マツムシソウ
草紅葉が始まった高原の台地はマツムシソウとハクサンフウロが咲き乱れて、静かにゆったりと広がっていた。
点在する放牧牛もその数が随分減って、間もなく全頭が山を下ることになるだろう。
四季を通してこの高原は不思議な魅力を醸し出してきた。
しかし 現在は歩ける範囲は、柵やロープで仕切られた狭い空間に限られる。
自然保護、景観保護とはこうゆうことなのだろうか?
草原に寝転んで空を見上げるあの解放感は、この高原で味わうことはできない。
マツムシソウの花を透かして見る空の美しかったこと。
柵に沿った砂利道を、ただ歩き続ける高原に、人は何を期待して集まるのだろう。
高原ホテルの豪奢な晩餐だろうか