高山や湿原の脇など栄養に乏しい場所でも生き延びることができる強い植物です。
ごめんなさい、花を紹介するといいながら、これもすでに花の時期を過ぎ、完全に実になっています。この糸状の実のかたまりが風車に見えることから稚児(が遊ぶ)車という意味で名づけられたようです。風に揺れる様子がとても印象的な植物です。花を見ればなるほどとも思うのですが、これがバラの仲間だというのはどうにも不思議です。



右側に白く点々と見えるもの、これも花ではありません。「ミヤママタタビ」の葉っぱです。夏の時期だけ、こうして葉っぱを白く変えるのですが、裏側は緑のままで、葉緑体がなくなるわけではなさそうです。地味な花のかわりに、虫をおびき寄せているのではないかという説があります。もともと、花も葉っぱが変化して作られたわけですから、そう思えばこれも「樹の花」の仲間入り?



今度はちゃんとした、花です。「ツルアジサイ」といいます。アジサイの仲間で、つる性の木本です。フジやスイカズラなどつるになる木は意外とあるものです。ツルアジサイとよく似た植物で、「イワガラミ」という植物もありますが、こちらは装飾花が4枚ではなく1枚だけなので見分けることができます。



最後は「ハクサンシャクナゲ」の花です。こちらは中高木になります。やさしい色合いの花色が魅力的です。花の香りに誘われて、虫たちも蜜集めにいそがしそうでした。

一口に樹と言っても、いろいろな姿形があります。生育環境によって、成長の仕方も姿形も大きくことなるものなのですね。