自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

白菊と訪花昆虫(2)

2012-11-27 | 昆虫と花

訪花昆虫では,ハエやアブの仲間がいちばん目立ちます。そのうち比較的大きなものに目を向けてみましょう。

どうやらオオクロバエのようです。鋭い毛が一際目立ちます。複眼が離れて付いていることから,この個体はメスとわかります。太い口吻を差し入れて,蜜を舐めとります。その姿には,王者の風格が漂っています。

口吻で脚を舐めるしぐさをよく見かけます。 写真の個体は,脚先でなく毛か,口吻を掃除しているみたいに見えます。からだで,花と接する部分には花粉が付いています。オオクロバエは送受粉の貢献者なのです。

キゴシハナアブです。胸の縦縞模様が際立っています。複眼は粉をふりかけたように粒紋様で覆われています。 さらによく見ると,複眼を構成する個眼も見えます。

真正面から見てみましょう。頭は眼でほとんど占められています。

ニクバエの一種でしょうか。灰色地に,胸には黒の縦縞模様が3本,腹には横縞。それに荒々しい毛が体中を覆っています。 

そっと近寄れば,昆虫たちは警戒することなく格好の被写体になってくれます。  

 


キタキチョウ,睡眠中

2012-11-27 | 昆虫

ツワブキで見かけたキチョウだと思うのですが,夕方,ツワブキ脇にあるモミジの葉にとまっていました。「ははーん,ここを一夜の宿と決めたんだな」。そう思って,夜,成り行きを確かめに行きました。やっぱり,です。

細長く垂れ下がった葉に,しがみ付くようにして取り付いていました。

それで,貴重な映像になるだろうと思い,撮影することにしました。 

触覚を翅にはさんで,休眠中です。アングル上,撮影の邪魔になる葉があったので,ハサミで切り落としました。ところが運悪く。その葉がキチョウのからだを直撃! キチョウは地面に落下してしまいました。

ここで,ふしぎなことを発見することになります。もしかすると,当たり前かもしれませんが。落ちたチョウは翅を閉じたまま,じっとしているのです。まるで,寝ているように,死んだかのように。申し訳ないことをしたと思いながら,わたしは指でつまんで元の位置に戻してやろうとしました。それでも,チョウは脚をほんのわずかに動かすだけで,からだ全体はまったく動かないのです。

「これは完全に眠っているのだ!」。そう,わたしは思うことにしました。元に戻したものの,脚に力が入らないので,また落ちてしまいました。いよいよこれは,体内時計がはたらき活動休止中であることを物語っているように思われました。

何度目かでやっと脚を葉に固定してくれ,ホッ。 ヤレヤレです。

寒さもあるでしょうが,睡眠中はからだが十分に休んでいるのです。これは,わたしたち人間を含む昼行性動物と同じ生活リズムです。こんなことがあって,撮影できたのが上の写真なのです。 

さらに印象に残る出来事に出くわしました。この翌日は雨模様だったのですが,夜に見ると,ほとんど移動することなくじっとしていたのです(下写真)。「この時候だからな」と,ついつい思ってしまいました。