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ベンヤミンが「社会研究誌」に発表した論文は5編だ(10編に及ぶ書評を除く)。
そのうち「言語社会学の諸問題--ひとつの集約的報告」(1935年)は、ヘルダーの言語理論からはじまって、ゴルトシュタイン(神経生理学者・精神医学者)の最新の研究までを見渡したものだ。ジャン・ピアジェの発達心理学、さらには、間接的とはいえ、ソシュールの言語論にも触れられていて、ベンヤミンの特異な言語論の背景を考える上でも貴重な論考だ。そもそも、言語学と社会学の接点に焦点を置いた、言語社会学という発想自体が当時としては斬新だ。
□細見和之『フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』(中公新書、2014)の「第3章 亡命のなかで紡がれた思想--ベンヤミン」
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【参考】
「【社会】格差社会における「承認の欠如」 ~第三世代のフランクフルト学派~」