カコウ柿
柿は人間にとって多種目の活動源を含有しているから「柿が赤くなると、医者が青くなる」という言い伝えがあった。
今年は柿が不作である。
全く手入れしない、ほったら柿で、すべてお天道様にお任せだから仕方がない。
昨年の豊作の後遺症かもしれない。
それでも葉がくれに大きな柿が色つき始めた。
柿には甘柿と渋柿があって別木である。しかし数は少ないけれど甘柿の木に渋柿がなることもあり、その逆もある。
さらにいえば頭のほうは甘いのに、蔕(へた)に近づくにしたがって渋みが増してくるものもある。
形、色艶から、甘くおいしい柿を見分ける絶対の自信はあるのだが、それを言葉で伝えるのは難しい。
口が曲がるほどの渋柿を何度も食べてようやく会得した奥義なのだ。
柿は人間にとって多種目の活動源を含有しているから「柿が赤くなると、医者が青くなる」という言い伝えがあった。
今年は柿が不作である。
全く手入れしない、ほったら柿で、すべてお天道様にお任せだから仕方がない。
昨年の豊作の後遺症かもしれない。
それでも葉がくれに大きな柿が色つき始めた。
柿には甘柿と渋柿があって別木である。しかし数は少ないけれど甘柿の木に渋柿がなることもあり、その逆もある。
さらにいえば頭のほうは甘いのに、蔕(へた)に近づくにしたがって渋みが増してくるものもある。
形、色艶から、甘くおいしい柿を見分ける絶対の自信はあるのだが、それを言葉で伝えるのは難しい。
口が曲がるほどの渋柿を何度も食べてようやく会得した奥義なのだ。
秋空晴れて
畑の隅に育った栗の木が見上げるほどの大木となって、揺らして落としたり、竿でたたき落とすことはもうできない。
収穫は自然に落ちるのを下でひたすら待つより方法が無くなった。
リスや野ネズミもそのようにしてじっと待っている。
動物たちはそれが仕事だから、落ちる端からせっせと巣穴に運び込む、だから人間の手に入るのは極く僅かである。
ところが 今年はどうしたわけか、栗の実が地面一面に敷き詰めたように散らばっていたと聞いた。
リスやネズミが拾いきれないほど豊作だったのか、何かほかに原因があるのか判らないが、人間はとりあえずほくほくである。
しかし 面白がって拾い集めた大量の栗の処分に、かみさんはいささか困惑している。
栗ご飯に必要なのは20ケ程 正月のきんとんに50ケ さて残りはどうする?
畑の隅に育った栗の木が見上げるほどの大木となって、揺らして落としたり、竿でたたき落とすことはもうできない。
収穫は自然に落ちるのを下でひたすら待つより方法が無くなった。
リスや野ネズミもそのようにしてじっと待っている。
動物たちはそれが仕事だから、落ちる端からせっせと巣穴に運び込む、だから人間の手に入るのは極く僅かである。
ところが 今年はどうしたわけか、栗の実が地面一面に敷き詰めたように散らばっていたと聞いた。
リスやネズミが拾いきれないほど豊作だったのか、何かほかに原因があるのか判らないが、人間はとりあえずほくほくである。
しかし 面白がって拾い集めた大量の栗の処分に、かみさんはいささか困惑している。
栗ご飯に必要なのは20ケ程 正月のきんとんに50ケ さて残りはどうする?
今はほとんど使うことはないが万年筆の手入れをした。
手入れといってもペン先に霧吹きで水を吹きかけて洗うだけである。
机の中に以前新幹線で配られたピュアコットンのおしぼりがあったので、洗浄水受けに使った。
ペン先に付着しているインクが溶けて、JRのおしぼりに滴る。
ペン先の輝きを確認して手入れは終わる。
汚れたお絞りは屑かごに捨てた。
時間がたって何気なく屑かごを覗くと、黒く汚れたお絞りに色の変化があって、黒を中心にブルーとピンクがきれいに分離し発色していた。
美しいインクの黒色は、このような色インクから成り立っていたのだ。
半世紀も昔、信州大学で濾紙に血清を塗布し分析する濾紙泳動を手伝ったことを思い出した。