自宅横の空き地でのこと。夏に生い茂っていた草が刈り取られ,今は丈の低い草が地面を覆い尽くしています。 その中にスミレがあります。そこは,夏,ツマグロヒョウモンの産卵行動を見かけた場所です。
今幼虫はいないかなと思って,ちょっとばかり確かめてみました。
びっくりしたことに,ちゃんといたのです。二匹も! しかし,そこはスミレの葉ではなく,枯れ草とツタの茎でした。スミレからわざわざ離れてそこにいたわけを,わたしは知りたいと思いました。
すでに霜が降りている時期なので,直に地温が影響する箇所では,多くのスミレは枯れかけています。でも,そこは草むらなのでスミレはまだ大丈夫です。とはいえ,いずれ枯れるでしょう。
こんな環境のもと,越冬態の幼虫たちはいったいどうやって寒い時期を乗り越えるのでしょうか。
以下は,同じときにスミレで見かけた生きものについての“ついで話”二話です。
その1。葉の裏に小さな繭がありました。長さ3mm。ごく小さな幼虫がつくったものですが,じつに丹念な糸を見て,びっくり。果たしてどんな成虫が出てくるのでしょうか。
その2。葉の裏にヒラタアブの幼虫がいました。大きさから考えると,スミレにいたアブラムシを食べて,ここまで育ってきたと思われます。
ちょっと観察すれば,ちょっとした発見が生まれます。生きものの動きが目立ちにくい今の時期としては,ありがたい出合いです。