【佐藤優】又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる
(1)沖縄県は日本の地方自治体の一つということになっている。しかし、そこには日本外務省から派遣された沖縄大使がいる。そして、ワシントン、北京、モスクワと同様の暗号通信を行う機材が設置され、外務本省から電信官が配置されている。そして、外務省沖縄事務所に勤務する外務公務員(外交官)が沖縄で収集した情報を秘や極秘の暗号をかけて東京の外務本省やワシントンの在米日本大使館に送る。
外務省沖縄事務所は、日本国内にある組織であるにもかかわらず、事実上は外国における日本大使館と同様の情報活動を行っている。
(2)この奇妙な組織が設置されて20年を迎えた機会に、「琉球新報」が次のような社説を掲げた。
<沖縄担当全権大使が代表を務める外務省沖縄事務所がいつの間にか20周年を迎えていた。多くの県民はこう受け止めたのではないか。
開設から数代の大使の名は頻繁に報じられたが、2009年から定例会見が開かれなくなり、その肉声は米軍の事件事故に対する抗議を受ける時だけしか聞こえなくなった。現12代目の川田司氏の名がすぐに出る県民はほとんどいないだろう。
沖縄事務所は1997年、橋本龍太郎首相の肝いりで開設された。
米軍基地の過重負担にあえぐ沖縄の実情を中央政府と米側ににごりのない目で伝え円滑な関係構築に努めるという、本来の設置目的に沿った活動は停滞して久しい。
20周年記念の招宴で、岸田文雄外相は「これからも外務省は大使と沖縄事務所を通じて沖縄の皆さんの声に耳を傾けたい」と述べたが、うわべだけの言葉に聞こえる。>【注1】
(3)外務省沖縄事務所の主要な任務は、日本の沖縄に対する植民地的支配を円滑に進めることだ。この任務遂行に当たって、都合のよい、日本から沖縄に植民した者、中央政府に過剰同化した沖縄人の声には今後も外務省は耳を傾け続けるのである。
「琉球新報」の社説は続ける。
<基地に起因する問題にあえぐ県民にすれば、今の外務省沖縄事務所は、政府の立場を沖縄社会に押し付け、米軍の円滑な運用を最優先しているように映る。昨年末に墜落したオスプレイは沖縄社会が猛反発する中、わずか6日で飛行再開したが、沖縄事務所は何か手を打っただろうか。
今回の来県で、岸田外相は保守系9市長と懇談したが、翁長雄志知事と共に、名護市辺野古の新基地建設に反対する稲嶺進名護市長や城間幹子那覇市長は招かなかった。その場で、岸田氏は「辺野古が唯一の解決策」というお決まりのせりふを繰り出した。
安倍政権の考え方に理解を示す側ばかりに耳を傾けているのではないか。こうしたことは過去にも目に見える形で繰り返された。
01年、当時の橋本宏大使は、名護市議会から米海兵隊の戦闘攻撃機の訓練空域外での訓練中止を要請された席で、議員の発言を遮り「聞く耳持たない」と声を荒らげ、後日陳謝した。>【注2】
(4)沖縄事務所の機能が大多数の沖縄人の利益に反していることが、(3)の社説によってよく分かる。
沖縄事務所の活動で警戒しなくてはならないのは、仲井眞弘多・前沖縄県知事のもとで知事公室長をつとめた又吉進・外務省参与の耕作を支援していることだ。
2017年1月、高良倉吉・前沖縄県副知事が稀に見る欺瞞的な本を上梓した。『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』がそれである。仲井・前知事の側近たちによる辺野古新基地建設が唯一の道であることを、あたかも実証的であるかの手法で示した情報操作の書だ。この中で、又吉氏は、沖縄県知事の外交の意義についてこう記している。
<沖縄県民には基地問題の現状について大きな不満があること、その一方で日米安保体制については一定の評価が存在すること、進行中の基地の整理縮小計画に関する課題や見通しについて沖縄側に意見があることなど、これらの点を正確に伝え、米国が県民の利益に沿った判断をするよう働きかけることが訪米の目的である。しかしながら、のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない。沖縄をめぐるさまざまな話題を提起し、意見交換を行い、議論の基礎を作ることがまずは必要なのである。
米政府との会談で留意すべきことは、相手は官僚であり、日米安保条約および日米地位協定を越えた議論は期待できないということだ。県と米政府の接触は、わが国の地方自治体として実務的、現実的に現状を改善したいとの意思を表明する場なのであって、相手の権限以上の見解を求めても「上司に報告する」と言われるだけなのだ。>【注3】
(5)「のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない」との理由でワシントンを訪れた沖縄県知事が抗議や要請を自粛するくらいならば、訪米などしない方がましだ。相手がどのようにつっけんどんな対応をとろうと、それを「上司」すなわち米国の政策意思に関与する高級官僚や政治家に伝える努力を沖縄県知事は放棄してはならない。
