『泥の河』
あたりはまだ戦争の傷跡が残る昭和30年の大阪。
安治川の河口べりでうどん屋を営む家の小学2年生の信雄と
対岸に繋がれた廓船で母親が体を売りながら生活をしている姉弟との
束の間の交流を描いた物語。
(第13回太宰治賞を受賞作品)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/c1/0d2b7b064e4a46b9e4b66b99344c932f.jpg)
平成3年7月30日45版『泥の河・螢川』収録
とても読みやすい作品でした。
良かったと思う点は、いろいろありましたが、
信雄の両親の温かさもその中の一つ。
子供が初めて友達を家に連れてきたときなど、
「お父さんは何をしているの?」「兄弟は?」等と
あれこれ、家族の身上調査をする親もいると思いますが、
信雄の両親は、廓船の家の子供と知りながら、
銀子と喜一に優しく接している。
悲しいと思うのは、貧しいがゆえに、母親のすることを
見て育たなければならなかった銀子と喜一。
天神祭りの帰り、「夜はあの家に行ったらいけない」と
父親から言われていたのに、蟹の巣を見せてあげると誘われ、
喜一の家に寄った信雄。
喜一が蟹を竹ぼうきでとって、大きな茶わんにランプ用の油を入れて
蟹をひたし、それを舟べりに並べて火をつける。
恐ろしくなってやめさせようと叫ぶ信雄。
何気なく喜一の母親の部屋を見て、仕事現場を見てしまう信雄。
喜一はどんなに、辛くやりきれない思いをしただろう。
作者自身の幼少期をモチーフに書かれたそうです。
『蛍川』もそうでしたが、自分の育った環境などを土台にしながら、
ここまで想像力を膨らませて、物語を作り上げることができるなんて
作家って本当に凄いなぁ~と感心するばかりでした。
『泥の河』は本のタイトルと同様、暗くて汚くて臭いまで
漂ってきそうな物語でしたが、心に残る作品でした。
*・゚✽.。.:*・゚ 庭に来る蝶 *・゚✽.。.:*・゚
雨が上がり涼しい日が2日ばかり続きました。
暑い夏は蝶を追いかける元気もありませんでしたが、
やっと落ち着いて写真が撮れるようになりました。
蝶はじっとしてくれないので、ボケ写真も多いですが。
お好きな方はご覧ください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/5d/876e3f44eb1ad4a3c769547cb477accf.jpg)
クロアゲハ
後翅に赤い模様があります。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/bf/7b2b1bce4afc21f72a6f50cab7f1a3dd.jpg)
アゲハチョウ
黒い帯がくっきりとしています。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/20/c3d521cb48d65ff9ca6c155de60a0412.jpg)
キアゲハ
表羽の黄色が強いのでわかります。
吸蜜中(花:ハナトラノオ)
それにしてもアゲハの仲間はハナトラノオが好きですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/71/ee8a8aea60588332482096833767d98c.jpg)
ツマグロヒョウモン♂
ランタナの花の上で一休み。
普通、雌の方が翅は傷むのですが、
雄なのに後翅の端の黒い模様がちぎれて無くなっています
天敵の鳥に襲われ、逃げ回ったのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/53/c9b9cfc4ae7272867e837192c684a6ea.jpg)
ヒメウラナミジャノメ
目玉模様のある薄茶色のチョウ。
翅の裏面には細かい波形の模様があります。
モンシロチョウより少し小さい。
ルドベキアタカオの蜜を吸っているようですが、美味しいのかなぁ~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_3.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/3b/aa99fb6eb7f999f564058e99cd4e4548.jpg)
