台風が過ぎた朝 遠くの景色が近く見えた。
手前の鍋底状の山を鍋冠と呼ぶ、左手には薄雲をまとった常念がぼんやり見える。
朝方 鍋冠の向う側の谷間に淡い虹が出た。
虹は台風が置き忘れた薄い雲に架かって、風と共にオーロラのように動くようでもあった。
七色の光は虹に違いないのだが、忙しく濃淡が変わって、やがて灰色雲に同化した。
朝の虹は気持ちが高揚する、良いことがあったわけではないが、悪いこともなかった、だから朝の虹は吉兆である。
台風が過ぎた朝 遠くの景色が近く見えた。
手前の鍋底状の山を鍋冠と呼ぶ、左手には薄雲をまとった常念がぼんやり見える。
朝方 鍋冠の向う側の谷間に淡い虹が出た。
虹は台風が置き忘れた薄い雲に架かって、風と共にオーロラのように動くようでもあった。
七色の光は虹に違いないのだが、忙しく濃淡が変わって、やがて灰色雲に同化した。
朝の虹は気持ちが高揚する、良いことがあったわけではないが、悪いこともなかった、だから朝の虹は吉兆である。