自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

師走,ツマグロヒョウモンの幼虫(6)

2014-12-19 | ツマグロヒョウモン

12月10日(水)。幼虫はかろうじて残ったスミレの葉脈にいたり,ブロック塀にいたり。ほとんど静止状態です。中には,残り少ない葉を食べている個体もいます。これまでは気づかなかった越冬の生態が見えてきます。


12月14日(日)。最低気温-2.8℃。日陰でじっとしている幼虫は,寒さをひたすらこらえているようです。

葉柄だけになったスミレの葉にしがみ付いています。


スミレの近くの地面でじっとしたままです。


無事に冬を乗り越える幼虫は,果たしてどのくらいの比率なのかわかりませんが,寒さは過酷な環境にちがいありません。

 


冬。タンポポと昆虫

2014-12-19 | 昆虫と花

タンポポはけっして春に咲くと限った花ではありません。冬に咲く花として,都会ならお馴染みです。田舎でも,意識して観察していれば道路脇や空き地であちこち目立ちます。

セイヨウタンポポは冬,単為生殖といって,受粉しないまま結実できる性質をもっています。そらだけ生態的に,環境にしっかり適応して生き抜く力があるというわけです。昆虫に頼らなくてもひとまずは大丈夫という,いわばチャッカリ屋なのです。

しかし,この手で殖えるだけでは多様な遺伝子を残せません。つまり,環境の変化に柔軟に対応できないのです。大事なのは,受粉(有性生殖)でもOK,非受粉でもOKというしたたかさです。これができるセイヨウタンポポは大したものです。 

もちろん,寒いときに訪れる昆虫もいます。これは送受粉を仲立ちしていることになり,冬にも有性生殖が行われている証拠です。この日は,たまたまガの一種が訪れているのを見かけました。


吸蜜している様子がよくわかります。それに,からだには花粉らしい粉が見えます。 タンポポの花粉なのでしょう。

 
こんなわけですから,冬,何気なくタンポポを見るというのでなく,それなりに関心を目を向けていると,おもしろい発見に結び付くかもしれません。