(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。
今日のテーマは
「共依存とは〇〇」です。
支援者と相談者、親子、夫婦の間で起きる
「共依存」という現象。
1930年代、アルコール依存症の方に対する自助グループは
その治療と回復に成果を上げていました。
しかし、家族から隔離されやっと回復したアルコール依存症の方が
自宅に戻ると再びアルコールに手を出してしまうという現象がありました。
このことから、アルコール依存症とは個人のメンタルの問題だけでなく、
そこにかかわる人の関係性にも注目すべきという考え方が
されるようになりました。
そこから、アルコール依存症だけでなく
さまざまな嗜好の問題においての周囲の反応ではなく
もっと深い病理が存在することが明らかになってきました。
共依存とは「関係性の病理」ともいわれます。
相手の要求に対し、
身を捧げることで自己の存在価値を得ようとする関係性です。
一見素晴らしいことのようですが、そこには相手の自立を
妨げてしますうという一面があります。
関係性そのものが嗜癖の対象となっているとも言われますし
特に女性が社会から求められてきた
「自己犠牲的に他者へ献身することがすばらしい」
という考えもあります。
弊社の受講生が報告してくれた事例です。
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ある生徒が問題を抱え、落ち込んで保健室にやってきた。
問題を整理し、望む状態のために
次の行動も明らかにして
笑顔で教室に戻っていった。
ところが、ふたたび
泣きながら保健室にやってきた。
話を聞くと、教室に戻った際に、
担任教諭が「たいへんだったね。つらかったね」と
再び過去に戻してしまったことがわかった。
本当にがっかりした。
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また、別の受講生の報告では
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落ち込んだ生徒に対応し、
生徒自身が自分の「こうあるべき」に気づき
別の視点で考えるという視点を得た生徒は、
元気に帰宅した。
しかし、翌日、また元気なく登校した。
せっかくこうする!と決めても
親がこれが私たちの愛情だという旗印を掲げ
価値観を押し付けてくるということが多々ある。
子どもが自分の意志で動こうとすることが
親にとっての恐怖であるのかなと感じる。
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ある方が、共依存の定義を以下のように
説明されていました。
「愛情という名のもとに、相手を支配すること」
愛情を与えているつもりが
いつしかそれが、相手の苦痛になっているとしたら
それは「支配」と呼びます。
その支配は、相手の自立を妨げます。
しかし、支配された側が、それが愛情だと感じてしまえば
自立はさらに難しくなります。
社会背景の複雑化の中、
子離れできない親のケース。
問題を抱えた人への献身が
かかわる大人の「存在価値」となっているケース。
いずれも、生きる力の大いなる損失と
なっているように感じます。
それでは、今日も
素敵な1日を!
この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
2022年4月7日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。