私の乗っている電車はよく止まります。今年の3月、夜のクラスの帰りの東上線が、私の降りる2つ前の駅で止まりました。
いつ復旧するかわからない。
仕方なく2駅くらい迷わずに歩ける…と思っちゃったのが大間違い。
まるで獣道に入ってしまったようでした。
人は誰も歩いていないし、約1時間半くらい歩いたでしょうか。
夫からは何度も心配の電話。
「どこにいるの?迎えに行ってあげる」と。
でも、「ここはどこ?私は誰?」の世界だからどうにもならない。
やっと自力で大きな通りに出て、訪ね訪ねて2時間かかり帰宅したのでした。方向オンチにも困ったものです。
夫には心配ばかりかけていた私でした。まさか、その次の月に緊急搬送されるなんて、その時は夢にも思っていませんでした。
夫とは、よくLINEや電話をしました。
「今日の田原豊道先生の授業も良かったよ」とボイスメモを送ったら「すごい!声にハリがある」とか。
田原先生を動画で撮って送ったら「田原先生、元気そうで安心した」とか。
入院中も「田原先生、元気かな?メールしてみようかな?」なんて言っていました。
夫とは、ケンカもしたけど仲良しでした。
私が夫にしてあげられた最大のことは、今、私が味わっている深い悲しみと喪失感を夫にさせないですんだことくらいです。
これが一番の私の慰めになっています。
さて、先週の水曜日、16日に私は築地本願寺に行きました。
何も知らずに行ったのです。何となく会いたくなって…。
先ほど分かりました。百か日だったのです。
百ヶ日は卒哭忌(そっこくき)とも言われていて、声をあげて嘆き悲しむことから一区切りつけるという意味合いがあるそうです。
偶然行ったお墓まいりでしたが、そろそろ明るく前向きにならなければいけませんね。
本人はいたって普通に明るくしているつもりですが…。