スライド登板

「他のお客さんいる時はアマイアマイできないから」＝「仕事がやりにくいからローテーションは守ってね」
ということなので、私の土曜日の登板は回避された。そのころ友人の一人は前半戦終了のラスト登板に、もう一人は引退がうわさされたが復帰戦に望んでいた。
当然、一回、跳ばしのローテだなと思っていたら、急にスライド登板の要請が来た。かなり早い時間から怪しげなメールが来ていたから「くさいな？」とは思ってはいたが、「have a nice day! i love you.」なんて調子のいいメールでごまかして、私は麻雀のデーゲームに臨んでいた。結果、一人勝ちしたが、お宝はすぐにパチンコ屋に置いて家にたどり着いた直後のことだった。
ちょうど明日は午前中に歯医者の予約がありいつもよりゆっくりしていられるので、軽く１イニング＝ワンセットほどで義理を果たそうと出かけていった。
ところが点が取れない。延長が無限に続いていく。12回（12時）で終わるのは日本の野球だけでここではエンドレスだった。彼女はだっこちゃん（古い）のごとく抱きついたまま離れない。まわりの客も他のタレントも呆れて目を背ける・・つまり球場全体を敵に回しブーイングの大合唱の中で投げ続けているようなものだ。2時を過ぎた頃、腕に違和感を持ったがラストまで投げ続けた。
「毎週、日曜日はスイートデーだね！」
ビシッと音がして二度とマウンドに立てなくなる日もそう遠くない！