(1)本書【注】は、ノーベル経済学賞を受賞した米国のヘックマン教授が40年以上にわたる追跡調査によって就学前の幼児教育が経済的に大きな効果をもたらすことを証明した名著だ。
最近、日本でも「就学前教区によって子どもが将来、富裕層になる可能性が高まる」という議論をする人が増えてきたが、その種本になっているのが本書だ。
(2)もっとも、ヘックマンは就学前教育によって富裕予備軍を育成せよと主張しているのではない。貧困問題の解決策として幼児の環境に注意を向け、以下の警鐘の鳴らしているのである。
<今日のアメリカでは、どんな環境に生まれあわせるかが不平等の主要な原因の一つになっている。アメリカ社会は専門的な技術を持つ人と持たない人とに両極化されており、両者の相違は乳幼児期の体験に根差している。恵まれない環境に生まれた子供は、技術を持たない人間に成長して、生涯賃金が低く、病気や十代の妊娠や犯罪など個人的・社会的なさまざまな問題に直面するリスクが非常に高い。機会均等を声高に訴えながら、私たちは生まれが運命を決める社会に生きているのだ。
生まれあわせた環境が人生にもたらす強力な影響は、恵まれない家庭に生まれた者にとって悪である。そして、アメリカ社会全体にとっても悪である。数多くの市民が社会に貢献する可能性を失わせているのだ>
適切な社会政策を実施することによって、状況の抜本的な解決が可能であるとヘックマンは考える。
(3)米国において、特に深刻な状態に置かれているのがひとり親家庭の子どもだ。
<ひとり親家庭で育つ子供の割合は劇的に増加しており、その主要な原因は未婚のまま子供を持つ母親が著しく増えていることにある。未婚の母親を持つ5歳以下のすべての子供の割合は、学校教育から脱落した女性を母親として生まれた子供の35パーセント以上にのぼっている。この傾向はとくにアフリカ系アメリカ人で顕著である。高学歴女性を母親に持つ子供と低学歴女性を母親似持つ子供との環境格差が生まれている。
高学歴な女性の就労率は、低学歴な女性の場合よりはるかに高い。同時に、広範囲な調査研究によれば、大卒の母親は低学歴な母親よりも育児に多くの時間を割き、とくに情操教育に熱心だ。彼女たちはわが子への読み聞かせにより多くの時間をかけ、一緒にテレビを観る時間はより少ない。教育程度が高い女性が未婚で子供を産む率は10パーセント未満だ。彼女たちは結婚も出産も比較的遅く、教育を修了することを優先する傾向が強い。自分自身の収入も配偶者の収入も安定している。子供の数が少ない。こういった要素がはるかにゆたかな子育て環境をもたらし、それが子供の語彙や知的能力に劇的な違いをもたらす。両親が安定した結婚生活を営んでいる子供には恩恵がとくに明白で、子育ての質においての、持つ者と持たざる者との格差は、過去30年間に拡大した。高学歴の女性を母親として安定した結婚生活を営む家庭に生まれ育つ子供は、そうでない子供よりも著しく有利だ。要するに、高学歴な母親ほど仕事を持ち、安定した結婚生活を営み、わが子の教育に熱心だということだ>
(4)(3)のような状況だと、両親が高学歴で安定した結婚生活を営んでいる家庭の子どもは、知識と情操の両面で良好な教育が受けられるので、小学校に入ってからも学業も体育も素行も優秀で、高等教育機関に進む可能性が大きく開かれる。そして学校を終えた後も比較的高収入の職に就き、同じ階層から配偶者を見つけ、自分が受けたのと同じような良好な教育環境を子供に保証する。
(5)低学歴のひとり親のもとで育てられた子どもは、人生のスタート時点での遅れを一生取り戻すことができない。だから、政府が適切な関与を就学前児童に対して行う必要がある。その場合、給付金政策はほとんど意味を持たないとヘックマンは考える。
<貧困に対処し社会的流動性を促進するために、所得の再分配を求める声は多い。だが、最新の研究は、再分配はある時点では確実に社会の不公平を減じるものの、それ自体が長期的な社会的流動性や社会的包容力【訳注:社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させるのではなく、共に支え合って生活していこうという考え方】を向上させはしないと主張している。事前分配--恵まれない子供の幼少期の生活を改善すること--は社会的包容力を育成すると同時に、経済効率や労働力の生産性を高めるうえで、単純な再配分よりもはるかに効果的である。事前分配政策は公平であり、経済的に効率がいい>
(6)貧困層に属する人々は、生活習慣においても「弱い」人が多い。就学前の子どものために政府が補助金を支給しても、親がその金で酒を飲んだり、ギャンブルに使ってしまったりする可能性は排除されない。このような給付金よりも、就学前教育を義務化するとともに、教材費、給食費を含め、一切、無償化することの方がずっと効果が期待できる。
日本においても、子どもの貧困が深刻な問題になっている。現在も行政や民間のボランティア団体が、貧困層の子どものためにさまざまな活動を展開しているが、事態の悪化を食い止めることができていない。保育園・幼稚園を義務教育化し、親の経済力に関係なく、子どもにはできるだけ平等に知育、徳育、体育のバランスが取れた教育を無償で受けさせられるような制度設計が必要だ。それにかかる2兆円程度の経費は、消費税を1%上げれば確保できる。その結果、将来、生活保護に頼る人が減り、納税者が増えるわけだから、経済合理性もある。
【注】ジェームズ・J・ヘックマン(古草秀子・訳)『幼児教育の経済学』(東洋経済新報社、2015)
□佐藤優「実家の収入で人生はすべて決まる?「下流」を脱する方法 ~名著再び、 ビジネスパーソンの教養講座 第22回~」(「週刊現代」2017年1月28日号)
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【参考】
「【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議」
「【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所」
「【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~」
「【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国」
「【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~」
「【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化」
「【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築」
「【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品」
「【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~」
