へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

夢で会えたら

2007-02-17 21:31:43 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

ぼくは、好ききらいはあまりないんだけど、時々ピーマンが食べられなくなることがあります。どういうわけか、その時にかぎってだめなんです。
ピーマンだけじゃありません。
何でもない時に、ふと悲しくなったり泣きたくなったり、うれしくなったり笑いたくなったり、そういうことがたまにあります。
どうしてそんなことがおこるのか、ぼくにはわかりません。小さな時のことはよくおぼえていないからよくわからないけど、こういうことがあるって自覚したのは、去年つばさ…豆太郎君の夢をみた時からです。
時々、夢の中の豆太郎君のことを思い出して、もし豆太郎君とぼくがともだちだったり、ふたごの兄弟だったりしたら、すごく楽しいんじゃないかな、と想像したりします。
また、夢の中に出てきてほしいな。 そうすると、おかあさんにまた、会えるかもしれないから。
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おとうさん、どうしたの?

2007-02-16 22:02:00 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

おとうさんが元気ありません。むっつりとだまりこんだまま、口もききません。時々、遠い目をしてどこかを見ています。
何を考えているんだろう。 何を思っているんだろう。
こういう時にありがちな“ため息”すらでないみたい。
おとうさん、何があったの?
ぼく、なんだかんだいったって、おとうさんが心配なんだからね。
元気になってよ。
いつものバカなおとうさんにもどってよ。
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10年ぶりの…

2007-02-15 22:12:51 | へちま細太郎
細太郎の父の光一です。

実は、バレンタインデーの昨日、差出人不明のチョコレートが届いていた。
手書きではない宛名は、俺の名と細太郎の名前があった。軽くて薄い包みを持った瞬間、誰から送られてきたのか直感した。
「10年間も何をやってたんだ」
俺は包みを抱きしめると、送り主を思って泣いた。
軽くて薄いチョコレートの包みは、はかな気な彼女そのもののような気がした。
そして、翔と翼を初めてこの手に抱きしめた時のことを思いだし、一度も忘れたことのない彼女と、もう一人の小さな赤ん坊の今に思いをはせた。
「利香、会いたい」
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バレンタイン余波

2007-02-15 21:51:44 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

バレンタインデーに5年生からたくさんチョコをもらったぼくに対して、クラスの女子が、 「細太郎君、あそぼ~」
「コケ吉にいっしょにえさをあげよう」
と、声をかけてくるようになりました。さらに、5年生の女子が近くにいるとよけいに、 「細太郎君」
と、わざと大声でぼくを呼ぶようになりました。
やな感じ…
ぼくは、5年生の女子もクラスの女子も、仲良くしてくれなくてもいいです。
ぼくは、ぼくは、りょうこちゃんからチョコレートをもらえなかったことが、とてもかなしかったです。
りょうこちゃんは、ぼくのこと、なんとも思ってないのかな。
ぼくは、だれよりもりょうこちゃんのことを、たくさん考えています。
なんか、すごくさびしい気分です
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モテモテのバレンタインデー

