![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/3e/0e48bbfba049d9152cbfe57232bb6970.jpg)
またまた上下2巻組ですか.....
本屋大賞をネットで調べてみたのですが、全国の数百人の本屋店員さんたちの投票で作品を10本にしぼります。
その10本をすべて読んだ店員さんたちの投票で本屋大賞が決定するのだそうです。
したがって、読んでほしい本というよりも、売れてる本の中からの、お薦め作品が選ばれるわけです。
大賞をゲットした作品は売れることが約束されています。
さて、仮に100万部売れたと仮定すれば、1冊1700円ですから、売り上げは17億円です。
ところが上下2巻組ですと、34億円に倍増します。
本屋の店員さんたちは、オーナーではありませんので、売り上げに興味は無いはずなのですが、
穿った見方をすれば、出版業界の一員として、最近の本の売れ行き減少に危機感を抱いているかも知れませんよね。
さて、作品自体は、とても面白く、満足のいくものでした。
ストーリーも素晴らしかったのですが、感心したのは、医学的な記述が完璧であったことです。
免疫、抗原、抗体、抗生剤、ステロイドなどと思われる、医学者でなければ手を出せないような難解な内容です。
読了後に分かったのですが、著者である上橋菜穂子氏は1962年生まれですので52歳でしょうか。
彼女には現役の医師である従兄がいて、これは、彼のアドヴァイスと監修を受けて完成した作品なのです。
作品には10人を超えるような多彩なキャラが登場しますが、単なる悪人や、単なるバカはでてきません。
悪人やバカキャラでも、ちゃんとそれなりに、その言動の背景が説明されています。
そして、圧倒的に魅力的なキャラが多いのです。
個性的で魅力的なキャラをたちの関わり合いがストーリーの核となっています。
この手の作品は確実に私の琴線に触れてくるのです。
自信をもっての、お薦め作品と言えるでしょう。