自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

動きの鈍ったハチ

2012-11-06 | 昆虫

11月に入って,寒さを感じるようになりました。 

我が家のブロック塀の傍を通ると,セグロアシナガバチ(ヤマトアシナガバチかも)がゆっくりのっそり歩いていました。「ははーん。ついに活動を停止する時季を迎えたな」と思いながら,ひとまず写真を撮っておこうと思ってカメラを持ち出しました。

レンズを向けていると,何度かハチが止まる瞬間がありました。そのタイミングをとらえて写した写真の一枚が下のものです。 

一対ある大きな複眼は獲物を鋭くとらえる武器。その間に単眼が3個。丈夫な触覚では臭いを敏感に感じとります。頭には高度に発達した感覚器官が備わっています。胸は運動器官である翅と脚の集合体。脚は見るからに節足動物という雰囲気です。

この成体は間もなく静かに死期を迎えます。それを間近にした姿だったのではないでしょうか。越冬するのは女王バチだけ。

変温動物は季節の変化にしたがって,くっきりと生活のしかたを変えていきます。これが自然の営みなのです。 

 


ネットにモズの早贄(はやにえ)が

2012-11-06 | 昆虫

モズの季節を迎えました。朝早くから,甲高い声を出してモズが鳴いています。家の近くの電線にとまって鳴く声が,辺りじゅうに響き渡ります。一度耳にしたら,たぶん,きっと忘れることはないと思われる声なのです。

モズがやって来ると,いつも早贄(はやにえ)のことを思い浮かべます。早贄は,モズが捕獲した獲物を木の枝や金網などに付けているものを総称したことばです。このことについては随分前に取り上げました。

その早贄と思われる死体を,今日(11月6日)偶然見かけました。場所は集落の中央を走る道路沿いです。集落内の施設を見回っているとき,道沿いに設置した有害獣侵入防止ネットに付いていたのです。獲物はカマキリ。地上から1.3m程の高さのところに逆立ちした格好でぶら下がっていました。

早贄が見つかる頃になると,いつも気にしてあちこち見ているのですが,そうそう見つかるものではありません。なのに,人や自動車が行き来する生活道路沿いにあったのです。しかも,11月に入ったばかりの今目にすることができたとは! とにかくうれしくなりました。

いったん帰宅して,カメラを持って改めて撮影に行きました。下写真がそれです。

生き物がまだ生きているときに,モズはそれを捕獲します。もちろん,たくさんです。今がちょうどその時期に当たります。木の枝にはすでに早贄があちこち付けられているでしょう。木の葉が落ちずに残っているため,わたしたちの目に付きにくいだけなのです。

間もなく完全に落葉します。そうすると,運がよければ他にも早贄が見つかるでしょう。これからどんな早贄が,どんなところで見つかるか,たのしみです。というか,冬季に向けたたのしみが増えました。