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年金の支給時期延長の損得計算

2017-10-08 | ブログ

65歳からの支給を伸ばすと、伸ばした期間に応じて、支給額が増える制度がある。

増える額は、1ヶ月繰り延べすると、0.7%増える。

仮に、年間100万円とすると、1ヶ月繰り下げると、年7千円増える。

1年繰り延べると、8.4万円/年(0.7万円×12ヶ月)、増える。

5年繰り延べると、42万円/年、増える。

パット見には、凄くお得感があります。

では、支給を繰り延べした時、何歳で、お得になるのかを計算して見ました。

分かり易い1年繰り延べした時の例で説明します。

65歳から1年繰り延べするので、支給されるのは、66歳からです。

損益分岐点の経過年数をX(年)とします。

増えた年金額とその期間は、1.084×(X-1)

65歳から支給された場合:1.000×X

増えた年金額が上回る場合の不等式は、次のとおり。

1.084×(X-1)> 1.000×X

1.084×X - 1.084 > 1.000×X

1.084×X - 1.000×X > 1.084

0.084×X > 1.084

X > 1.084 ÷ 0.084

 X> 12.9(年)

つまり、65歳 + 12.9年 = 77.9歳

1年繰り延べすると、77.9歳(=77歳11ヶ月)にならないと、当初の年金額を上回らないと言うことです。

日本人の平均寿命は男性80.75歳。

平均寿命まで生きたとすると、2.85歳分、損する計算になります。

年間支給額が100万円で、約1年繰り延べしない場合に損する金額は、24万円(=2.85年×8.4万円)です。

同じように計算すると、2年繰り延べると、78.9歳。

年間支給額が100万円で、約2年繰り延べしない場合に損する金額は、31.1万円(=1.85年×16.8万円)>

3年繰り延べると、79.9歳。

年間支給額が100万円で、約3年繰り延べしない場合に損する金額は、21.4万円(=0.85年×25.2万円)>

4年繰り延べると、80.9歳。

つまり、4年繰り延べると、繰り延べしない場合と比べて、ほゞ同じ金額となるだけです。

5年繰り延べると、81.9歳となります。

5年繰り延べた場合は、1.15歳(=81.9 - 80.75)、長生きをしないと本当に損です。

 

もちろん、平均寿命より長生きしたら、断然お得です。

 

自分が、何歳まで生きるかを考えて、65歳の時に選択する、一つのギャンブルです。

このような制度を導入しているのは、年金が、実質破たんしていることの証でもあります。

ここで挙げた数字を明示せず、選択させるのは、官僚が考えている騙しの一つです。

こういう数字を明示したら、誰も繰り延べしないかと考えます。

 

そもそもの年金支給は、60歳でした。

平均寿命を80歳としたら、20年間受給されていました。

それを65歳にすることは、受給期間を15年にしたことです。

つまり、20年から15年と言うことは、25%カットしたのです。

どのメディアも25%カットとは報道しません。

これも、官僚とメディアと政治家が結託した騙しの一つです。

共産党を含む野党議員は、25%カットとは言いません。

都合に合わせて、年数と%を使い分けています。

25%カットと報道したら、大変なクレームになっていたことでしょう。

支給を繰り延べするかどうかは、良く考えましょう。