YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

12 林の中で見かけた植物たち②

2012-07-17 18:21:05 | 尾瀬2012夏
林の中の植物シリーズ第2弾です。



「ヤマオダマキ」。園芸ショップの山野草コーナーでも人気が高い植物です。色も形も上品です。これまた見逃すところを、一緒に行ったメンバーに教えてもらいました。



テンナンショウの仲間でしょうか。草むらに隠れて目立たぬように咲いていました。じっくり観察している時間がなかったのが残念!



こちらは存在感ばっちりの「ヤマブキショウマ」。比較的日当たりのよい場所で草丈を伸ばしているようです。白くてシュワシュワした花って、けっこうありますよね。虫をおびきよせるのに都合がいいのかしら?





こちらは「モミジカラマツ」と「カラマツソウ」。葉っぱの形やつき方が違うんですが、花は同じようなシュワシュワ系です。

よく見ると、この花には花弁も萼片もありません。中心にある背丈の低い雌蕊と、外側にある多数の雄蕊で構成されています。蕾のときには、蕚が蕊を覆っているんですが、開花と同時にちってしまうんです。植物を観察していると、意外にも花弁がない植物が多いことに驚かされます。



花は目立って何ぼだと思うのですが、中には目立たぬように、葉っぱの下でそっと咲く花もあります。「ナルコユリ(オオナルコユリ?)」もその仲間。もっとも小さな虫たちにとっては、葉っぱの下の方が目立つのかしら?筒型の花は虫をおびき寄せる罠でもあります。



こちらの「オオバタケシマラン」も葉っぱの下に花をつけます。くるくるっとした個性的な花なのですが、この花を見るためには、葉っぱを見かけるたびに一つひとつ、ひっくり返して回らないといけません。背丈も低いですからね。写真を撮るのはさらに一苦労です(^_^;)

さて、まだまだ尾瀬のネタは続くのですが、日常生活でも紹介したいことが山盛り。夏本番で大忙しです。
明日からは、リアルタイムの自然観察と尾瀬の報告を織り交ぜながら、交互に紹介していきたいと思います。よろしければ、またのお越しをお待ちしております(*^_^*)

11 林の中で見かけた植物たち①

2012-07-17 06:11:23 | 尾瀬2012夏
今朝は鳩待峠から山の鼻に下る途中で見かけた植物の中から、葉っぱが印象的なものを紹介します。





まずは、「エンレイソウ」と「ツクバネソウ」。大きさもあるので、わりと目につく植物です。どちらも輪生する(輪っか状につく)葉っぱの上に花をつけます。もっとも1枚目のエンレイソウは花ではなくて、すでに実になっていますけど。3枚の葉のつき方と、少し大きめの実がデザインチックです。何かの文様になりそうです。



ツクバネソウの花はアップで見るとこんな感じ。
花びらはなく、4枚の反り返った緑色の部分が蕚になります。ツクバネソウはユリの仲間なので、正確には蕚ではなくて、外花被といいます。ユリの仲間なのに4枚っていうのも不思議な感じですけどね(ふつうは3枚)。中心にある茶色いのが雌蕊でこれも4裂、その周りにある黄色いのが雄蕊で8本あります。雌蕊の下にある子房は秋にかけて暗紫色に熟します。それがこちら



実の下の赤い部分は、雄蕊の軸の下が成長したもののようです。つやつやで、なかなかインパクトがあります。さらに実が落ちた後は…



これはこれで、花みたいですよね。尾瀬では10月ごろにこんな姿が見られます。



葉っぱの上に花(実)をつける植物といえば、こちらの「サンカヨウ」もみかけました。「山荷葉」。葉っぱの上に荷物をのせたような植物という意味かなって、勝手に思っていたんだけれど、全く違いました(^_^;)

「荷葉」っていうのはハスの葉っぱのことらしいです。山に生えるハスの葉っぱ。なるほど…。でも、諸説あるようです。



こちらは、「ヤグルマソウ」。かなり大きな植物です。輪生する葉っぱが矢車(こいのぼりの上についているやつ)に似ることから名づけられました。この矢車、写真ではわかりにくいですが人の顔よりずっと大きいです。今が花盛りのようで、あちらこちらで、白い穂をつけていました。



ヤグルマソウに似ている、こちらの葉っぱは「ハリブキ」。葉っぱの表面からたくさんの針(とげ)が出ています。この針は茎にも密生。きっと外敵から身を守っているのでしょうが、過剰防衛の感があります(笑)

別名「地獄バラ」。バラには見えないですけど、棘に注目した名前なんでしょう。





これまで紹介してきた植物に比べると、ぐっと小さな植物です。「オオバノヨツバムグラ」と「クルマムグラ」。どちらもアカネ科の植物で、輪生する葉っぱの様子から命名されています。4枚輪生するから「ヨツバ」。輪生する様子が車輪のようだから「クルマ」というわけです。

植物というと花に目が行きがちですが、花ではなく、葉っぱの形に目を向けて観察してみるのもなかなかおもしろいものです。