細太郎の父の光一
です。
実は、バレンタインデーの昨日、差出人不明のチョコレートが届いていた。
手書きではない宛名は、俺の名と細太郎の名前があった。軽くて薄い包みを持った瞬間、誰から送られてきたのか直感した。
「10年間も何をやってたんだ」
俺は包みを抱きしめると、送り主を思って泣いた。
軽くて薄いチョコレートの包みは、はかな気な彼女そのもののような気がした。
そして、翔と翼を初めてこの手に抱きしめた時のことを思いだし、一度も忘れたことのない彼女と、もう一人の小さな赤ん坊の今に思いをはせた。
「利香、会いたい」

実は、バレンタインデーの昨日、差出人不明のチョコレートが届いていた。
手書きではない宛名は、俺の名と細太郎の名前があった。軽くて薄い包みを持った瞬間、誰から送られてきたのか直感した。
「10年間も何をやってたんだ」
俺は包みを抱きしめると、送り主を思って泣いた。
軽くて薄いチョコレートの包みは、はかな気な彼女そのもののような気がした。
そして、翔と翼を初めてこの手に抱きしめた時のことを思いだし、一度も忘れたことのない彼女と、もう一人の小さな赤ん坊の今に思いをはせた。
「利香、会いたい」