沖縄は自己決定権を持つ。この自己決定権を無視し、沖縄をいつまでも日本の中央政府に隷属させようとするのが外務省の工作だ。残念ながら、日本に過剰同化した一部の沖縄人が、外務省の先兵となっている。このような状況を脱構築しておくことが、沖縄にとっての焦眉の課題だ。
佐藤優は、又吉進氏に外務省参与を辞任することを勧める。このままでは、又吉氏は沖縄史の汚点になる。
ちなみに、前掲「琉球新報」社説は、沖縄大使や外務省沖縄事務所の過去を全否定しているわけではない。
<一方で沖縄大使が存在感を発揮したことがある。05年のキャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設の建設を巡り、当時の宮本雄二大使は、何度も在日米軍幹部に直談判し、住宅地に近い訓練場の移設にこぎ着けた。地元の反発を受け止め、粘り強い交渉で住民に危険が及ぶ使用を食い止めた。>【注4】
(6)宮本氏は、佐藤優が1985年に外務省に入省し、欧亜局ソヴィエト連邦課(現・欧州局ロシア課)で研修生をしていたときの同課主席事務官(外務省独自の役職で他省の筆頭課長補佐に相当)だった。宮本氏は、中国語を研修した外交官で、能力が高く、正義感の強い人だった。
宮本氏は、米軍基地を沖縄にとどめるためには、地元との折り合いをつけなくてはならないという正常なバランス感覚があるので、米軍との軋轢を恐れずにこのような交渉をしたのだろう。
現在の沖縄大使や外務省沖縄事務所は、首相官邸と外務本省の顔色をうかがうだけで、沖縄に所在する外務省の機関としての機能を果たしていないし、今後も事態が改善する可能性はあるまい。
沖縄から、「歴史的意義を果たしたので沖縄大使はもういらないし、外務省沖縄事務所も閉鎖してもらいたい」と要請する時期に至っている。
【注1】社説「外務省事務所20年 県民の声に耳を傾けよ」(琉球新報 2017年2月28日)
【注2】前掲社説。
【注3】高良倉吉(前沖縄県副知事)・編著『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』(中公新書、2017)
【注4】前掲社説。
□佐藤優「又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる ~飛耳長目 第129回~」(「週刊金曜日」2017年3月10日号)
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【参考】
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「【佐藤優】沖縄報道の植民地主義的な認識 ~朝日新聞~」
「【佐藤優】マティス国防長官来日/尖閣は安保適用の範囲/北方領土との整合性は」
「【佐藤優】露外交官の追放問題に見るトランプ氏の能力」
「【佐藤優】北方領土交渉に必要な反日ロビー活動の封印」
「【佐藤優】沖縄に対する構造的差別 ~「土人」発言~」
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「【佐藤優】一時中止は沖縄側の勝利だが ~辺野古新基地建設~」
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(2)この奇妙な組織が設置されて20年を迎えた機会に、「琉球新報」が次のような社説を掲げた。
<沖縄担当全権大使が代表を務める外務省沖縄事務所がいつの間にか20周年を迎えていた。多くの県民はこう受け止めたのではないか。
開設から数代の大使の名は頻繁に報じられたが、2009年から定例会見が開かれなくなり、その肉声は米軍の事件事故に対する抗議を受ける時だけしか聞こえなくなった。現12代目の川田司氏の名がすぐに出る県民はほとんどいないだろう。
沖縄事務所は1997年、橋本龍太郎首相の肝いりで開設された。
米軍基地の過重負担にあえぐ沖縄の実情を中央政府と米側ににごりのない目で伝え円滑な関係構築に努めるという、本来の設置目的に沿った活動は停滞して久しい。
20周年記念の招宴で、岸田文雄外相は「これからも外務省は大使と沖縄事務所を通じて沖縄の皆さんの声に耳を傾けたい」と述べたが、うわべだけの言葉に聞こえる。>【注1】
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「琉球新報」の社説は続ける。
<基地に起因する問題にあえぐ県民にすれば、今の外務省沖縄事務所は、政府の立場を沖縄社会に押し付け、米軍の円滑な運用を最優先しているように映る。昨年末に墜落したオスプレイは沖縄社会が猛反発する中、わずか6日で飛行再開したが、沖縄事務所は何か手を打っただろうか。
今回の来県で、岸田外相は保守系9市長と懇談したが、翁長雄志知事と共に、名護市辺野古の新基地建設に反対する稲嶺進名護市長や城間幹子那覇市長は招かなかった。その場で、岸田氏は「辺野古が唯一の解決策」というお決まりのせりふを繰り出した。