2007-02-14 22:51:22 | へちま細太郎
細太郎の父です。独身です。最近、影が薄くなってますが、頭髪はしっかりしていますよ。

さて、今朝、事務室の俺のデスクには、朝早く登校したと思われる女生徒からのかわいいチョコのプレゼントがおいてあった。
いいな、こういうの。
…にもかかわらず、桜井は今年も食いかけのチョコを投げてよこし、タコ壺はとりにこないとやらないとぬかした。
悪いけど、あんたらからもらったってうれしくもなんともないからね。
俺は、いつも以上に期待をこめて学園めぐりをはじめた。わざと休み時間にぶつかるように高校の校舎に行けば、
「近藤さあん
と、取り囲まれチョコを渡される。
ほらね、チョコはこうしてもらうもんさ、と内心にんまりしたら、
「細太郎君にあげてくださあい
と、いちばんかわいい子がいうではないか。
「え?なに?細太郎?」
いやあ、びっくりしたね、というかショックだ
「なんで、うちの息子を知ってるの」
「だって、藤川先生がよくサッカー部につれてきますよ。私、サッカー部のマネージャーだから」
と答えた。 そういえば、そうだった。
「じゃあ、私も細太郎君に
「私も
「私も
次から次へとチョコの相手から俺から細太郎へと変わっていく。
「なんだよ
俺はプライドをズタズタにされた気分だった。 細太郎がいつの間にか、俺のライバルになっている!! あんなに目の中に入れても痛くないほど可愛がっていた、俺の命だった細太郎が、俺の地位を脅かしている
細太郎、俺に勝負を挑むには、まだまだ早すぎるぞ。 父はおまえを崖から突き落とし、這い上がってきた時、はじめてライバルと認めよう
俺は、決意した。
細太郎、今日からは厳しい父となるぞっ
…と、ひとり燃える俺の後ろから、
「な~に、巨人の星やってんの」
「あんた、星一徹か」
「似合わねー」
と声が聞こえてきた。 藤川、久保田、桜井があきれた顔をして立っていた。
「うるさいっ
俺は、強い父となることを自覚したせいか、やつらに対し強い態度に出た。が、
「どんなに頑張ったって、息子は父を越えて行くもんさ」
「今までが今までだからね、どうせ腰くだけ」
と、さんざん悪態をついてきやがった。
「黙れっ
俺は、完全に頭にきた。
細太郎よ、おまえは今日から俺の息子ではないっライバルだっ
…と、カッカッとする頭で家に帰れば、おふくろと細太郎が山と積まれたチョコを前にして、
「こんなにいたらお返し困っちゃうね」
「大丈夫、おばあちゃんがたくさんクッキーを焼いてあげるからね」
と、会話していた。
「が、が~ん
ショックで立ちすくむ俺に、
「なに、鐘なんかついてんの、さっさとチョコをお出し」
と、おふくろが冷たい言葉を投げかけた。
「知ってんのよ、チョコは細太郎あてだって?」
が・が~ん…(((゜д゜;)))。
藤川め、しゃべったな~。
崖から突き落とされた気分だ…。
が・が~ん~)))))
は、はいあがれね~。
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どきどきバレンタインデー

2007-02-14 20:34:24 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

今日、朝から男子はみんなそわそわしていました。
だって、バレンタインデーだから。
でも、先生たちから、
「学校には余計なものを持ってきてはいけません。とくに、お菓子はいけません」
と、前もって注意されていたのですが、みんないうことなんかききません。
「わたしは、さとしせんぱいにあげるの
とつぜん、はるみちゃんの声が聞えてきました。振り返ると、かわいいつつみがみにリボンをつけた大きな箱をみせびらかしているはるみちゃんがいました。
さとしせんぱいというのは、6年生の児童会長のことで、すんごくかっこいいせんぱいのことです。 
きょうそう相手がたくさんいるのに、ばかだあ、とぼくは心の中で思っていました。
「細太郎君、いますか?」
と、声がしました。
「はい?」
ぼくは、だれだろうと思ってみると知らない人でした。
「あの、だれですか?」
とぼくは、クラスの女子のさすような視線を背中にあびながらろうかに出ていきました。
「あの、私は5年3組のさかもとあいみっていいます。これ、もらってください
「え?5年生?」
ぼくは、びっくりしました。5年生だったなんて…。
「あ、ありがとう…」
ことわる理由もなかいらもらっておいたけど、でも、どうしてぼくなのかなあ。
「だって、細太郎君、5年生のあいだでは、すごい人気なの知っていた?」
「ええええええっ
聞いていた女子が教室で大声を出しました。
ぼくは、まっかになっちゃいました。
そんな、ぼく、はずかしい。。。
「え~信じられない、どこがあ~」
女子がわあわあさわいでいます。
ますます、ぼくはうつむいちゃいました。
「あんたたち、うるさいわよ」
さかもとあいみさんが、女子をどなりつけました。
「あんた、目え、悪いんじゃないの」
はるみちゃんが近づいてきました。
「5年生に逆らう気?」
さかもとさんのうしろから何人かの5年生の女子が顔を出しました。
「だって、細太郎君は4年3組なんだからね」
「関係ないじゃん」
「はあい、細太郎君」
と、わらわらと腕がのびてきて、ぼくの手の上にはチョコレートの包みが積み上げられていきました。
「すっご~い
ぼくは、びっくり。
文句をいっていた女子まで、何もいわなくなってしまいました。
5年生の女の子に囲まれている向こうで、りょうこちゃんがぼくをみていました。
ぼくは悪いことをしているみたいでりょうこちゃん顔をみることができませんでした。
ほんとは、ぼく、りょうこちゃんからチョコレートをもらいたかったよ…。



