YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

赤味噌と白味噌〜寒仕込みのお話ー

2022-02-13 06:00:00 | 食べもの


味噌作りの季節です。
味噌は茹でた大豆と麹、そして塩からできる日本を代表する調味料の一つ。菌の力を借りて発酵させることで、シンプルな素材が大変身。しかも長期保存が可能になります。先人の知恵はほんと、素晴らしい。雑菌の少ない寒い季節は味噌作りに最も適しています。



大豆と米麹。
それに塩。

まずは米麹に塩を混ぜていきます。満遍なく混ぜることで、麹菌がカビることなく発酵してくれるとのこと。塩の殺菌作用、たいしたもんだ!!



つまり適当に混ぜるとカビちゃうらしいので、一生懸命かき混ぜます。
何度も何度もかき混ぜます。
これでもかというくらいかき混ぜます。



おおー。
混ざってる!!!

菌の世界は数がものをいうようで、味噌づくりで活躍してほしい「麹菌」が、他の菌より多数であれば、他の菌は繁殖できないんだとか。

よって、味噌や醤油、日本酒の仕込みは雑菌の少ない寒い時期と昔から決まっているのです。小寒から大寒にかけてがベストシーズンということで、これを「寒仕込み」と呼ぶわけなんですね。生活の知恵。昔の人すごい!!

次に大豆を潰します。



フードプロセッサーやすりこぎなどを使って潰しても良いのですが、自分の手で混ぜることで、自分がもつ常在菌が大豆に移らそうですよ。



ここがポイント。

自分の常在菌が混入された味噌を食べると、自分の胃袋が「この味噌は自分と同じ匂いがするぞ」と認識するそうです。なので、体にいいんだって。



それなので、ベタベタと触りながら、グニグニと潰していきます。気分は粘土細工。

苦労の末、豆が全部潰れたら、最初に混ぜておいた米麹(1kg)と塩(0.5kg)に、豆を入れて、これまたよく混ぜます。



そうそう、容器はバケツでした。アルコール消毒してから使います。



キッチンペーパーに焼酎をつけて拭き取ればOK

よーく、よーく、よーく混ぜたら、次は丸めて空気をしっかり抜いていきます。ペチャペチャと手に叩きつけながら丸めたら容器の中へ。空気に触れないようにばっちり詰めることも雑菌を繁殖させないために大切なのです。



ちなみに容器やビニル袋もアルコール消毒。

ぎゅうぎゅうと押し込んでいきます。



そして、最後はビニル袋をねじり上げながら、完全に中の空気を押し出します。味噌が山型になるように詰めておくのがコツなんだとか。



これで仕込みは完成!!
カビ除けのお守り代わりにカラシを置きました(写真上部)。ワサビや唐辛子でもいいそうです。

あとは半年以上寝かせれば出来上がり。風通しの良い冷暗所に置いておきます。

このとき、白いカビが生えてきても問題ないそうですが、黒いカビを発見したらすぐに除去。

半年後、夏を過ぎた頃には色が変わってきます↓


 

まったく別物!?
メイラード反応っていうらしいです。

これが赤味噌。田舎味噌です。
長期間保存が可能なため、材料が手に入る時期に大量に作っておくことができます。

一方、白味噌は1〜2週間発酵させて完成になります。そのために麹の量を増やして作ります。半年くらいしか保存ができませんから、塩もたくさん必要でなく、甘めの味噌が作れます。

風味よく、味もまろやかな白味噌の欠点は、作り置きができないこと。「一度に大量作戦」はできませんから昔は1年中材料が手に入りやすい京の都で作られていたため、「西京味噌」と言われまいました。

白味噌は短い期間で発酵させるため、米麹の量が2倍ほど必要な贅沢品。この米麹が短期間でちゃんと分解するよう、まずは細かく刻むのです。 



うひゃ〜
面倒くさい!!!!!

米をちまちまちまちま刻むのですよ…

この単純作業を繰り返すうち、いつのまにか味噌への愛情が育っていきます。

「美味しくなーれ、美味しくなーれ」

心でつぶやきながら刻むこと2時間以上(初心者のため時間かかり過ぎ)。



赤味噌よりも少し少なめの塩と混ぜます。

大豆は皮を取り除きながらよりクリーミーに潰します(これもひと手間)。



後の手順は赤味噌と一緒です。

2週間ほどで食べられるようになります。
自分で作ったお味噌はやっぱり美味しい!!

味噌汁とか西京焼きとか…




赤白、それぞれの味を楽しめるなんて、なんで贅沢!!!
やっぱり手作りは無条件に美味しいです!!!

味噌といえば和食のイメージですが、白味噌のスープに豆乳を投入して、洋風の味噌シチューにしても美味しいです。





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