ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

未だにクリスマスは、フィル・スペクターをヘビロテ。

2020-12-22 20:00:00 | No Music,No Life.

バタバタしているうちに、クリスマスである。
コロナ禍で全くどんちゃん騒ぎなど出来なくても、クリスマスはやって来る。
多くは書かないが、私の勤務先はクリスマスに大イベントをやるので入社してこのかたクリスマスを楽しんだ事は、ほぼない。
我が社の独身率の高さと、決して無関係とは言い切れないだろう(笑)。

私の尊敬してやまない「歌う人間国宝」山下達郎の「クリスマス・イブ」が、先日の某新聞の読者アンケートで「一番聴きたいクリスマスソング」の断トツ1位に輝いた。
まぁ、当然と言えば当然だろう。
「クリスマス・イブ」は、おそらく最初で最後の和製クリスマス・スタンダードナンバーに違いない。
リアルタイムで知るファンの立場としては、あの曲はアルバム「メロディーズ」のラストにひっそり収められていた曲であり、ファンだけがその時期になると聴いて密かに涙しようと思っていたのだが、JR東海のCMに使われてからはご存知の通りのひとり歩きである…

しかし私が毎年この時期にヘビーローテーションするのは達郎よりもコレだ。
1960年代の偉大な音楽プロデューサー、フィル・スペクターのクリスマスアルバムである。
「スペクターサウンド」は大滝詠一や達郎も相当の影響を受けており、その深いエコーと分厚い音像が特徴的。
生ギターにしても多人数で同じフレーズを弾く事によりギター同士が共鳴し、何とも言えぬ音の厚みになる。
さらにそこに鈴やカスタネットなどの鳴り物が加わり、「wall of sound」すなわち音の壁と評される。

音世界もさる事ながら、スペクターは全てのアーティストをそのサウンドで味付けした事でも知られる。
アーティストの個性を無視して全て同じテイストにしてしまい、アルバムのラストで自身のナレーションまで入れてしまう「オレがオレが」ぶりは今でも賛否両論ある。
「Be My Baby」などで知られるロネッツや、ダーレン・ラブなどどのボーカリストも同じサウンドだが、まさに小室哲哉がやっていたスタイルをその30年前にスペクターがやっていたのだ。

しかしこのアルバムに出逢って30年近く経つのに全く飽きずに今年も聴き続けていられるのはそのサウンドの心地良さ、私の好きミュージシャンの先祖である事はもちろんだが、日本で云われるところのクリスマス特有の商売っ気を全く感じないところだろう。
なぜ、バブル以降の日本のクリスマスは恋愛と紐付くのか?
ホイチョイプロダクションの仕業か(笑)?
私は沖縄には計6回行っているが、4年前のこの時期は美浜地区のアメリカンビレッジに行き、そこでネイティブアメリカンが演出する「ほんまもんのクリスマス」を実感した。
彼らは何の商売っ気もなく、まして恋愛の下心もなく、純粋にクリスマスを楽しんでいる。あの感覚は、我々生粋の日本人にはないものだ。
上手く言えないが、このスペクターのアルバムから伝わって来るのはまさしくそのネイティブアメリカンならではの、商売っ気のないクリスマス感なのである…



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