自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

白菊と訪花昆虫(4)

2012-11-29 | 昆虫と花

訪れる昆虫には,小さな種もまた混ざっています。

コシブトハナバチの仲間が訪れました。キオビツヤハナバチかもしれません。体長1cmにも満たない大きさ(小ささ?)です。 毛で覆われた脚が印象に残ります。外の世界を感知することが昆虫にとって最大の関心事。発達した触角,複眼と単眼がその役割を担います。

ハエの仲間が二種。小さめの昆虫は,互いに干渉し合うことなく,共生していきます。口吻を花に入れるという行為は,まさに頭を丸ごと入れることと同じなのです。極小のハエだと,からだごと入り込みます。からだの大きさからすれば,蜜源は相当な量を提供してくれているでしょう。 

ハエの種を同定する作業は,わたしの力の及ぶところではありません。科だけでもいくつもあるのに,その中で特定するのはたいへんなことです。典型的な特徴を持つものなら,だいたい見当は付きますが,上写真のものとなると困難です。

マア,そんな次元で昆虫のいのちと向き合っています。 

 


ツワブキと昆虫(続)

2012-11-29 | 昆虫と花

雨上がりの深夜。強い印象を受けたツワブキの花のことが気になって,見に行きました。何が気になったかといえば,夜間訪れる昆虫がいるはずだからです。これは過去にも取り上げたことがあります。

結果は思ったとおりでした。そこで見たのは,ガとガガンボそれぞれ一種。暗くなっても,ちゃんと訪れていることに驚きを禁じえません。夜行性なので,花の黄が効を奏していることもあり,視覚機能が十分にはたらいているのです。それに触覚で匂いも感知しているでしょう。もっとも,わたしの鼻では匂いを感じることはできませんでした。 

ガの名は今のところ同定できていませんが,ヤガ科の仲間でしょう。頭の突起が目立ちます。拡大写真も併せて載せておきます。 

口吻を伸ばして蜜を吸っているのがよくわかります。ガのすぐ傍にいるガガンボは,どうやらヒメクチナガガガンボのようです。 

別のところにも,同じヤガが来ていました。 

人知れずに訪れる昆虫が,このようにして存在するのです。昼間に活動する昆虫たちにしても,まったく知らない事実です。これらの夜行性の昆虫は,強い日の光を避けます。外敵の少ない時間帯を選んで,暗闇で活動を続けます。見事に棲み分けが成り立っています。

花を見ていくと,クモが一匹いました。糸をからだに付けています。巣の補修をしているのでしょうか。あるいは,獲物を待ち構えているのでしょうか。こうやって,夜にも“食べる” “食べられる”という食物連鎖の世界が展開されているのです。