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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒラタアブの成長(17)

2014-04-12 | ヒラタアブ

ヒラタアブの幼虫は肉食性です。

このことに関して,すこし気になる点があります。それは,幼虫は共食いをするか,しないか,あるいは幼虫が卵を食べることがあるかどうか,です。

アブラムシを認知したとき,「これは食べ物だ」と判断する決め手はあるのでしょうか。もし,同じヒラタアブの卵や幼虫を目の前にしたとき,「これは食べ物ではない」と判断する決め手が存在するのでしょうか。

この程,それを考えるヒントのようなものを得ました。偶然次の場面に出くわしたのです。まだ謎のままで,解けていません。この先もずっとわからないかもしれません。

わたしが見たとき,この幼虫は卵の中に頭を突っ込んでいました。「ワッ,卵の中身を食べている! 共食いだー!」とびっくり。大急ぎで写真を撮ろうとしたとき,頭を出してしまったのです。惜しい! 頭と卵とが接触していた証拠に,二つの個体の間に粘液が一筋走っています。離れたことで,体液が尾を引いて残ったと思われます。卵に開いた穴は,孵化によって自然につくられたものには見えません。二つも開いています。

 
上写真を拡大してみると,以上書いたことがよくわかります。筋状のものは,葉の表面に生えた毛でないことは明らかです。


幼虫は,この後,向きを変えて脇のアブラムシに向かいました。 


そうして,目の前のアブラムシを捕らえたのです。 


幼虫の動きはまったく獰猛にみえます。肉食昆虫の特徴をよく表しています。 

今のところわたしは,共食いするのではないかと解釈しています。今回見た光景しか目撃していませんが,状況証拠としては手がかりになるでしょう。

 


マンサクと昆虫(47)

2014-04-12 | マンサク

すでに記載済みのハエです。

花弁が萎れ落ちてしまったところにやって来ました。名残りの蜜を得るためです。探しても,そうそうあるわけではありません。それでも,探そうとしているのです。 

 
歩いて,移動しました。目で追っていると,萼にからだを乗せてじっとしたままでした。「これはシャッターチャンス!」とばかりに,写真に収めました。胸部の背には花粉らしき粒が付いています。これはマンサクの花粉かどうか,わかりません。

 
眼にピントを合わせて撮るのがポイントです。複眼周辺を拡大してみると,驚異的な世界が拡がります。頭部をすっぽり覆うドーム状の眼には,舌を巻いてしまいます。おまけに,個眼の行儀よい並び方もまことに鮮やかです。

個眼の数は片方の眼だけで,1万個はあるのではないでしょうか。


眼がこのハエが環世界を認知する重要な武器であることが,説明抜きでも伝わってきます。 

マンサクの花が散って,ほぼ一カ月。この47話はずいぶん時期外れの報告になります。それだけ,この花は情報を満載していたのです。