沙羅の蕾たち
耕作放棄された隣の畑が山林化し、茂った雑木の枝が越境し年々勢力を拡大して、日当たりが悪くなった。
地主に伐採を申し入れたが、高齢で処理できない、申し訳ないが切り倒して呉れとのことである。
畑に日の光を呼び戻すために、昨日重い腰を上げて、時折降る小雨の中で鋸を引いた。
雑木は柔らかい木質で、作業は面白いように進んだ、立木を切り倒すのは楽しいものだ。
農耕を選択した人類の歴史は立木の伐採に始まったように思う、多分私はその末裔なのだろう。
だから張り切り過ぎて朝起きた時体のあちこちが痛んだ。