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01年、当時の橋本宏大使は、名護市議会から米海兵隊の戦闘攻撃機の訓練空域外での訓練中止を要請された席で、議員の発言を遮り「聞く耳持たない」と声を荒らげ、後日陳謝した。>【注2】
(4)沖縄事務所の機能が大多数の沖縄人の利益に反していることが、(3)の社説によってよく分かる。
沖縄事務所の活動で警戒しなくてはならないのは、仲井眞弘多・前沖縄県知事のもとで知事公室長をつとめた又吉進・外務省参与の耕作を支援していることだ。
2017年1月、高良倉吉・前沖縄県副知事が稀に見る欺瞞的な本を上梓した。『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』がそれである。仲井・前知事の側近たちによる辺野古新基地建設が唯一の道であることを、あたかも実証的であるかの手法で示した情報操作の書だ。この中で、又吉氏は、沖縄県知事の外交の意義についてこう記している。
<沖縄県民には基地問題の現状について大きな不満があること、その一方で日米安保体制については一定の評価が存在すること、進行中の基地の整理縮小計画に関する課題や見通しについて沖縄側に意見があることなど、これらの点を正確に伝え、米国が県民の利益に沿った判断をするよう働きかけることが訪米の目的である。しかしながら、のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない。沖縄をめぐるさまざまな話題を提起し、意見交換を行い、議論の基礎を作ることがまずは必要なのである。
米政府との会談で留意すべきことは、相手は官僚であり、日米安保条約および日米地位協定を越えた議論は期待できないということだ。県と米政府の接触は、わが国の地方自治体として実務的、現実的に現状を改善したいとの意思を表明する場なのであって、相手の権限以上の見解を求めても「上司に報告する」と言われるだけなのだ。>【注3】
(5)「のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない」との理由でワシントンを訪れた沖縄県知事が抗議や要請を自粛するくらいならば、訪米などしない方がましだ。相手がどのようにつっけんどんな対応をとろうと、それを「上司」すなわち米国の政策意思に関与する高級官僚や政治家に伝える努力を沖縄県知事は放棄してはならない。
沖縄は自己決定権を持つ。この自己決定権を無視し、沖縄をいつまでも日本の中央政府に隷属させようとするのが外務省の工作だ。残念ながら、日本に過剰同化した一部の沖縄人が、外務省の先兵となっている。このような状況を脱構築しておくことが、沖縄にとっての焦眉の課題だ。
佐藤優は、又吉進氏に外務省参与を辞任することを勧める。このままでは、又吉氏は沖縄史の汚点になる。
ちなみに、前掲「琉球新報」社説は、沖縄大使や外務省沖縄事務所の過去を全否定しているわけではない。
<一方で沖縄大使が存在感を発揮したことがある。05年のキャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設の建設を巡り、当時の宮本雄二大使は、何度も在日米軍幹部に直談判し、住宅地に近い訓練場の移設にこぎ着けた。地元の反発を受け止め、粘り強い交渉で住民に危険が及ぶ使用を食い止めた。>【注4】
(6)宮本氏は、佐藤優が1985年に外務省に入省し、欧亜局ソヴィエト連邦課(現・欧州局ロシア課)で研修生をしていたときの同課主席事務官(外務省独自の役職で他省の筆頭課長補佐に相当)だった。宮本氏は、中国語を研修した外交官で、能力が高く、正義感の強い人だった。
宮本氏は、米軍基地を沖縄にとどめるためには、地元との折り合いをつけなくてはならないという正常なバランス感覚があるので、米軍との軋轢を恐れずにこのような交渉をしたのだろう。
現在の沖縄大使や外務省沖縄事務所は、首相官邸と外務本省の顔色をうかがうだけで、沖縄に所在する外務省の機関としての機能を果たしていないし、今後も事態が改善する可能性はあるまい。
沖縄から、「歴史的意義を果たしたので沖縄大使はもういらないし、外務省沖縄事務所も閉鎖してもらいたい」と要請する時期に至っている。
【注1】社説「外務省事務所20年 県民の声に耳を傾けよ」(琉球新報 2017年2月28日)
【注2】前掲社説。
【注3】高良倉吉(前沖縄県副知事)・編著『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』(中公新書、2017)
【注4】前掲社説。
□佐藤優「又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる ~飛耳長目 第129回~」(「週刊金曜日」2017年3月10日号)
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「【佐藤優】マティス国防長官来日/尖閣は安保適用の範囲/北方領土との整合性は」
「【佐藤優】露外交官の追放問題に見るトランプ氏の能力」
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