急遽、父が手術することになりました。
いろいろ予定されているうちの、まずは「足の切断」から。
肝臓の状態が良くないことから、抗生剤等の使用も控えていたところ、足の状態が急激に悪くなっているとのこと。
血管外科の、私は初めての先生から、病室で説明を聞きました。
(母は昨日、説明を受けて、同意書にサインしたそうです)
「昨日は、ここまでにはなっていませんでした」
という足は、スネの下あたりまで内出血や膿が溜まっているのが分かります。
「たった1日でこんな状態になるので、もう一刻の猶予もありません。
3番目の手術なので、前が終わり次第になります。
今の時点で時間は確定していないのですが、おそらく2時過ぎくらいかと」
そのあと、更に詳しい説明を聞いて、
「では、時間になりましたら看護師がお迎えに来ますから」
待っている間に、今度は循環器内科の先生が来て、
「ペースメーカーについてお話しが...」
今入っている、一時ページングの器械を恒久的なものに代えなければいけないとのことで、
「一応、来週月曜日に予約を入れましたが、今の全身状態では難しいので、最終決定は月曜日の昼前になります」
こちらの先生は資料持参で、図を見せながらの説明。
いろいろ詳しく説明してくださった後は、例によって
「では、こちらにサインしてください」
(本人、母、私。合計何枚サインしたのでしょう...?)
「インフォームドコンセント」が進み、どの先生も、治療や手術の内容を分かりやすく、詳しく説明してくれるようになりました。
質問にも丁寧に答えてくださいます。
先生の仰っている内容も、ほぼ正確に理解しているという自信はあります。
ですが、
「生きている人間に対して、そんなことができるのですか?!?」
と、いうのが、どうしても理解できません!
(現代医学とお医者さんはスゴイ!!としか言えません)
ところで、ベッドサイドでそんな話をしているにもかかわらず、患者本人は夢うつつ。
時々、目を覚ますと時計を見て
「まだ12時か、4時からだと言っていたから、まだまだだなぁ」
とか
「朝から何も食っていないから、腹が減った」
と。
一応
「この状態での全身麻酔ですので、かなりリスクが高いです。
万が一と言うことも無いとは言えませんので」
と言われていますので
「万が一もあるそうだから、何か言い残すことは無い?」
と聞くと無言。
(寝てるし!)
今までちゃんと起きている間にも何度か聞いたことはあるのですが、何も無いと言うことは
「もう、やり残したことも思い残すことも無い」
と言うことで、それはそれで、よいことなのでしょう。
3時半過ぎに、やっと看護師さんがお迎えに来ました。
準備の間、廊下で待っていたのですが、ストレッチャーに移されて、廊下に出てくると、また寝てる~~!?
はじめは、実は内心怖いから寝たふりをしているのかと思ったのですが、口を開けていびきまでかいているので、本当に寝てる?!?
エレベーターに乗るときに、多少揺れたりもしたのですが、全く起きず
「本当に良く寝てらっしゃいますね」
とは、付き添いの看護士さん。
(「熟睡していますし、麻酔なんかいいですから、このままスパっとやってもいいんじゃ無いでしょうか」
と言うと、ビミョウに微笑まれました)
手術室に入る際も
「〇〇さん、ご家族に言ってきますは言わなくていいですか?」
と看護師さんが方を叩いたのですけれど、反応は無く
「構いませんので」
と言うと、代わりに看護師さんが
「では、行ってきますね~」
とほほえみを残して、扉の中に消えていきました。
あとは、待合室で待つのみです。
(手術時間は1時間程度だと)
10分ほどすると、
「〇〇さんのご家族の方、いらっしゃいましたら手術室前までお願いします」
という放送が入りました。
これは麻酔で何かあったかと飛んで行くと
「あのぉ...入れ歯が入ったままで。それと腕時計もされたままで...」
確かに病室を出る時に、入れ歯が入っていたのも時計をしていたのも知っていたのですけれど、オカシイと思いつつも、こちらの病院では、そういうことなのかと黙っていました。
やっぱり...
時計は母に預け、入れ歯を持って病棟のナースステーションに行き、
「手術室で呼び出されたのですが...」
と入れ歯を出すと、受け取った看護師さんが
「えぇぇーーーーー!
タイヘン申し訳ありません!!」
「明日、部屋に帰ってきたら使うでしょうから」
と預けて待合室に戻りましたけれど、手術室まで付き添ってくれた看護師さん、お目玉を貰っちゃったのでは?
そして待つことウン時間。
1時間半過ぎた頃に一度先生に呼び出され、行くと
「一応、手術は無事に終わりました」
(ありがとうございます)
小さな試験管を見せられ
「これが患部から採取した体液ですが、これから分析して、どんな細菌が居るか調べます。
ICUに移ったら、お呼びしますのでもう少しお待ちください」
途中で来た弟と
「未知の細菌が出てきたりして?」
「そうしたら、大学病院だもの、盛り上がって(?)治療してくれるんじゃ無い?」
等々、話ながら、更にずーーーーーーっ待ち。
また、呼ばれたので行くと
「今、ICUに移りましたので、レントゲンを撮ったり、検査が終わったら声をかけますので、もう少しお待ちください」
「途中経過はいいので、最終的にOKになったら呼んでいただければ結構です」という言葉を飲み込んで、更に更ににずーーーーーーー...。
最終的にICUで父に面会したのは午後7時過ぎでした。
やっぱり寝ているので
「まだ麻酔から覚めていないのですか?」
と聞くと
「いえいえ、〇〇さ~ん、ご家族が見えてますよ」
と大きな声で看護師さんが声をかけると目を開けました。
耳も遠いので、まずは
「おーーーーい、聞こえる?」
と聞くと、頷きました。
「痛い?」
と聞くと、首を振ります。
(麻酔が覚めても、おそらく鎮痛剤が入っているのでしょう)
足の方を見ると、布団がかかった左の足先が平らです。
(本当に切っちゃったのですね)
5分ほどでICUを出て家に帰ることに。
手術後の先生のお話では、ICUにいるのは一晩だけで、明日には予定通り透析をして、明後日はステント治療も行う予定とか。
もっとも、「全身高レベル感染状態」(循環器内科の先生曰く「あり得ない数値」)
だそうなので、まだまだ流動的ではありますが、今週・来週は、いつ「お呼び出し」がかかるか分からないので、やっぱり「臨戦態勢」デス。