(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。
今日のテーマは
「事例/文化祭前に過呼吸になった中学生(NO.1102)」です。
秋も深まり、2学期は様々な行事も増えますね。
同時にこの行事を通して様々な問題やトラブルも起きます。
弊社受講生のF先生から、文化祭の練習で過呼吸を起こした生徒に対する
対応の実践事例のご報告をいただきました。
この事例では、ふみふみリフレーミングを使っています。
大切なのは、ワークを使うことではありません。
ワークを知ることや手順ややり方を知ることではありません。
ワークを使わなくても、傾聴における「分けて聴く」ということができていれば
問題の本質に迫ることができます。
過呼吸を起こしている→過呼吸の対応をするというだけでは
再度同じような症状を起こす可能性があります。
今回は、過呼吸を起こした背景にある原因を、本人が気づくまで丁寧に傾聴した結果、自分でどうするのかを決めた事例です。
許可を得てご紹介します。
委員会活動や部活もまじめに取り組む落ち着いた生徒が、
文化祭の合唱コンクールのステージ練習で過呼吸を起こして来室。
「教室での練習では問題はなかったが、講堂でのリハーサルでは
フロアで聞いている人がいるため気分が悪くなって立っていられなくなった」
と訴えた。
過呼吸の症状は比較的軽くしばらくすると改善したが、初めての過呼吸ということもあり、
少し話を聴いてみたところ、周囲のことを気にする回答が気にかかった。
そこで、ふみふみリフレーミングカードを用いて、内面に触れてみることにした。
◎アプローチ
踏みふみリフレーミングで最初に挙げた問題は、
「最前列で歌うと全校のみんなに見られている気がする。
足ががくがくしてきて、そんな足をみんなに見られるのがいや。
なんだか自分の足ではない感じがする。」だと言っていた。
しかし、ふみふみの質問(問題‐原因‐望ましい状態リソース‐効果)
を2~3回しても繰り返しても、問題が変化しない(問題の本質が見えてこない)ため、再度、原因を考えてもらうことにした。
すると、後列の女子が音程を外しがちで、音程が外れると後方の女生徒がそれをみんなの前で大声で責めるということがわかった。
後ろの生徒の声が耳に入るため、自分も音程を外しているように思え、
見ている人にそれがわかってしまい、何か言われるのではないかと怯えていた。
ふみふみリフレーミングのワークを通して、自分が歌えていることを確認し、
自分の姿を振り返り、問題の原因は、それを気にしている自分自身だということに気づくことができた。
望ましい状態は「合唱コンクールは、参加する」
そこで、自分は自分でしっかりと歌うことを再確認してワークを終了。
◎事例を通しての感想
この事例は、ふみふみカードの利用で、表面の問題ではなく原因までをしっかりと考えることができた事例です。
表面の問題ばかり考えていたら、緊張しやすいから仕方がない。
緊張に立ち向かうためのリラクセーションを指導して完結にしていたのではと思う。
その後は、意識が変化して練習を続けられるようになったが、足の震えを感じる時があったので、当日は並ぶ場所を隣にずらし、無事に発表を終えることができた。
ふみふみリフレーミングは、相談者の話を、
「問題」「原因」「望ましい状態」
「リソース」「効果(望ましい状態によってさらに手に入ること)」
に分けて聴きます。
これによって、混乱していた頭の中を、整理します。
「ふみふみリフレーミング」も、「きせかお」や「ぼやきすごろく」も
問題解決の為に使うのではなく、相談者が自分の内面に気づき、
自分で答えを出すためのツール(相手の混乱を整理するための傾聴のため)です。
一つのツールを間に置くことで、客観的に自分の気持ちに気づいたり、
頭の中でこんがらがった問題をじっくりと紐解いていくことができます。
ただ、ツールややり方を知るより大切なのは、傾聴において、
ただ、ダラダラストーリーを聴くのではなく、「分けて聴く」ことが大切です。
やり方や手順より大切なのは、物事(スキル)の本質を理解することです。
ハウツーばかり追いかける、ハウツーばかりを知りたがると、
いつまでたってもスキルコレクターから抜けることができません。
弊社のトレーナーコースでも、ハウツーを上手に伝えることは重要視していません。
ハウツーばかりを伝えたがり、そこに自己満足する講師は、三流。具体ばかり伝える講師は四流。
やり方を教えることではなく、つまりはどういうことなのか?を抽象度を上げて伝えることができるかどうかを重視しています。
保健室コーチングを協会ビジネスにしないのは、講師の質を下げなくないから。
弊社の講師チームはそういう意味で、深いトレーニングを積んでいます。
それでは、今日も
素敵な1日を!
p.s2中部動画研究所でのインタビュー動画全3編が配信されました。
【中部動画配信研究所のインタビュー動画その1】
【中部動画配信研究所のインタビュー動画その2】
【中部動画配信研究所のインタビュー動画その3】
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2022年11月10日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。
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