ヤマトシジミ
翅の表面はやや光沢のある水色で、
裏面には灰色地に黒い斑紋が散りばめられています。
木はヒメウツギです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/9c/abfa563c3d1e3e020a396132c096d4c4.jpg)
イチモンジセセリ
チャバネセセリとよく似ているのだけれど、
翅の裏側の白点が大きく並んでいるので、イチモンジセセリかな…。
吸蜜中(花:ランタナ)
です。私も読んでみたいです。
蝶々、美しいです。
トラノオとあゲハ、良いですね〜。
イチモンジセセリもかわいいです。
私も昔読んだ本はタイトルを覚えているぐらいで、
内容まで覚えているのは少ないです。
宮本輝は娘が本棚に残してあったので、断捨離をする前に
読んでおこうと思ったのですが、、けっこう嵌っています。
アゲハの仲間はハナトラノオが好きなようです。
野草に近い花だからかもしれません。
ありがとうございました。
泥の河は読んだ記憶はありますが内容は忘れていました
hiroさんのご紹介で又読んでみたくなりました
花に蝶はいいですね
沢山綺麗に撮れましたね
ルドベキアタカオには良くシジミチョウが来ますね
アゲハチョウはとても綺麗です
イチモンジセセリは大きいですね
たまに見かけます
今日も一日雨の様でうっとおしいいです
宮本輝さんの作品は40代の頃、2作品、最近になって3作品
読みましたが、どれも読みやすくて良い作品だと思いました。
今は欲しいと思ったら、ネット注文すれば翌日には届くように
なりましたね。ぜひお楽しみください。
ありがとうございました。
私も昔読んだ本は、ほとんど忘れています。
若い頃に比べ、あまり本は読まなくなったのですが、
コロナ禍で外出する機会が減り、少し読むようになりました。
暑い夏は蝶などを追いかける余裕はなかったのですが、
やっと涼しくなったので、写真を撮る気分になりました。
蝶は近づくと逃げられるので、遠くから横向きしか
撮れなかったのが残念です。
こちらも今日は雨です。
昨夜寝られなかったので、お昼寝をしたかったのですが駄目でした。
ありがとうございました。
本を探しましたが、見つかりませんでした。
内容のご紹介があったので思い出しました。
お花が多いお宅のお庭にはいろんな蝶たちが
集まってきますね、蝶はほんとみな美しい。
Reiさんもお読みになりましたか。
私もそうですが、昔読んだ本はよほど印象が深い本以外は
内容を忘れてしまうこともありますね。
暑い夏の頃は庭に出てもサッとお花の写真を撮って
家の中に戻っていました。
やっと虫や蝶を追いかけられるようになり嬉しいです。
ありがとうございました。
“泥の河”を読んだことがありませんが安治川の名を懐かしく思い出しました。
淀川の支流になり中之島から下流を安治川と呼んでいたと思います。
中之島は大阪・梅田からナンバ方面に歩いて15分くらい
地下鉄ですと5分もかからないところで
Saas-Feeの風が高校・大学のころにウロウロしていたところでもあります。
久しぶりに安治川の名を目にしました。
多くのチョウが飛んできて、さすがにhiroさんのお庭ですね。
しっかり姿をカメラに収めておられて、花の姿と合わせて愉しめますね。
先日、Saas-Feeの風が門扉脇のマンデビラで見かけたアゲハは
昆虫図鑑に掲載されていませんし
インターネットでも探したのですが
結局、写真を見つけられませんでした。
また飛んできてくれることを願っています。
大阪の川といえば、淀川と道頓堀川位しか知らないのですが
淀川の支流は沢山あるようですね。この小説の冒頭にも、
堂島川と土佐堀川がひとつになり、安治川と名を変えて
大阪湾の一角に注ぎ込んでいく、と書かれていました。
安治川は風さんにとって懐かしの場所だったのですね。
大阪は下車観光したことが無いので、一度は行ってみたいと
思っていたのですが、コロナ禍でどんどん遠のいています。
やっと涼しくなったので蝶の写真を撮る気になれました。
クロアゲハは部屋の中から見ていた時は、ナガサキアゲハとの
区別がつきませんでしたが、写真に撮りやっとわかりました。
風さんがご覧になったアゲハは、余程珍しい種類のアゲハ
だったのでしょうね。もう一度飛んできてくれると良いですね。
ありがとうございました。