姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

いじめは小さな原爆  ~文化祭ステージ発表から~

2007年11月10日 | Weblog


 今日は、大口北部中学校と大口中学校の合同文化祭。
 
 午前中は、大口中学校講堂でステージ発表が行われました。
 ブラスバンド部演奏(両校の合同バンド)  美術部(大中) パソコン部(北部中)  ボランティア部(北部中) JVC(北部中)  科学部(大中) 
 
 どの発表も、普段の活動や文化祭に向けての作品の発表がありとてもすばらしいと感じました。

 我がパソコン部は、「大口北部中学校と先生たちの昭和」と題して、10月に取材にいった北名古屋市歴史民俗資料館での画像と先生方の昭和時代の様々な写真を男プレゼンにまとめました。
 ふだんはあまり前にでて発表する機会がすくないわがパソコン部の生徒たちですが、本当に本当によく頑張ってくれた!!!と抱きしめてあげたい気持ちになりました。
 文化系の部活動は、運動部に比べて地味で、ややもすると存在が薄くなってしまうのですが、どの子も自分のよさを高めるためのそれぞれの部で楽しんでいます。
 そうした生徒たちも、大切に大切にしてあげたいと思っています。

 さて、文化系の部活動の発表のあと、中学生海外派遣の報告発表、広島派遣の報告がありました。
 今年は、20分ずつの発表時間があり、とても充実したよい発表であったと思いました。オーストラリア海外派遣は、自分が昨年度引率したこともあり、現地での生徒たちのドキドキ感や不安や喜び、そして変化がリアルに伝わってきました。

 そして・・・・・。
 とても心に残るフレーズが 随所に感じられた 2年生の 「広島派遣報告」

 参加した生徒たちが、心から平和を願う気持ちが伝わってきました。
 そして、その中に

『この話を聞いて私はとても悲しくなりました。原爆はたくさんの人の命を奪っただけでなく、生き残った人達の心に大きな傷を残す爆弾でもあることを実感しました。しかし、このような差別は原爆に限ったことではありません。
 私たちのまわりには〈無視〉や(仲間はずれ)、(いじめ)など、小さな差別がたくさんあります。そのために死にたいと考えたり、自らを傷つけたりする人達がいます。こうして考えてみると、無視やいじめは、ひとつひとつが大きくなくても、広島で原爆が落とされたときの被害と同じ性質のものを生み出しているように思えます。こうした差別がなくなり全世界が核兵器を持たなくなる日が一日も早く実現してほしいと思います。』
〈2年 Iさん)

そして・・・・

『人が互いに相手を思いやる心をもつという事は、僕たちの現在の学校生活にもとても大切なことだと思います。しかし、今の僕たちの普段の学校生活を見る限り、小さな原子爆弾は姿を変えて僕たちの身の回りに次々と落とされ続けていると思います。それは友達との会話で相手の事をまったく考えずに発してしまっている「言葉」です。この小さな原子爆弾は本人が気づかない限り増え続け、大きなものへと変わっていくと思います。』
(2年生 H君)

 広島の原爆によって苦しむ人たちの生の話から、一人一人が幸せに生きていく権利や存在そのものの大切さに気づいていった彼らの思いに心から拍手を送りたいと思いました。

 担当のM先生がこうおっしゃっていました。
 
「生徒たちの深い思いはすばらしいと思った。H君は、日本は被爆国であるけれど、日常の中でこんなにいじめが横行するならば、いつか、日本は核保有国になるのではないかとすら案じている。その感性はすばらしい。」と。

自分のことで精一杯でもあるこの時期に、学年全体を思い、日本全体を感じ、世界の平和を祈る生徒がいる。
そのことを私たちは大切にしてあげなければ・・と思います。

 


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