写真と本文は、毎日新聞より。
>自民党女性局長の松川るい参院議員(52)は1日、党女性局の海外研修でフランスを訪れた際の様子を、エッフェル塔の前やリュクサンブール宮殿内で撮影した写真とともにSNS上にアップして「観光旅行ではないのか」などと炎上している問題についで「大変軽率だったと反省しています」と述べた。自民党本部で報道陣の取材に語った。
松川氏は「研修自体は有意義だったと思う」「有意義な意見交換ができた」と、研修は「有意義だった」とした上で「発信について不適切なものがあった。多くの誤解をされたことについて反省しています」と述べた。
大前提として私は自民党支持者ではなく根っからの無党派・無宗教だが、私はこの報道にこの国が抱える根深い問題をいくつも感じてしまった。
まず、木を見て森を見ないネット民。
マスコミに対しては日々「切り取り」「印象操作」と罵っているが、ネット民は今回自民党女性局の全ての仕事ぶりをキチンと把握してからこの写真を批判したのか。
切り取り、印象操作をしているのは、あなた方ネット民そのものではないのか。
そして「不謹慎だ」と罵るネット民は、研修旅行というものに行った事がないのか。
世間一般で「研修旅行」と言えば、もちろん業務上の研修を含むが多少は観光など遊びの要素もあろう。
罵るネット民らの研修旅行は、24時間全てお勉強なのか、あなた方はそんなに聖人君子なのかと問いたい。
またこの件が必要以上に騒がれるのは、女性局の研修旅行だからという面も少なくない。
令和の世の中、ジェンダー意識は多少進んではいるもののこの旅行を叩いている人の中には
「女のくせに…」
と思っている人もいるはずだ。敢えて言わないだけで。
また、子育てで忙しいママさんの中には
「私が子育てで忙しいのに、税金でこんな事を…」
と妬む声もある。
確かにこの旅費には党費すなわち政党交付金が含まれているが、これも回り回って税金だ。
しかし「私が忙しいのに…」という指摘は、その人が人生の一瞬をわざわざ切り取ってこの旅行と比較しているのに過ぎない。
今は育児で確かに忙しいだろうが、子どもが成長、独立すればいずれそのママも解放され、自由な時間が訪れる。
そうやって手にした自由な時間で出かけた旅行の写真をSNSで上げて、育児中の若いママさんに罵られたら、どう思うだろうか。
私は、これらの問題の根っこは2つに絞れる。
ひとつは、ニッポンの貧しさ。
「失われた30年」と言われ、諸外国に比べ国力は著しくダウン。ここへ来て給料が上がってきた企業もあるが、物価上昇率でチャラ。
covid-19が5類になったとはいえ円安や燃油サーチャージの高さで、おいそれとは海外に行けない不満、妬みが今回のバッシングにつながっているのだろう。
もうひとつは、小選挙区比例代表並立制の弊害だ。
私は今回の女性局研修旅行で最も問題に思うのは、今井絵理子が嬉しげに参加している事だ。
もちろん、公正な選挙を経て当選したのだから堂々と行けばよい。ただその選挙制度、すなわち比例代表制にこそ問題があると私は思う。
30年前に当時の中選挙区制から現行の制度に改まった際、小選挙区制は死票が多く出るため民意反映の手段として比例代表並立制となった。
しかしこの比例代表制の最大の問題は、言うまでもなく党内の序列だ。能力や人間性に疑問のある立候補者であっても、名簿の上の方に名前があれば当選してしまうのだ。
誰とは言わないが、大阪府知事時代何も実績のない人が比例で通ってシレッとバッジを付けているのに、いつも虫酸が走る。
こういった現象を改善するには、まずこのニッポンという国を立ち直らせ、つまらない妬みなど抱かぬよう国力を戻す。そのために正しい政治家を選べる方法に戻すべきではないのか。
「政治家がアホなのは、有権者がアホだから」
という意見は、間違ってはいない。しかしニッポン人はそこまでアホではないと思いたい。
問題は、選挙制度ではないのか…?