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チューリップ観察日記2

2007-02-13 21:41:58 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

チューリップの芽がぐんぐんのびています。
朝みた時と、帰りにみた時では大きさがちがっているようにみえるのは気のせいかな。今年はいつもの年とはちがって、春が真冬を飛び越してしまったような気がします。
そういえば、去年の9月1日はとても寒かったよね。
やっぱり、季節が早くなっているのかな。
この調子だと、チューリップは3月に咲いちゃうかもね。
それにしても、雪のない冬なんてさみしすぎるよ。 

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とらぬたぬきのなんとやら

2007-02-12 21:49:01 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

ぼくが慶子おねえちゃんからもらったチョコを食べていると、
「お、チョコ」
とおとうさんが目をかがやかせました。
「あさってだなあ、細太郎はもらう予定はあるのか」
「そういうおとうさんはどうなの」
ぼくは、どうせもらえないだろう、という目をむけました。
「あ、忘れたのか?、去年、たくさんもらってきただろう」
そういえば、そうだったっけ。
「でも、去年くれた人が今年もくれるとはかぎらないでしょ?」
「うるさいな、仲良しだからいいの」
おとうさん、プンプン。
全く、女子高生にチョコレートもらって喜んでるなんて、恥ずかしいよおとうさん。
「さあて、今年はいくつかな、細太郎にもやるからな」

い、いらないやい。
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バレンタインのお買い物

2007-02-11 22:37:05 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日は慶子おねえちゃんと買い物に行きました。バレンタインのチョコレートを買いに行くのにおつきあいをしたのです。
「広之おにいちゃんにあげるの?」
と聞くと、
「何であいつにあげなくちゃいけないのよ」
慶子おねえちゃんはそういうとにや~っと笑いました。
「結婚するとあげなくてもいいの?」
「いいの」
「へえ」
そういえば、おばあちゃんがおじいちゃんにチョコレートをあげているのをみたことがありません。年を取ると、みんなそうなのかな~。
なんだかちょっと、おとなってふくざつだね
慶子おねえちゃんは、誰にチョコレートをあげるのかな。こんなきれいな慶子おねえちゃんにチョコをもらった人は、しあわせだよなあ~。でも、それが広之おにいちゃんじゃないのが、ふしぎでたまりません。
「チョコって、好きな人にあげるんでしょ?」
「そ~ゆ~人もいるけど、大人になると違うのよ」
「ふうん、大人ってむずかしいね」
「ぐちゃぐちゃだからねえ」
デパートの食料品売り場には、たくさんのチョコレートがきれいな紙につつまれていました。ぼくらぐらいの女の子たちからおばさんまで、チョコレートをえらんでいました。
「細太郎はたくさんもらえるかな」
慶子おねえちゃんはぼくを見て、こんどはにっこりと笑いました。 ぼくの心にりょうこちゃんの顔が、ふと浮かびました。
そのとたん、ぼくは顔が赤くなりました。
「あれあれ?」
慶子おねえちゃんはまた笑いました。
「さてはもらいたい相手がいるんだな」
ぼくはますます赤くなっちゃいました。
「おとうさんにはナイショにしておくからね」
慶子おねえちゃんはウィンクをして、ぼくの手をつなぐと、
「さて、第1号は私があげるからね、何がいい?」
と、売り場を見て回りました。
「何でもいいよ」
ぼくは、慶子おねえちゃんならどんなチョコでもおいしいだろうなと思いました。
そう、もらっただけでどきどきして、おなかいっぱいむねいっぱいになっちゃうことぐらいは、ぼくにだってわかるんだからね。
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冬のいなづま

2007-02-10 22:49:23 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

外は、いきなりの雨にかみなりです。
ちょっとかみなりがこわい。ぴかっていっしゅん光ってからゴロゴロっとなる。
それが、こわい。
ああ、なんか真上でなってる。
だから、おとうさんとたまにはねようかなあ。
…(^_^;)。
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