沙羅 ナツツバキ
信州木曽上松の山深くに、大山蓮華の大木があって、毎年初夏こぼれるほどに咲き香るという。
ある家のせせらぎの脇に置かれた植木鉢に、由緒ありげな白い花が二つ咲いた。
直感的にオオヤマレンゲだと思った。
後日その家の方に尋ねる機会があって、直感が正しかったことを確認した。
沙羅の花期が終わり近づいてこれが最後の花かもしれない。
沙羅も名前を先に知って、その印象が実際の花装とほど良く一致していた。
あの頃、沙羅を見る機会はほとんどなかった、それが今は巷に溢れるほど咲いている。