「【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~」
「【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州」
「【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない」
「【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~」
「【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防」
「【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口」
「【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交」
「【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化」
「【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方」
「【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性」
「【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~」
「【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要」
「【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国」
「【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化」
「【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方」
「【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~」
「【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次」
「【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築」
「【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序」
「【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話」
「【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント」
「【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟」
「【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~」
「【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系」
「【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方」
「【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~」
「【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人」
「【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密」
「【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム」
「【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下」
「【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~」
「【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書」
「【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説」
「【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム」
「【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞」
「【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学」
「【佐藤優】何が個性で、何が障害か」
「【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~」
「【佐藤優】英才教育という神話」
「【佐藤優】資本主義の内在的論理」
「【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源」
「【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学」
「【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」」
「佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本」
「【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論」
「【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落」
「【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺」
「【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~」
「【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書」
「【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~」
「【佐藤優】社会の価値観、退行する社会」
「【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体」
「【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~」
「【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発」
「【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治」
「【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学」
「【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!」
「【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~」
最近、日本でも「就学前教区によって子どもが将来、富裕層になる可能性が高まる」という議論をする人が増えてきたが、その種本になっているのが本書だ。
(2)もっとも、ヘックマンは就学前教育によって富裕予備軍を育成せよと主張しているのではない。貧困問題の解決策として幼児の環境に注意を向け、以下の警鐘の鳴らしているのである。
<今日のアメリカでは、どんな環境に生まれあわせるかが不平等の主要な原因の一つになっている。アメリカ社会は専門的な技術を持つ人と持たない人とに両極化されており、両者の相違は乳幼児期の体験に根差している。恵まれない環境に生まれた子供は、技術を持たない人間に成長して、生涯賃金が低く、病気や十代の妊娠や犯罪など個人的・社会的なさまざまな問題に直面するリスクが非常に高い。機会均等を声高に訴えながら、私たちは生まれが運命を決める社会に生きているのだ。
生まれあわせた環境が人生にもたらす強力な影響は、恵まれない家庭に生まれた者にとって悪である。そして、アメリカ社会全体にとっても悪である。数多くの市民が社会に貢献する可能性を失わせているのだ>
適切な社会政策を実施することによって、状況の抜本的な解決が可能であるとヘックマンは考える。
(3)米国において、特に深刻な状態に置かれているのがひとり親家庭の子どもだ。
<ひとり親家庭で育つ子供の割合は劇的に増加しており、その主要な原因は未婚のまま子供を持つ母親が著しく増えていることにある。未婚の母親を持つ5歳以下のすべての子供の割合は、学校教育から脱落した女性を母親として生まれた子供の35パーセント以上にのぼっている。この傾向はとくにアフリカ系アメリカ人で顕著である。高学歴女性を母親に持つ子供と低学歴女性を母親似持つ子供との環境格差が生まれている。
高学歴な女性の就労率は、低学歴な女性の場合よりはるかに高い。同時に、広範囲な調査研究によれば、大卒の母親は低学歴な母親よりも育児に多くの時間を割き、とくに情操教育に熱心だ。彼女たちはわが子への読み聞かせにより多くの時間をかけ、一緒にテレビを観る時間はより少ない。教育程度が高い女性が未婚で子供を産む率は10パーセント未満だ。彼女たちは結婚も出産も比較的遅く、教育を修了することを優先する傾向が強い。自分自身の収入も配偶者の収入も安定している。子供の数が少ない。こういった要素がはるかにゆたかな子育て環境をもたらし、それが子供の語彙や知的能力に劇的な違いをもたらす。両親が安定した結婚生活を営んでいる子供には恩恵がとくに明白で、子育ての質においての、持つ者と持たざる者との格差は、過去30年間に拡大した。高学歴の女性を母親として安定した結婚生活を営む家庭に生まれ育つ子供は、そうでない子供よりも著しく有利だ。要するに、高学歴な母親ほど仕事を持ち、安定した結婚生活を営み、わが子の教育に熱心だということだ>
(4)(3)のような状況だと、両親が高学歴で安定した結婚生活を営んでいる家庭の子どもは、知識と情操の両面で良好な教育が受けられるので、小学校に入ってからも学業も体育も素行も優秀で、高等教育機関に進む可能性が大きく開かれる。そして学校を終えた後も比較的高収入の職に就き、同じ階層から配偶者を見つけ、自分が受けたのと同じような良好な教育環境を子供に保証する。
(5)低学歴のひとり親のもとで育てられた子どもは、人生のスタート時点での遅れを一生取り戻すことができない。だから、政府が適切な関与を就学前児童に対して行う必要がある。その場合、給付金政策はほとんど意味を持たないとヘックマンは考える。
<貧困に対処し社会的流動性を促進するために、所得の再分配を求める声は多い。だが、最新の研究は、再分配はある時点では確実に社会の不公平を減じるものの、それ自体が長期的な社会的流動性や社会的包容力【訳注:社会的に弱い立場にある人々を排除・孤立させるのではなく、共に支え合って生活していこうという考え方】を向上させはしないと主張している。事前分配--恵まれない子供の幼少期の生活を改善すること--は社会的包容力を育成すると同時に、経済効率や労働力の生産性を高めるうえで、単純な再配分よりもはるかに効果的である。事前分配政策は公平であり、経済的に効率がいい>
(6)貧困層に属する人々は、生活習慣においても「弱い」人が多い。就学前の子どものために政府が補助金を支給しても、親がその金で酒を飲んだり、ギャンブルに使ってしまったりする可能性は排除されない。このような給付金よりも、就学前教育を義務化するとともに、教材費、給食費を含め、一切、無償化することの方がずっと効果が期待できる。
日本においても、子どもの貧困が深刻な問題になっている。現在も行政や民間のボランティア団体が、貧困層の子どものためにさまざまな活動を展開しているが、事態の悪化を食い止めることができていない。保育園・幼稚園を義務教育化し、親の経済力に関係なく、子どもにはできるだけ平等に知育、徳育、体育のバランスが取れた教育を無償で受けさせられるような制度設計が必要だ。それにかかる2兆円程度の経費は、消費税を1%上げれば確保できる。その結果、将来、生活保護に頼る人が減り、納税者が増えるわけだから、経済合理性もある。
【注】ジェームズ・J・ヘックマン(古草秀子・訳)『幼児教育の経済学』(東洋経済新報社、2015)
□佐藤優「実家の収入で人生はすべて決まる?「下流」を脱する方法 ~名著再び、 ビジネスパーソンの教養講座 第22回~」(「週刊現代」2017年1月28日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議」
「【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所」
「【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~」
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「【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方」
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「佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本」
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