YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

カイコの季節!クワの実熟す!!

2022-05-21 06:00:00 | 七十二候



今日から季節は「小満」。初候は「蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)」。

クワの実も熟す頃です。

日本では野山で木からもいで食べるイメージですが、コロナ前にタイに遊びに行った時、市場に並んでいて驚きました。



赤と黒の実が入っていて、見た目に美味しそうですが、黒く熟したものの方が甘味がありますよね。

ジュースも売っていました。



英語ではマルベリー。
ジャムなんかにもするようです。

 

クワと混同しやすいのが、コウゾ。和紙の原料になる植物。葉が似ているうえ、どちらもの葉も変形が多く、慣れていないと見分けが難しいかもしれません

コウゾの方が丸に近い実をつけますが、これも個体差があります。味はクワと同じように甘いです。

さらにヒメコウゾという植物があり、こちらもよく似ています。ところが実は味こそ一緒ですが、かなり粘つき、毛のようなものがたくさん口に残るので後味が悪いです(^^;;

口に入れるなら、俵型をしたクワの実が安心。


ただ、クワの実を狙っているのは人間だけでないから要注意。特に手強いのは、チャバネアオカメムシやクサギカメムシなどのカメムシ。

もちろんカイコもクワを食べますが、カイコは野生には存在しません。原種はクワコ↓



そのクワコを長い年月をかけ、改良に改良を重ねたのがカイコです。カイコは蛾でありながら、もはや飛ぶことができません。そもそも繭を作った時点で茹でられ、身包み剥がされてしまうわけで…。

今では養蚕業がほぼ廃れてしまったためルールが変わりましたが、昔は成虫を野外へ逃すことも禁止されていました。完全に人間のために管理された家畜。莫大な財をもたらす金の卵。おカイコ様。、

ちなみに養蚕農家では、カイコの卵を「タネ」、「蚕種(さんしゅ)」と呼んだそうです。



それが孵化するのがちょうどこの頃。養蚕シーズンのスタートです。

新鮮なクワの葉を朝も夜も食べ続け1ヶ月くらいかけて繭を作ります。



新幹線のような終齢幼虫ともなると、ものすごい勢いでいで葉を食べるので、農家の人々はまとまった睡眠時間が取れなかったそうです。

カイコが生み出す絹糸は高値で売れたため、そこまでして育てる価値があったのでしょうね。

今では日本の養蚕は衰退してしまいましたが、世界的にはいまだに成長が止まらない産業です。

以前、手違いで300近いカイコを育てることになりましたが、それはそれは大変でした。養蚕農家では5万頭育てて初めて1人前と認められたそうなので、気が遠くなりそうです。

蚕起食桑。

農家の人々にとって、それは決戦の幕開けだったのかも!!



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