昨日の記事で,透明感のあるヒラタアブのからだについて取り上げました。その後,さらに体内が透き通ったように見える写真が撮れました。顕微鏡写真ではありませんが,わたしには驚きの一コマなので,ご紹介しましょう。
葉の表で,じっとしている個体を見かけました。体長は4mm程度です。からだの後尾は,ホトケノザの種子に乗っかっていました。太陽光はレンズの向こう側から射しています。つまり,撮影環境からすれば逆光です。それで,体内がよく見えるというわけです。
部分拡大をすると,いろんな器官が複雑に絡み合うようにして配置されているのが理解できます。からだを貫く太い管は消化管でしょう。各節には,気門から取り入れた空気を運ぶと思われる管,あるいは体内に栄養分を運ぶと思われる管が,バネのようになって納まっています。肛門には二つの,円い粒が付いています。
やや後ろ側から写したのが下写真です。
拡大してみましょう。じつに鮮やかな色合いです。管が入り乱れた感じがします。
真後ろからも撮りました。
肛門付近にある,粒状の器官がはっきり確認できます。からだの幅は1mm。ふつうのカメラで覗ける極小世界に,巧妙なしくみが準備されています。
こうだから,いのちの観察はやめられません。