自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

山と平野とカマキリと

2014-12-03 | 随想

播州平野の奥まったところに経緯度地球科学館(愛称「テラ・ドーム)があります。そこは東経135度と北緯35度の交差点につくられた特色ある科学館で,本ブログでも度々触れてきました。辺りは『日本ヘソ公園』として整備され,ここを訪れたら交差点に立つことができます。地図で確認するとよいでしょう。

今日(12月3日),我が家で見かけたカマキリ君を伴なって,ここを訪れました。もちろん,山の上でモデルになってもらうためです。山なら遠く平野が望め,それを背景に,あるいは前景にスケールの大きな写真が撮れるはず。 そんな魅力的な画像を得たいと思ったのです。

寒いので,カマキリ君はあまり動かず,理想的なモデルになってくれました。なんだかわざとらしいのですが,この公園にももちろんカマキリが生息しているのでこの手法は許してもらえるだろうと勝手に思っています。

下写真の左にコンクリートの構造物が写っています。これは北緯35度線上にあります。頭部のすぐ右下の建物が地球科学館。秋色の中にカマキリが溶け込んでいます。


こんどはちょうど経緯度交差点,つまり“日本のヘソ”で撮りました。カマキリの前に見えるコンクリート部分がそこにあたります。


青空をたっぷり入れたくて,カメラを縦方向に構えて撮りました。地平線が弧を描いて風景の雄大さを演出しています。カマキリはなにを思っているのやら。 

 
もう一匹のカマキリにもモデルになってもらうと……。ポーズを決めたわけではなく,威嚇姿勢を見せました。自分より強いものへの,いつものポーズ。相当に怒っている様子。寒さに負けず,元気いっぱいなのです。申し訳ないことをしました。

 
やっぱり縦方向でも撮っておきました。この姿勢はまだ威嚇しているつもりです。翅の開き方を見ても,ようくわかります。脚の置き方も堂々としたものです。

 
ヒトに邪魔されずにのびのび生きていきたいはず。それがわかっていても,被写体になってもらって得がたいコマを撮っておくのは今こそのチャンス。無事に撮影が終わりました。カマキリ君は,今いくら元気でも間もなく寒さが厳しくなっていのち果てます。 感謝。

 


初氷が張った日

2014-12-03 | 日記

12月3日(水)。晴れ後曇り。最低気温-1.0℃,最高気温10.6℃。

昨夜の天気予報どおり,氷点下を記録。今冬初めてです。起きて庭で見た風景を二つばかり。

その1。容器に入れた水を見ると,水面が薄っすらと凍っていました。その影響でホテイアオイが力なく萎んでいました。植木鉢に移植して越冬させるつもりだったのですが,さて,こうなるともうダメでしょうか。


その2。色づいたキンカンの横で,カマキリがぶら下がっていました。昨日上の方にいるのを見ていたので,探すとそこにいたのです。寒さを避けようとして移動してきたのでしょう。指を触れると,ほんとうに力を失った様子。


じつはこのカマキリ,11月26日付け記事『カマキリの食欲』で取り上げたカマキリです。キンカンに長く棲みついていて,わたしは愛着を感じています。

ぶら下がっているだけなので,気温が上がってくると,すこしは動けるようになるでしょう。

これから寒さが一段と厳しくなります。昆虫たちの世界は“動”から“静”に移っていきます。 

 


クモの“卵のう”見守り

2014-12-03 | 生物

ジョロウグモは造網性のクモの代表です。昔と比べると,ずいぶん数が減りましたが,なお健在です。我が家のアゲハの庭園にも,今秋は,二匹いました。キクに飛来する昆虫を捕まえようと,大きな網を張って待ち伏せていました。その網には,クモの思い通りにハエ類がたくさん引っ掛かっていたのが印象に残ります。

さて,そのうちの一匹がいなくなったと思っていたら,網の端を引っ掛けていたキンカンの木で姿を見かけました。葉の裏,実のすぐ傍でじっとしていました。よく見ると,横に卵のうらしきものが見えました。

「ははーん,これは卵を一時守っているのだな」と直感。それで,当分,経過を見ていくことにしました。

11月10日(月)。動かずじっとしていました。


11月12日(水)。格好は多少変わっていますが,卵のうから離れる気配はまったくありません。


11月17日(月)。ゆっくりゆっくり,休むことなく動いているので,からだが衰弱し始めたのかなと思いました。もしかすると,思い過ごしかも。クモって,なにも食べずに何日間いられるのでしょう。

11月18日(火)。夕方見ると,いつものように卵のうの傍でじっとしていました。

11月19日(水)。異変が起こりました。卵のうを守っているはずのクモが,いなくなっていました。よくよく探していたら,30cmほど離れたところでじっとしていました。

 


からだが弱ってきたんだなと思っていたら,なんと動き出したのです。そうして,卵のうの傍にやって来ました。ところが,そこを過ぎてもとの巣のところに行って,静止しました。網はずたずた状態ですが,そこを定位置と決めたようです。


それにしても,よくもマア,そこが元いた場所だとわかるものだなあと感心してしまいました。こんなわけで,一定期間卵のうの守りを終え,元に戻るクモの事例を目撃できたわけです。 

11月22日(土)。早朝見ると,セスジハリバエと思われる虫が巣にかかっていました。糸でがんじがらめにされ,すでに動かない状態です。21日の出来事だったのでしょう。他に犠牲になった昆虫は見当たらないことを考えると,クモには格好の獲物だったことが窺えます。

 

 
11月25日(火)。朝,クモはまだ巣にいました。

11月26日(水)。クモは見当りません。移動したというより,寒さでいのちが絶えたのではないでしょうか。