マイマイカブリは、オサムシ科の甲虫です。オサムシの仲間は、昆虫なのに飛べません。漢字で書くと「歩行虫」。マイマイカブリも地面を歩き回り、マイマイ(カタツムリ)を主食として生きています。
もっとも、今の季節は朽木の中や落ち葉の下でじっとしています。描く観察会のとき、舘野先生が狙いを定め、ピンポイントで見つけてくださいました。さすが!
→
マイマイカブリはオサムシ科の中でも大型で首(?)が長いことが特徴的です。長い首をカタツムリの殻に突っ込んで、その身を食べる姿が、「殻をかぶっているように見える」ことから名前がついたとか、つかないとか…。
カタツムリがいる所なら、全国どこでも棲んでいるらしいのですが、世界的にみると日本だけに生息する固有種。
全体的に真っ黒ですが、光の加減で変化します。また、亜種が多く、より美しい色のものや、より大きいものなど、魅力にあふれています。お尻の辺りがシュッと尖って細くなっていることもマニアの間で珍重される点だそうです。
観察会でも大いに盛り上がりました。
オサムシの仲間はいわゆる「分解者」と言われている生き物で、森の中の日が当たらない地面の下などを這い回って暮らしています。
自然界にはおよそ90種の元素が存在しているそうですが、全てのものはこの元素が組み合わさってできています。どんなに大きな生き物も、細かく分解していくと、全て元素からできています。
そして、分解者たちは、生き物を分解して小さくし、それを菌類やバクテリアなどが、元素に近い形に戻していきます。それらは有機肥料となって、新たな植物を育て、さらにその植物を餌として多くの生き物が暮らしています。
とても複雑に絡み合った命の鎖の輪の中で、今、自分が生きていることはとても不思議なことだなと思います。