自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その178)

2012-11-10 | ジャコウアゲハ

11月10日(土)のこと。ウマノスズクサを採集にアゲハの棲息地に出かけ,そこで偶然前蛹を見かけました。

ウマノスズクサの葉はやや黄色がかってきていて,勢いは感じられませんでした。寒さに遭って,そろそろ冬支度をしているようです。

それに合わせるように,錆びた鉄板に前蛹が1個体付いていました。自然界では,これが今秋最後の前蛹ではないかと思われます。

写真を撮っていて,ふとからだにカメラが触れると,臭角を出しました。弱々しい角で,いかにも静止状態に入っているといった感じが伝わってきました。静止していてもなおいのちを守ろうとする本能がはたらいているのです。

そんな反応に,つい神々しさを感じてしまいました。

 


ウマノスズクサを植栽

2012-11-10 | 日記

11月10日(土)。ジャコウアゲハの棲息地でウマノスズクサを株ごと掘り起こして採集。自宅に持ち帰り,さっそく庭の片隅に植えました。

 

ここをジャコウアゲハのミニ繁殖地にしようと思い立ったのです。きっかけはヨッさんの取組に刺激を受けたことに発します。ヨッさんのやり方についてはすでに書いたとおりですが,植栽後さらにビニルで覆うという丁寧さなのです。

そこにはヨッさんの人柄が強く出ています。いのちを慈しむこころが滲み出ています。

こうした行動によって,アゲハの棲息地を確保できるのではないか。そう思って,「善は急げ。後に続け」の精神で,わたしも自宅に棲息地をつくろうと決めたのです。

そうして,これと併せて植木鉢3個にも植えました。これは,集落内の知り合いにプレゼントしようと思っています。できれば,協力者を増やしてわたしの集落を“アゲハの里”にしたいと密かに思うのです。

地上部の茎はいったん枯れ,来春,青々とした葉が出てくるでしょう。それをたのしみに待つことにします。

 


ジャコウアゲハ観察記(その177)~植木鉢作戦Ⅲ⑪~

2012-11-10 | ジャコウアゲハ

11月9日(金)午前7時。今日これまでのところ,最低気温は6.8℃(午前3時54分)。幼虫を見ると,帯糸でからだを固定し終わって時間が経っているとみえ,じっとしています。これからからだが引き締まり,前蛹に向けて順調に経過しているようです。

午後9時。からだはまだUの字に湾曲していません。箸に付いた絹糸の接着部分を見ました。くっ付けるしごとをしているとき,からだを大きく前に伸ばす動作がありました。そのとおり,箸をグルッと取り巻いたかたちで糸が付いています。折り返しの箇所を見ると,一筆書きのようにして続いているのがわかります。結局,一本の糸がずっと続いていることになります。

上の部分だけを拡大してみましょう。解像度は落ちますが,参考までに。

最高気温は17.6℃。でした。

11月10日(土)。最低気温5.3℃(午前6時59分)。午前6時30分に見ると,前蛹だとはっきりわかる姿になっています。からだが大きく湾曲しているのです。三対の胸脚も腹脚も箸から離れ,尾端と帯糸でからだが支えられています。 

帯糸でからだを固定してから蛹化までに,今の寒さだと,5日間はかかるでしょう。したがって,蛹期を迎えるのは14日(水)あたりではないでしょうか。