ベルギーのコンテンポラリー・ダンス・カンパニー、
ローザスのDVD『FASE』を買いました。
タワー・レコードでCDを物色中、
聴き覚えのある曲が流れてきました。
スティーブ・ライヒの「ピアノ・フェイズ」
という曲です。
現代音楽のコーナーでかかっているのかな、
と思ったら、冒頭のDVDの映像でした。
スティーヴ・ライヒは1936年生まれの
アメリカの作曲家で、
ミニマルミュージックの先駆者の一人です。
現在のライヒの作品は、
ミニマルミュージック(あるいは「現代音楽」)
と呼ぶのは相応しくないと思いますが、
大好きな現代作曲家の一人で、
結構作品を聴いています。
ローザスの『FASE』という作品は
ライヒの初期の代表作、
「ピアノ・フェイズ」
「ヴァイオリン・フェイズ」
といった曲に振り付けしたものです。
「ピアノ・フェイズ」という曲は
2台のピアノが12音の旋律を
ユニゾンで弾き始めますが、
1台が弾くスピードを上げて行きます。
徐々に音の重なりがずれていき
1音ずれたところでまた重なりますが、
すでにユニゾンではなくなり
最初とは違う響きになります。
単純な操作ですが、リズムも響きも
普通の(伝統的な)音楽にはない
複雑な姿を現します。
二人の女性ダンサーがこの曲に乗り、
シンプルな振り付けを踊ります。
飾り気のないスカートの翻り、
壁に映る影、タイミングを合わせる息など
非常に計算された作りで、
一目で魅了されてしまいました。