YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

ホ~タル来い

2012-06-15 23:13:20 | 身近な自然情報


竹籠にホタル。風流ですねえ~。



今夜は職場の近くにある、ホタル屋敷にお邪魔してまいりました。

個人宅なんですが、これがすごく広い上に、すばらしい設備なんです。感服いたしました。





かがり火焚いたり、のぼりを立てたり、雰囲気作りも万全。



納屋一つ分の飼育部屋までありますし、庭の池は裏山からの湧水を利用した循環システムになっています。

6月はゲンジボタル。7月はヘイケボタルが楽しめます。今は体調が大きいゲンジボタルの季節。今夜あたりは100匹近い数のホタルを観察できる予定でしたが、あいにくと晴れすぎて、飛んでいるホタルの数は多くはありませんでした。





それでも目の前を、フワーンと飛んでいく光の点を見つめているのは何とも風情があるものです。

しばらく言葉もなく幻想的なホタルの夜を楽しみました。とはいえ、もう少しましな写真が撮れるかと思ったのですが、修行不足でした…。

さてさて、最初の竹籠のホタルです。



あらら、帰ってから写真を拡大して見てみたら作り物ではないですか(^_^;)



だまされた~(笑)
よくできてるものですね。そうとは知らず、何枚も写真を撮ってしまったではないですか…

それにしても、こちらのご主人、とことんホタルを愛しているご様子。自宅の庭をここまで改造してしまうとは…。

横浜でホタル。もうなかなか見られないですよね。大切に育てられた貴重なホタルたちを見せてくださり、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

梅雨空に向日葵!?

2012-06-15 05:55:10 | 身近な自然情報
あれれ?かなり気の早いヒマワリが花を咲かせていました。

最近、園芸ショップに行っても、季節先取りな苗が多く、しかも先取りしすぎな感じ。ちょっと興醒めしてしまうのは私だけでしょうか(^^;

ヒマワリはやはり夏空に似合います♪



さて、水曜日の夕方、幻日を見ました。幻日というのは太陽をはさんで、その左右に光が現れる気象現象です。太陽のように強く白っぽい光のときと虹色のときがあります。太陽が3つあるように見えるから幻日って言うんでしょうかね?

今回は虹色の光を見たのですが、とても薄かったので、写真でお分かりいただけるでしょうか?

これが太陽の左右で見え隠れしていました。





この日は夕暮れも雲が美しく、町の中でもつい足を止めてしまいました。

それにしても、町の中の空って、なんて狭いんでしょう。

これからの季節、空の観察もおもしろそうです。

最終回 めぐる季節

2012-06-14 18:03:06 | 清里・野辺山2011~2012


フクロウシリーズ、本日ついに完結です。最終回は清里の半年を振り返ってみたいと思います。

すっかり緑が濃くなった牧場ですが、4月の終わりはまだ緑ももところどころまばらでした



横浜に比べるとずいぶん遅い春の訪れです。



だって、12月はこんな景色でしたから…。中央の茂みの中でコミミズクがじっと寒さに耐えてとまっています。



清泉寮(宿泊施設)の中には、凍った氷のオブジェがが1日中とけないで飾られていました。





2月の森と6月の森です。この劇的な変化。四季のある国に生まれてよかったなあとしみじみ思います。







雪が解け、木々が芽吹き、新緑の季節を迎える。こんな季節の変化を感じながら通った半年間でした。寒い冬があるからこそ、春の輝きがより美しく感じられるものです。



今は空き家になったフクロウたちのお家も、すっかり緑の中に隠れてしまいました。ここから巣立っていったフクロウたちが、この森で元気に過ごしてくれていることを祈るばかりです。

残念なことに、フクロウの個体数は全国的に激減しています。それは豊かな森が失われていることにほかなりません。ここ清里でも新たな国道計画が立ち上がり、生き物たちは危機にさらされています。この「フクロウツアー」を通して、そうした現状も学びました。

また、フクロウなどの幼鳥が売買のために盗まれてしまうこともあると聞きました。

自然保護は、そこに暮らす人の生活とを考えると、遠くの対岸(?)から簡単に口をはさむことははばかられます。しかし、実際にそこに暮らし、正面から向き合ってらっしゃる方々の話を聞くことで、改めて深く考えさせられることがたくさんありました。自分にできることはなんなのか。横浜の自然を見つめながら、考え続けていきたいと思います。

これにて、YNWC的なフクロウツアーは終了。明日より「YNWC的な日常」に戻りたいと思います。今回はたくさんの方に読んでいただけたようで…。ありがとうございました(*^_^*)

次回の特別編は7/14に尾瀬ツアーをお届けする予定です!

