自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

庭のキクに来た昆虫たち(2)

2014-12-04 | 昆虫と花

白菊の花には,朝からハエ類やアブ類がどっさり訪れます。秋でも,暖かい日中は羽音が盛んに聞こえます。ところが,雲が空を覆って肌寒くなると,途端にそれらが脇のキンカンの葉に移動したり,動きが鈍くなったりします。変温動物である昆虫の自然な成り行きです。

それらの一部は,花の上でじっとしたり,ちょこっと動いたり。夕方のことで,一層,動きが鈍いように思われました。そういうときは,当たり前のことですが複眼にピントを合わせやすくなります。

 


複眼を構成する個眼が並んでいます。三個ある単眼も見えます。このハエは完全に休んでいるわけではなく,口器を花に差し入れて餌を舐めていることがわかります。

 
この後,花弁に移動。それをすこし斜めから見てみました。棘の一本一本のスゴサが伝わってきます。


一部のハエは花の裏側に回って,どうやらねぐらと決めたようです。金属光沢をした外骨格はまるでよろいです。とても丈夫に見えます。大きな複眼は外界を認識する中枢を担っています。

 

 
大した個眼です。みごとな配列です。これで外界から入ってくる光を感じます。両眼の間には,感度良好な触覚が備わっています。じっとしているときは,それが収納されています。


こうして見ると,頭部は感覚器官の集合体であることが理解できます。すっぽりと感覚器官に包まれている感じです。

空模様のお蔭で,じっくり撮影できました。感謝。 

 


師走,ツマグロヒョウモンの幼虫(1)

2014-12-04 | ツマグロヒョウモン

12月1日(月)。雨のち曇り。

朝,雨が上がりました。道脇に生えたスミレにいるツマグロヒョウモンの幼虫を見ると,一匹(幼虫A)がコンクリート壁を登って途中でじっとしていました。スミレの葉が寒さにやられて,どんどん枯れていく今,幼虫は試練に立たされていると思われます。 

 
この幼虫のからだには水滴が付いています。もし氷点下の気温なら,これはもう辛いだろうなと想像できます。

 

 
もう一匹の幼虫(幼虫B)は,枯れかかった葉に付いて,同じようにじっとしたままでした。

 

 
ツマグロヒョウモンの越冬態は幼虫とか,決まった越冬態を持たないとかといわれていますが,いずれにせよ,この幼虫たちは食草がなくなれば致命的な事態を迎えるでしょう。

これも生態観察のポイントなので,よく見ておこうと思います。