訪花昆虫では,ハエやアブの仲間がいちばん目立ちます。そのうち比較的大きなものに目を向けてみましょう。
どうやらオオクロバエのようです。鋭い毛が一際目立ちます。複眼が離れて付いていることから,この個体はメスとわかります。太い口吻を差し入れて,蜜を舐めとります。その姿には,王者の風格が漂っています。
口吻で脚を舐めるしぐさをよく見かけます。 写真の個体は,脚先でなく毛か,口吻を掃除しているみたいに見えます。からだで,花と接する部分には花粉が付いています。オオクロバエは送受粉の貢献者なのです。
キゴシハナアブです。胸の縦縞模様が際立っています。複眼は粉をふりかけたように粒紋様で覆われています。 さらによく見ると,複眼を構成する個眼も見えます。
真正面から見てみましょう。頭は眼でほとんど占められています。
ニクバエの一種でしょうか。灰色地に,胸には黒の縦縞模様が3本,腹には横縞。それに荒々しい毛が体中を覆っています。
そっと近寄れば,昆虫たちは警戒することなく格好の被写体になってくれます。