4月15日(火)。スミレの葉を一部食べた証拠“食痕”が観察できました。しかし,動きがとても鈍くほとんど動かないので,「これは蛹化が近いな」と感じます。
4月17日(木)。ツマグロヒョウモンの終齢幼虫を,野生スミレを植えた鉢においていたところ,その時期がきたらしく,蛹化の準備に入りました。葉の縁で,尾端を固定してぶら下がっています。
植木鉢の縁でなく,草であることが注目したい点です。幼虫の食草はスミレ類なので,蛹化場所としてはその場所はもっともありふれています。しかし,ふつう,わたしたちはスミレを見かけて蛹を探したりしませんし,探してもそう見つかるものでもありません。理由の一つは,意外に人工物で蛹化する例が多いためです。今回のように,本筋にしたがって自然環境下で蛹化するのは観察者にとっては理想的です。
4月18日(金)。出勤前に写真を撮っておくことに。ぶら下がったら,頭部が地表ほんのわずかなところにきています。地表に付かない微妙な距離加減は,計算されたものでしょうか,偶然なのでしょうか。
白くなっているのは固定用の絹糸です。 隣りの葉を寄せてきて,丈夫な礎にしています。
まもなく蛹になるでしょう。長い冬を越した個体が,ようやく成虫になる準備期に入るのです。大きな変化は何度観察しても飽きることはありません。見届けることができるのなら,ぜひそうしたいと思っています。