15 それぞれの役割

2012-06-14 06:12:03 | 清里・野辺山2011~2012
清里編。いよいよ次回最終回です。
第15回は森で暮らす小さな生き物たちの紹介です。





くさい臭いを出すために、嫌われ者のカメムシたち。でもよく見ると色も形も様々です。カメムシ専門の厚い図鑑があるほど。調べてみたら、世界的には2,500種以上、日本にはおよそ90種類ほどが分布しているらしいです。

けっこうきれいなものも多いのでコアなファンは意外と多いようです。わたしも最近はまりかけ(笑)



枝についている「唾」のような白いかたまりは、ご存じアワフキムシ。この泡の中に幼虫が隠れて暮らす甲虫です。実はこのアワフキムシも、カメムシの仲間だったりします。

臭いを出したり、泡に隠れたり、生き物たちは生き抜くためにそれぞれに進化を果たしてきましたが、弱いものほど強いものに食べられてしまうのも、これまた自然の理です。



写真の中にヤマアカガエルの赤ちゃんが隠れています。



すかさず捕まえてみました。正面顔がかわいいですよね。こんなかわいい顔して(?)ここまで成長するには、たくさんの虫たちを食べたに違いありません。



たとえばこんなイモムシも食べたのかしら?小さい者たちは食べられても種が途絶えないように、たくさんの子どもたちを次々と産みます。



新しく生まれる子どものために部屋を用意したり、



大人になるための時期(蛹)を、敵に見つからずにすごすために隠れ家を作ったり…

それはもう、数限りない知恵を絞り、それぞれの生き物がさまざまな進化をとげてきたのです。

今回メインで観察したフクロウも、こうした小さな命たちがあってこそ、この森に存在しているとも言えます。虫が植物を食べ、カエルが虫を食べ、鳥や小動物ががカエルや虫を食べ、もっと大型の猛禽類や動物たちが小動物を食べる…。いわゆる生態系というやつです。それぞれが、それぞれの役割を果たし、絶妙なバランスの上に、この森で生き物たちは暮らしています。そう思うと、本当に愛しく思えます。



役割をおえた生き物たちを、また土へと返していくキノコやカビの仲間たち。自分たちが生き残ろうと進化を遂げてきたことが、実は互いに支えあってこの星を構成しているということ。とても神秘的ですよね。

14 マムシグサの話

2012-06-13 17:55:58 | 清里・野辺山2011~2012
ブログでは、清里編が長引いて、なかなか「日常」にもどれませんが、リアルタイムはすっかり日常を取り戻しています。



さて、今回の話題はマムシグサです。

マムシでも潜んでいそうなやぶの中で、マムシのような斑点をもつ茎を伸ばしています。しかもマムシが鎌首をもたげたような形の花まで咲かせます。インパクトのある植物です。

茎のように見えるのは、葉鞘(ようしょう)といって、葉っぱが重なり合ってできています。また、花のように見えるものは、花を包んでいる苞(ほう)です。



茶色と白の個性的な組み合わせです。こういう組み合わせのしましまチョコレートがありますよね。



そうかと思うと、こんなさわやかな色合いのものもあります。こちらは、カントウマムシグサとかアオマムシグサとか呼ばれることがあるようです。

サトイモ科テンナンショウ属に属するマムシグサですが、色も、大きさもかなり幅があるように感じます。突然変異も多く分類が難しい植物のようです。



マムシグサは、雌雄異株ですが、筒のようになった苞の合わせ目で識別できるそうです。雄株では、合わせ目の下の方にわずかに隙間があり、雌株では合わせ目はほぼぴったりとくっついてすき間がないのだとか。
 
この筒のようになった苞の中に雄しべ・雌しべだけでできた花がたくさん咲いています。筒の内壁はよく滑るようになっていて、一度中に入った昆虫は雄しべか雌しべを足がかりにして上へ逃げようとします。しかし軸の上の方にネズミ返しのような膨らみがあって、そこから上へはいけません。そして、その膨らみのために筒の中が狭くなっているので飛んで逃げることもできません。しかし、雄株には筒の合わせ目にあるすき間から、かろうじてそとにでることができるのです。そのときたくさんの花粉を身に着けることになります。そして、再び雌株に入ると、そこは脱出不可能。花粉をめしべに運んだあとは八方ふさがりです。マムシグサが受粉を完璧なものにしようとするおそろしい罠です。

虫のくだりは、帰宅してからのにわか知識なので、事前に知っていたら、ちょっと観察してみたかったなあと残念な思いです。つぎにこの花にであったときは、雌雄の違いや花の中の虫を調べてみたいものです。

マムシグサは他にも性転換することで知られていて、株が小さくまだ栄養を蓄える余裕がない時は雄株、株が成長し、次世代を残す余裕が出ると雌株になることが実証されています。観察対象としてはなかなかつっこみどころの多い植物です。