姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

仲間のチカラ 修学旅行で見た感動  6月20日から22日

2007年06月23日 | 学校生活


 2泊3日の東京・横浜修学旅行から帰ってきました。
 たくさんの感動を見て、聞いて、感じてきました。(五感のフル活用!)

 大口北部中学校最後の修学旅行。
 最後の卒業生となる君達。

 北部中学校としての最後の修学旅行をとても楽しみにしていました。
 毎年、修学旅行はいろいろなハプニングが起きます。今年も、彼らとのちん道隆をいろいろ想像しながらの出発です。彼らのこの2年間の成長を、非日常の中で感じてみたいと思っていました。

 そして、そして、思った以上に、すばらしかった。彼らの一人一人、そして手段としての成長の姿を証明するたくさんの出来事に出会いました。
 
 時間を意識した集合、体調不良の仲間を思いやる姿、学年としてまとまっていこうとする姿、元気のな仲間をなんとか盛り上げてあげようとする姿。
 とても素敵でした。

 ある生徒は、二日目の午後から体調を崩しました。それを知った同じグループの生徒が、彼のバッグを持って黙々と歩きました。何度も電車の乗換えがあり、目的地のディズニーランドまで、けっこうな距離を歩きました。それでも、何も言わず、黙々と彼のバッグを持って歩きました。
 「いい仲間がいて幸せだね」と声をかけると
 「おれが体調を崩したせいでみんなにめいわくかけてる」と言っていました。

 「そんなこと、ないよ。いつも学校であなたがまわりにしてあげているから、ちゃんとそれが今、返ってきてるんだよ。みんな、だれひとりとしていやな顔していないでしょう」と、伝えると「そうなの?」と、少しほっとしたようすでした。

 日常と非日常。

 旅行だからできるのではなく、日常の中でいつも思っていることを、現実として形にする機会になっているのかもしれません。
 
 ある生徒は、さまざまな事情から、二日目の学級別の行動に遅れて参加しました。みんなが、みんなで作る修学旅行を心から望んでいました。その気持ちが伝わって、少し遅れて参加することができました。遅れてしまった仲間の気持ちをほぐそうと、同じ班の生徒達がさりげなくそして、明るく彼を迎え入れていました。
 がんばりすぎて、少しだけテンションが上がりすぎてはいましたが、遠めに彼らの表情を見ていて、「仲間のチカラ」の強さと大きさに感動しました。

 ディズニーランドでは、21時に集合という約束がありました。
 どのグループも遅刻することなく、集合できました。
 2,3の班くらいは、ひょっとして、遅れるのかもしれないと思っていました。
 でも、ほんとうに、どのグループも「時間を守ろう。遅れないぞ」という気持ちを持って集まってきているのが、わかりました。

 自分の楽しみに没頭してしまって、ついつい全体のことを忘れてしまうという幼さがあったこの子達でしたが、そんな姿は、まったく見えなくなっていました。
 こんな生徒達の成長に触れた瞬間というのは、ほんとうに、それは、子どもたちに関わる人間として、一番嬉しいことです。

 NLPの基本前提に
「失敗はない フィードバックがあるだけ」ということばがあります。

 彼らは、これまでのたくさんの日常生活の中で、たくさんの出来事を重ねる中で、それをたくましく自分たちの成長の糧にしてきた生徒達です。今回の修学旅行でもそれを感じました。何かの出来事があるたびに、ただの「失敗」とか「ミス」とか「嫌な思い出」として片付けてしまうのではなく、それを確実にフィードバックしていました。
「今、この出来事を、これからどう生かすの?」と。

 遅刻、欠席が多いこの学年ですが、全員が元気に最後まで参加でき、すばらしい思い出をつくることができた・・・!すてきな思い出のニ泊三日となりました。

 一年生からの彼らの姿を、このブログでも何度か触れてきました。
 そのたびに、彼らが成長して行く過程での、学年の先生の素晴らしさも紹介してきました。人を育てるということは、こういうことか、ということを目の当たりにしています。

 北部中学校で5年目を迎える今年。

 たくさんの学年の生徒達の成長を見てきました。
 いろいろなアプローチがあり、いろいろな育て方があり、私は、「人を育てることとはどういうことか」ということをたくさん学ばさせていただいています。

 私たち大人は何かしらの評価というものを、どうしても必要としています。
 それは、社会的に必要なものでもあります。通知表も教員評価制も、それはそれで必要なのでしょう。

 でも、最終的には、評価なんてひとつのだれかのものさしでしかありません。

 外側に出てきた結果だけで、評価することではなく、彼らの心の中にあるものを、私たち教師の心の中にあるものを、大事にしたい。
 
 幸せは自分の心が決める。

 彼らが、今回の修学旅行でひとつでも「幸せ」を見つけることができたとしたら、それは、私たち職員にとっても、すごくすごく「幸せ」なこと。

 3年生のみんな。これから、また「日常」が始まるよ。

 毎日、笑ったり泣いたりしながら、たくさんの幸せをみつけていこうね。

 ※旅行中の写真は、明日アップする予定です。



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