秋,白菊に昆虫たちがたくさん訪れました。ハナバエ類を中心にして“わんさか”という感じで,多種の昆虫が吸蜜に勤しんでいました。その中から,印象に残る場面をいくつか2回にわたってご紹介します。なお,今回の写真はすべて虫の目レンズで撮影した画像です。
晴れ渡った空の下,白菊にアカタテハが訪れました。鮮やかな色彩がわたしのこころを引き付けました。
ハナアブが夢中になって花に取り付いています。白菊を訪れる昆虫の常連です。
コガネオオハリバエは,名のとおり,針状の突起で武装しています。この庭園では,珍しい来客。意外に臆病で,わたしが近づくのを察知してさっと移動しました。こういう場合は,悟られないようにそっとそっと近づくほかありません。
キンバエの仲間もよく訪れます。口器をぐっと伸ばしてごちそうを舐めています。 送受粉にはありがたい仲介者です。
突然頭上から大きな羽音が聞こえてきました。見上げると,オオスズメバチが! キクの周りを旋回して,昆虫たちを追いかけました。しかし,昆虫たちは一斉に避難。スズメバチは花に降り立ちました。ほんのしばらくいただけで,さっさと去っていきました。昆虫たちは何事もなかったように吸蜜行動を続けました。
セスジハリバエでしょうか,からだを覆う棘が痛いばかりの姿。他の昆虫たちは近寄れそうにありません。
キタテハが飛来しました。ほんのしばらく休んだ後,どこかに消えていきました。 どうしたことか,キクへの執着心はちっとも感じられませんでした。
晴れた日は,このようにたくさんの昆虫が見られます。キクの花とのつながり方には温度差がありますが,キクからすれば,効率よく受粉の手伝いをしてくれるどの昆虫にも「感謝,感謝!」でしょう。